Fish On The Boat

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『激走レンジ!京大式馬場読み馬券術の原点』

2015-02-28 21:08:39 | 読書。
読書。
『激走レンジ!京大式馬場読み馬券術の原点』 棟広良隆
を読んだ。

競馬でうまく馬券を当てようという種類の本で、
とくに馬場の軽い・重いを重点的に考えた予想法でした。

昨日、JRAの現役名ジョッキーの一人である
後藤浩輝騎手が亡くなりました(ご冥福をお祈りいたします)。
僕はたとえば去年、後藤騎手がらみでは6万円くらい儲けていて、
比較的相性のいい騎手でした。
というか、人気薄の馬ををよく2着以内に持ってくる騎手という印象で、
僕はたいてい馬番連勝という1着2着にはいる2頭を選ぶ馬券で買うので、
どんぴしゃで絡んでくれたりして、馬ともども感謝したものです。
それで、追悼の意として、えいやっ、と本日競馬をしました。
そのために、以前買っておいた本書をまず前半の基本的なところを読んで、
それを生かして馬券を買ってみたのです。

すると、全然あたりませんでした・・・。
だって、本書では馬場の重い・軽いを得意とする馬のキャラを
それまでの戦績から抽出していかすという話なのですが、
僕がやったのは、朝早くの未勝利戦だったので、
データが少なくて話になりませんでした。
おまけに、「小倉の1000m、1700mのダートはともに差し馬の台頭がある」
なんて書かれていて、実際はどっちも前残りでした。
あとがきにもちらりと書かれていましたが、
本書の次に出た『激走レンジ!2』のほうが今向きで、
本書はもう、ちょっと通用しない感じみたいですね。

加えて、
馬キャラをつかむ、として、その馬の得意な馬場を見極めるのですが、
馬の成長もあると書かれています。変化するんです。
そして、その変化した瞬間のレースの馬券はとれませんといいます。
どれだけの頻度で馬は成長したりするのかは書かれていません。
しょっちゅう、馬の性質が変化していたら、
馬券はいつもとれないではないですか。
まあ、ちょっと屁理屈っぽいですけども。

競馬っていうのは、本気でやり出すと論理的に考えなきゃいけないもので、
だからこそ、昨今のデータ重視、論理重視のパソコンアプリを使って年1億だとか
儲ける人もいるみたいなんですよね。
それでこのあいだ最高裁ではずれ馬券は経費だと認められたので、
必要以上の、破産必至の高い税金を払わなくて済むようになりました。
本書で書かれているような論理的な分析を、
もっと多角的に集めてアプリにしてしまって多くの人が使うようになったら、
きっと、的中率があがりオッズが的中馬券に集中して下がり、
配当の妙味は減るでしょう。
今でも、何年か前に比べて、3連単という1着から3着まで順番に当てる馬券の配当は
ずいぶんその難しさに比べて下がりました。
これは単にみんな馬券がうまくなっただけとは考えにくいのですが、どうでしょう。

本書に欠けていたのはまだあって、枠順の有利不利だとか、
距離とコースによる脚質(逃げとか追い込みとか)の有利不利だとかもですね。
きっとこのあたりは著者はわきまえているんだけども、
本書では言わなかったような感じがしています。

いろいろ考えて当たらなくて、もういいやってなって
独創的に買ったり、語呂で買ったりした馬券があたったりすることもあります。
なんなんでしょうね、やっぱり運なのかなあ。


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