スタジオジブリの最新作『借りぐらしのアリエッティ』を観てきました。
宮崎駿さんが脚本を担当。
品が良くてまとまりがあって、かといって物足りなさが募るわけでもない
小作品といった感じでした。面白かったです。
米林宏昌監督はジブリのカラーを損なわず、かといって小さくまとまらず、
すごく良い仕事をされたのではないかという気がします。
言う人だったら、もっとはみだせ!と言うかもしれない。
でも、ジブリとしてはみだす役目は、ジブリの色を作った
宮崎駿さんしかいないわけです。
宮崎さん以外がはみ出したら、それはジブリではなくなってしまう。
宮崎駿さんが現役の間はずっとそうでしょうね。
彼が退いたのちに、彼以外の人がジブリをクリエイトしていくために、
作品の中で「はみだす」役割さえ担うようになっていくのではないかなぁ。
この『借りぐらしのアリエッティ』では、小人のアリエッティの家族も素敵だし、
人間側にも物語があって、キャラの濃さがちょうどよくて
心地よく作品に没頭していられる、といいますか、作品に引寄せられました。
ストーリーや細部に夢があるし、ジブリも宮崎駿さん以外の人でも
これだけの質の高いものを生み出せるのだぞというのを示したと思います。
最初の方に、品が良いと書きました。
そういうファンタジックなお話なのです。
アクションシーンとかスピード感のあるドタバタだとかはありませんが、
それが逆に、この作品の中での落ち着いたトーンとして、カラーを成立させていて、
もしかすると、『ポニョ』よりも飽きのこない作品かもしれません。
ただの小人の生活を見せる。
たとえば15分だけ、それが質素なものだとしても、
十分に観る人を満足させられると思われます。
それだけ、生活のにおいに魅力があるのです。
出されるお茶にしても、パンにしても、部屋の構造にしても、
ブルジョワじゃなくても、「なんか、いいな、憧れるな」
っていう要素が感じられる。
もともと、ジブリってそうでしたよね。
ナウシカ、ラピュタ、魔女の宅急便。
描写される西洋風のなにげない生活に、
幸福感のかけらを観客は観て取ってなかったか。
あぁいうのは、古いだの新しいだのを超えた、
普遍的な「生活の快楽感」を土台に作られているのだと思います。
ネタバレになっちゃうけど、アリエッティのセリフにこんなのがあります。
「わたし、洗濯好きなの」だったかな。
これがよく、ジブリの魅力の一面を表しているではないですか。
洗濯が嫌だ、面倒くさい、疲れる、じゃないんですよ、
「好きなの」ですからね。
そこで、「おっ」と思いませんか。
こりゃ生活が楽しくなる、って感じがするでしょう。
それに大体、ジブリの主人公クラスの登場人物は勤勉ですよね。
観ていて気持ちが良いのもそこにある。
良い顔して仕事しているのって、いいよなぁって感じがするでしょう。
こういうところに、ジブリ作品の、鑑賞後の気持ちよさの一つが
あるような気がします。もちろん、ジブリの魅力は、
僕が書いたようなことだけじゃないことは、
みなさん、よくご存じだと思っています。
大体2年に一度でしょ、ジブリ作品の公開って。
いいよねぇ、ジブリのある国に生まれてさ!
時間のある方は是非観てみると良いでしょう。
時間を作って観てみても、日常の短いピットインのような、
ちっちゃなオアシスに立ち寄ったみたいな、
元気をもらえる映画であるといっても、言い過ぎではありません。
米林監督は、また是非、第二段の映画も期待してしまいます。
グッジョブでした。
宮崎駿さんが脚本を担当。
品が良くてまとまりがあって、かといって物足りなさが募るわけでもない
小作品といった感じでした。面白かったです。
米林宏昌監督はジブリのカラーを損なわず、かといって小さくまとまらず、
すごく良い仕事をされたのではないかという気がします。
言う人だったら、もっとはみだせ!と言うかもしれない。
でも、ジブリとしてはみだす役目は、ジブリの色を作った
宮崎駿さんしかいないわけです。
宮崎さん以外がはみ出したら、それはジブリではなくなってしまう。
宮崎駿さんが現役の間はずっとそうでしょうね。
彼が退いたのちに、彼以外の人がジブリをクリエイトしていくために、
作品の中で「はみだす」役割さえ担うようになっていくのではないかなぁ。
この『借りぐらしのアリエッティ』では、小人のアリエッティの家族も素敵だし、
人間側にも物語があって、キャラの濃さがちょうどよくて
心地よく作品に没頭していられる、といいますか、作品に引寄せられました。
ストーリーや細部に夢があるし、ジブリも宮崎駿さん以外の人でも
これだけの質の高いものを生み出せるのだぞというのを示したと思います。
最初の方に、品が良いと書きました。
そういうファンタジックなお話なのです。
アクションシーンとかスピード感のあるドタバタだとかはありませんが、
それが逆に、この作品の中での落ち着いたトーンとして、カラーを成立させていて、
もしかすると、『ポニョ』よりも飽きのこない作品かもしれません。
ただの小人の生活を見せる。
たとえば15分だけ、それが質素なものだとしても、
十分に観る人を満足させられると思われます。
それだけ、生活のにおいに魅力があるのです。
出されるお茶にしても、パンにしても、部屋の構造にしても、
ブルジョワじゃなくても、「なんか、いいな、憧れるな」
っていう要素が感じられる。
もともと、ジブリってそうでしたよね。
ナウシカ、ラピュタ、魔女の宅急便。
描写される西洋風のなにげない生活に、
幸福感のかけらを観客は観て取ってなかったか。
あぁいうのは、古いだの新しいだのを超えた、
普遍的な「生活の快楽感」を土台に作られているのだと思います。
ネタバレになっちゃうけど、アリエッティのセリフにこんなのがあります。
「わたし、洗濯好きなの」だったかな。
これがよく、ジブリの魅力の一面を表しているではないですか。
洗濯が嫌だ、面倒くさい、疲れる、じゃないんですよ、
「好きなの」ですからね。
そこで、「おっ」と思いませんか。
こりゃ生活が楽しくなる、って感じがするでしょう。
それに大体、ジブリの主人公クラスの登場人物は勤勉ですよね。
観ていて気持ちが良いのもそこにある。
良い顔して仕事しているのって、いいよなぁって感じがするでしょう。
こういうところに、ジブリ作品の、鑑賞後の気持ちよさの一つが
あるような気がします。もちろん、ジブリの魅力は、
僕が書いたようなことだけじゃないことは、
みなさん、よくご存じだと思っています。
大体2年に一度でしょ、ジブリ作品の公開って。
いいよねぇ、ジブリのある国に生まれてさ!
時間のある方は是非観てみると良いでしょう。
時間を作って観てみても、日常の短いピットインのような、
ちっちゃなオアシスに立ち寄ったみたいな、
元気をもらえる映画であるといっても、言い過ぎではありません。
米林監督は、また是非、第二段の映画も期待してしまいます。
グッジョブでした。
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