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“Generation Gap Ⅱ“ ’21-8-17

2021-08-16 21:56:24 | Massy's Opinion

Massy’s Opinion

・帝国ホテルの再開発

先月、新聞か何かで、帝国ホテルが又、建て直すと言う事を知った。三井不動産と提携とか言うニュースで早速不動産に勤めている後輩に電話して聞いて見た。先月の樫の会でパレスホテルの吉原社長の講演を聞いて来たばかり、虎ノ門も再開発、六本木、飯倉も大開発の進行中我が住み慣れた神谷町は開発のど真ん中。またしても落ち着かない日々である。オオクラは既に新館で営業を開始している。先週のブログでgeneration gapを題材にして書いたが、もう、どんどんgapは大きくなるばかり...考えて見れば太平洋戦争後、焼け野原の東京に一斉に老舗が復興したのだから、ビルも古くなるし装備も新しくしないと営業に成らないのは良く解る。帝国ホテルは、フランク・ロイド・ライトと言う著名な米国人の設計による物だ。この話の確認に三井不動産の後輩に「帝国ホテル」「この設計者は誰か知っている?」「いや知りません。担当じゃないので...」「そうか、実は有名な建築家の設計なんだよ。チョット縁が有ってな。」「担当者は知って居ますから良く話しますよ...」と言うやり取りをした。僕は、建築物が好きだが、その理由は、僕の会社に入って以来の同窓で親友の父上が東大の建築の名誉教授で丹下健三先生はその教室の出身なのである。名前は岸田日出刀と言う人でその人の葬儀の時には、長男の親友と言う事で葬儀委員にされて、当時、葬儀の前後数度に亙り東大の丹下教室に赤門をくぐって通ったのである。通夜、葬儀の時には、受付をやらされて随分と勉強に成った。岸田先生は当時清水建設の顧問をされて居たし、今でも覚えて居るが、鹿島建設の香典は15万だった。(1966年没=昭和41年 初任給大卒約2万円 東大安田講堂、湯河原カントリークラブハウス、代々木体育館、戸塚カントリークラブハウス 屋根に一連の特徴あり)帝国ホテルは今度で2度目の改修に成る。芸術的な建造物は将来の為、保存して置こうと言う発想に成る物だ。これは、アメリカでも日本でも変わらない様だ。

・Hana House

アメリカのスタンフォード大学はでカリフォルニア・スタンフォードに本拠地を置いている有名大学だ。その一角に、フランク・ロイド・ライトの設計した建物を残してある一角があり、それを[Hana House]と呼んでいる。責任者は、Miss,ローラと言う女性である。偶然、この人が、メグミのジムへ来ていて、メグミが可愛がられて居たようだ。‘09年の初めの頃、Hana Houseの庭園にあるモニュメント、主に灯篭、蛙の置物、等であるが、サンフランシスコ地震の時に壊れた物が有るので日本で再生できないか?と言う問い合わせがあり、メグミから僕の所へ話があった。再生は、「石勝」と言うこれを作った処がいい。と言うオーダーである。

「石勝」は青山墓地下にある青山墓地の墓石を一手に引き受けていた多分東京では一番大きな石屋だったろう。現在は前回の東京オリムピックの時の道路整備で移転して仕舞って居る。僕は墓地周辺の石屋を5~6軒飛び込んで情報取集や所縁のある人を探して見た。勿論、ネットサーフインもした。段々解って来たのは、石勝が暖簾分けをして、青梅に「東京石勝」と言う石屋さんを見つけて、山口さんと言う社長にコンタクトする事が出来た。事情を話しても電話では大変、我が家へ来ることにして貰った。初めて我が家で会うと年は僕と同じ位、家の中を見て、「犬がお好きですか?」「実は私も犬が好きで、豆柴を飼って居るんです」と言う。僕は、いつも学校、生まれ、運動、趣味が同一の人はそれで仲良く成ってしまう。しかも幸運にも山口さんは現物をスタンフォードに輸出した時の話を知ってる石勝の番頭さんだったと言う。これは全くの幸運で話はとんとん拍子に進んだ。メグミに話を薦められるよと報告すると、スタンフォードの方から、当時のモニュメントの仕様書、見積もり石勝を訪問した時の人物や写真のコピーを送って来た。その管理の良さにはさすがスタンフォードと驚かされた。石勝の山口さんも真剣な話に成って来た。この時、いろんな人に話を聞いたり、書物を読んだり調べた。帝国ホテルの広報課の責任者にも聞いた。ホテルの玄関前に在った「アーム(Urn)と言う大きな石のモニュメントは確か愛知県の「明治村」にある筈ですが...」 と言う事が解った。

「スタンフォード大学の中に、フランク・ロイド・ライトの名建築を保存してある一角がある」なんて言う事は、当時の帝国ホテルには、一人も居なかった。

                                                                                                                                                                      

・明治村

‘09年の夏休みにメグミは帰京して、友人を誘い明治村迄行って来たた。明治村はWikipediaに依れば次のように書かれている。

★登録有形文化財[編集]

帝国ホテル中央玄関[編集]

フランク・ロイド・ライトの代表的作品(関東大震災と同年の1923年竣工)として知られ、同ホテルの建て替え構想が発表されると、日・米両国で保存を求める声が高まっていた。記者会見でコメントを求められた佐藤栄作首相により、明治村に再建する案が提示された。1967年にホテルは取り壊され、1976年から十数年の歳月をかけて移築工事が行われ、1985年に再建された。玄関部分だけとはいえ、明治村最大の建物である。

「明治村帝国ホテル中央玄関」として、2004年2月17日に登録有形文化財登録(東京都千代田区内幸町1丁目にあったホテルの再現)。

メグミ達の見学には、さすがに学芸員の方が案内して、丁寧に説明して呉れたそうだ。そして、その日メグミ達が訪れた経過、理由を話すとこれまた長い話に成ってしまう。学芸員の方には、スタンフォードとHana Houseの話は、あまり手に入れる事の出来ない情報に成った様だ。

・納品までの仕事の流れ

僕がフローチャートを造り、商品の船済み迄アメリカへ陸揚げしてから、スタンフォード迄の輸送、設置の作業、ローラ先生の願いする部分等、決めた。輸送は僕の中古車輸出の経験とか中国へ資本参加した春駒交通さんのお手伝いとかが、猛烈に役立った。春駒交通さんは上海の一番大きな運送会社への経営参加を依頼され、その相談に来られたことがあった。その時、上海浦東地区に輸出入される物品の輸送を直接やれないかと日本のメーカーの上層部に掛け合ったが、日通を通さなければ駄目だと言われたことも有った。通関、船済み、陸揚げ後の輸送手配等色んな事がある。結局、これらの仕事は美術品の輸送にも慣れている」日通に任せた方が無難だと思い全部日通に依頼する事にした。今回の物品も美術品に近い訳だ。正直こんな事が出来る人はそう居ないだろう。山口さん、山口さんの娘さんにPCを頼み、メグミ、と僕のチームを組んで、Generation gap を埋めるお役に立っ事が出来た。僕らの方は「株式会社増田商会」の仕事としてやった訳だが、会社の70年を超える存続も大いに役立った。メグミにもトレーナーだけと言うより幅広い仕事を覚える事が出来た筈だ。依頼された物が全部セットされた後、スタンフォードにお礼方々見学に行ったが見事に設置されて居た。Miss,ローラには、凄く感謝された。

★余談だが、その後、早稲田大学であった「自動車産廃物の研究会」に出席した時に、懇親会で東大卒業後教授をされて居て、スタンフォードの教授もされて居たF氏とお会いした。名刺交換したら、スタンフォードで15年教鞭をとって居られたとの事、帰り道も同じで約1時間半位話をした。Hana House の事を話したら、「イヤー全然知らない...僕のいたゾーンと10キロ位離れてるんでね...今度、もう一度学校へ行こうと思って居るので、その時寄ってみますよ。今日は貴方にあえて本当に楽しかったし、15年も居て恥ずかしいですね...」それ程、スタンフォードは、広いのである。

さて、古い良い物を残しているのは、慶応義塾である。福沢先生がお造りになった交詢社は、外観は最新型であるが、中の交詢社部分は古いままである、有楽町の糖業会館も同じに中はステンドグラスとか古い物を保存活用している。物は残っているが、その由来を知っている人は少なくGeneration Gapが生まれて来る。出来るだけGapは少なくなる様にしたいものだ。