TakaPの数学日記

数学を教えていて感じたことや日常の感想などを記録しました。

電気回路を学んで

2017年03月30日 00時24分18秒 | 日記

高校時代のクラス会の幹事引き継の別れ際に、この友人に
「共振回路のことが分かった」と言ったが、よくよく確認して
みると、分かったつもりでそうではなかったようだった。
大学時代の物理学の教科書を引っ張り出して、交流回路の所を
読んで分かった。

 キルヒホッフの法則を使って微分方程式を作るところまで
本には紹介があったが、物理学ではこれを直接解くこと
はせず結果を示す程度で、あとは数学にまかせていた。
 数学を勉強した者としては不満だったので、微分方程式の
本を引っ張り出し、解いてみた所、物理の教科書とは異なり
余分な項が計算された。この項は自然対数の底eの関数の項で
時間の経過にともない0に近づいて行くことが分かった。

 電気回路の本によれば、おそらくこれが「過渡現象」とい
うことのようで、交流理論では時間が経過した「定常」
状態を扱うのだと分かった。
 その結果、「回路に流れる交流電流の周期はすべて同じで
位相が異なる」という事実をもとにして、「複素電流」や
「複素電圧」が導入されているようだ。複素関数論を使う
のかと思ったらそうではなく、時間を使わず電流や電圧を
絶対値(最大電流・電圧)と偏角(位相)の2変数を用いて、
交流回路の電気現象を説明していることまで分かった。

 実は高校時代か浪人時代に三角関数の和や複素平面を知った
とき、交流電圧などの和の求め方を自分で考えたことがある。
「始点が原点にある2つのベクトル矢線の和で求めることが
出来る。」この考えが正しかったことが分かった。
 あれから50年が過ぎた。あの時、自力であと一息で、共振回路
の共振周波数の計算が出来るところだったのだと、今になって分
かったことはうれしいかぎりである。

 現在、結果として高校時代から謎だったインピーダンスや
インピーダンスマッチング、共振回路の仕組み、共振周波数
の計算も分かった。

 電気のコースに進もうとして受験に失敗し、数学を学び、
いつしか電気のことは忘れていたが、久しぶりに電気の話題
に触れて楽しく学んだ。
 あとはもう少し電気に関する数学
(ベクトル解析からマクスウェルの方程式)あたりを勉強
したら、また元の数学に戻ろうかと思っている。

コメント
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