TakaPの数学日記

数学を教えていて感じたことや日常の感想などを記録しました。

正負の数

2008年05月08日 17時32分35秒 | 数学
 1年生に正負の数をまた教えることになった。今回は教科書の内容を生徒に伝えることを目的に、正負の数について解説的な授業にした。

 正負の数の導入は

1.「符号のついた数」で、温度計を例にして、「プラス」「マイナス」という言葉を教え、正負の数を導く。
 次に、収入、支出を例にして、収入を+、支出を-と決める。また、海抜、海面下でも+-を使う。

2.ある地点Aから東の移動を+、西への移動を-と決める。
  天気予報の例で、各地のその日の最高気温の予想と前日の最高気温の比較から+  -を決める

 1、2の違いは何か・・・。
 教科書は段階的に正負の数を導入している。

 1と2では「基準」の0が違っている。
 1の基準は客観的に「絶対」である。たとえば温度は0度を基準に+-を定めている。0度はどこでも0度という意味で絶対。
 海面を0mとする。一応海面はどこでも0m。
 収入、支出も、収支0円は0円。

 ところが、2となると・・・。
 地点Aはどこの地点かというと、分からない、どこでも良い。とにかく地点Aから東西で+-が決まる。+-も多い少ないではなく東西だ。

 ここでは0の意味も+-の意味もかなり抽象的になっている。
「いろんな場所があるけど、地点Aから移動しなければ0m」ということだ。
「移動しなければ0m」というのは、「収支0円」と似ている。しかし、違うのが東西である。東西には多い少ないという量の考えがない。
単に+-に「変化」という意味を持たせている。

 そして、最高気温の比較で、0がもっと進化した。
 ここでの0は昨日と変化がないとき0と決めた。「変化がない」=0
そしてそれより高いという予想なら+、低ければ-である。
基準にあたる0が北は北海道の札幌から、南は沖縄の那覇まで0が存在する。
それぞれの前日の最高気温が0になる。
(変化)=(予想最高気温)-(前日の最高気温)となる。

気温の+-とは違った量を定義している。


一般に、(変化)=(変化後の量)-(変化前の量)と考えられる。

教科書は正負の数を「変位量」として導入しているようだ。
  





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする