中学3年生の頃、ラジオの授業と前後して、職業家庭科の安藤先生は
技術クラブなのだろうか、何人かの生徒たちとラジオを作っていた。
生徒たちが集まり、先生を中心にラジオの回路図を見ながら、テスター
で半田づけの確認をしていた。
当時、私は回路図と実際の配線が結びつかずにいたので、何やら難しい
ことをしているなあ、と思っていた。
あとで分かったが、このラジオは授業で作るの「並3」ではなく、
「5球スーパー」というラジオだった。
図はネットからパクリ。5球スーパーラジオの回路図。

「5球」というのは真空管を5本使っている。回路の説明は後日。
この図もネットからパクリ。図中6D6となっているが、授業や実習では6C6という
同じ5極管で電圧増幅と検波をしていた。真空管はST管。

なおMT管という少し小ぶりの真空管の回路図はこちら。

MT管はその後テレビに使われることになる。
授業ではラジオの製作実習が始まった。今のような技術室ではなく、
普通教室の机を寄せて、ラジオを組み立てていた。
組み立てる時はだいたい一人が半田づけをしていた。
授業ではさんざん回路について勉強したのだが、回路図と実際の
配線の関係が相変わらず分からずにいた。
班の中の一人が、どの線とどこを半田づけすれば良いのかを
テキパキと指示していた。柘植君だった。
彼の指示でハッと気付いた。実際の配線と回路図の関係が分かった
のだ。子どもの頃はこのようにハッと分かることが良くあった。
これ以降、回路図さえあれば何でも作れるという自信がついた。
ますます電気少年になって行った。

つづく