イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

紀ノ川河口釣行

2024年11月09日 | 2024釣り
場所:紀ノ川河口
条件:小潮5:17干潮
釣果:タチウオ7匹

今日から9連休だ。最初の日は電車に乗ってどこかへ行くか鈴鹿市経由で伊勢に行こうかと思っていたのだが、会社の人たちが「わかやま〇シェ」にやってくるという。
せっかく和歌山までやってくるというのだから僕も何かお土産をと思い、前日は久々に見つけた生の筋子を仕込んでみたのだがこれではちょっとショボいかと思ってタチウオを狙いに行ってみることにした。




例年ならシーズンが終わってしまっているはず(去年は11月4日に敗北宣言をしている・・)だからかなり厳しいとは思うがダメ元での出港だ。タチウオがダメなら集合時間の午前9時までコウイカの調査をしようと思いスッテも一緒に持って家を出た。
しかし、一気に寒くなった。先週はトレーナーを羽織っただけでは寒かったので今日はヒートテックとヤッケの上下を加えての出撃にした。こんなに着込んでタチウオを釣ったという記憶はなく、去年の敗北もありまったく自信のない中での出港である。

今年はタチウオが釣れる場所というのが偏在していた。だから数が釣れなかったのだが、青岸灯台の少し手前のゾーンでしか釣れない印象であった。今日もそこを重点的に狙ってみる。

不安とは裏腹に、仕掛けを降ろしてみるとすぐにアタリがあった。今年は異常に水温が高いのか、まだタチウオはいるようだ。しかし、その後はアタリがない。今までの経験で、こういう時は仕掛けの点検をしておかねばならない。回収をしてみると、枝素が全部幹糸に絡みついてしまっている。なんだなんだと思って最後まで回収してみると、一番下の鉤にタチウオが喰いついていてそれがクルクル回って仕掛けがねじれてしまっていたようだ。これでは魚が掛かるはずがない。そんなに小さなサイズではないが、アタリがあったもののすぐに外れたと思っていた。その時にきちんと点検していたらもっと数を稼げたかもしれない。
しかし、まだ辺りは暗い。アタリが出るチャンスはある。同じ場所をグルグル回っているとやっぱりアタリがあった。この調子でいけば3人分の魚をゲットできそうだ。次のアタリは大きい。上がってきたのはドラゴンと言ってもいいかもしれないサイズのタチウオだ。
僕と同じように仕掛けを流している船はあまり釣れていないのか、多分僕が釣り上げた姿を見たのだろうこの場所に集まってきて僕が入る場所がなくなってしまった。やはりこの仕掛けは他者よりも効果があるのかもしれない。それとも僕のポイントを見極める洞察力がよかったか・・。
しかし、ぎりぎり3人分を確保できたところでアタリが途絶えてしまった。午前5時半過ぎから午前6時過ぎまでの30分で今日も終わってしまった。

写真を撮って今日やってくる人にLINEで送ると「これ、なんという魚ですか?」と返ってきた。まあ、スーパーには切り身でしか売っていないけれども世間の認識というのはそんなものかと少し悲しくなった。でも、この人たちは為替相場と経済の動きを語らせるととんでもない知識を持っていることがわかる。世間の荒波を乗り越えるためにはよく釣れる仕掛けよりもこっちのほうがよほど役に立つ。

午前9時、無事にイクラとタチウオを届けて午前中の任務は終了。

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「現代思想入門」読了

2024年11月08日 | 2024読書
千葉雅也 「現代思想入門」読了

以前に読んだ、「センスの哲学」の著者である。
「現代思想入門」のほうが先に出版された本であり、著者の専門分野らしい。
この本に書かれている、「現代思想」とは「脱構築」という考えである。哲学の思想の歴史では「構造主義」の次に出てくる思想である
著者は、ジャック・デリタ、ジル・ドゥルーズ、ミシェル・フーコーの3名の哲学者をその代表として登場させている。この3人の哲学者の著作や考え方を統合すると現代を生きる人たちの思想の原点と言えるものが見えてくるというのである。

しかし、哲学を知るにはその部分だけを読んでもダメで、その流れというか、歴史を知らなければならない。だから、結局、この本を読んでみてもリンクに書いている感想文のところまでしか理解ができない。
要は、何冊読んでも頭の中には何も残らないので知識の蓄積ができていないのである・・。

この本の位置付けとしては入門書のためのさらに入門書ということだそうだ。初歩の初歩ということになるがそれでも1回読んだだけではよくわからない。
著者は最後に現代思想の読み方として哲学書の攻略法というものを書いてくれている。
それによると、哲学の本というのは1回読んだだけではわからないものだという。たしかにその通りだと思うが、だから、1冊の本を何度も読み返したり、同じような本を何冊も読み継ぐということが必要となる。理解の薄皮を1枚ずつ重ねていくと、その途中で、突然それがわかるときがくるらしい。
だから、僕のような本の読み方をしているかぎり哲学を理解することはできないということだ・・。
そもそも、哲学書というのはわざとわかりにくく書いているという。難解だということが著者のステイタスでもあるというのである。そのわかりにくさの元になっているのが「レトリック」と「カマし」だそうだ。本題とは関係のないところで複雑な言い回しを使うことでわかりにくくなった文章をかいくぐっていくと著者が言いたいことが浮かび上がってくるというのだ。

本題の、「脱構築」というのを簡単にいうと古くからある二項対立的な思考を壊して多様性を生み出そうという思考だ。1960年代から90年代に生まれた思想であるが、それは今の時代を予測していたかのようである。いや、予測していたというのではなく、様々な分野で人の生き方の多様性を引っぱってきた人たちはこういう思想をよすがにして新たな世界を切り開いてきたのだというほうが当たっているのかもしれない。

二項対立の成立は、キリストとアウグスティヌスが人民に罪の意識を植え付けたことから始まったという。それ以来、2000年の時を経て人の心が変わっていく時代をわれわれは今生きているということになる。
しかし、日本の政治はある意味、野党の躍進によって多様性に舵を切ったかに見えるが、自由や多様性の象徴であるはずのアメリカはどうもそうでもなさそうである。
二項対立の果てというのは勝者と敗者、もしくは支配者と被支配者が明確に分かれるマッドマックスのような終末世界を想像してしまうが、かといって、多様性の世界というのは泥のような混沌としたなかで何も生まれてこない世界にも見えてしまう。
人は自由を求めることを忘れない。しかし、人は自由よりも支配された方が生きやすいともいう。しかし、そうなってくると、今回のアメリカ大統領選挙の結果というのは、早くも脱構築から、別の新たなフェーズに入ってきたことを表しているのかもしれない。


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紀ノ川の河口~加太沖釣行

2024年11月04日 | 2024釣り

場所:紀ノ川の河口~加太沖
条件:中潮7:55満潮
潮流:4:57転流 8:59上り3.2ノット最強
釣果:タチウオ2匹 ハマチ5匹(1匹放流)真鯛2匹 イサキ1匹 マアジ1匹

今日は菊新丸さんからもらった銀色のシートに助けられた。ハマチ以外の魚のすべては銀色に喰ってきた。鈴鹿市のゴミ袋と交互に取り付けての結果だから間違いなく有効性があったに違いない。




まずはタチウオ狙いから。とりあえず釣れなくなるまで行き続けるつもりだ。しかし、一昨日の雨と風はひどかった。まるで台風並みであった。翌日、紀ノ川の様子を見に行くと濁流に変わっていたので青岸の手前までで勝負しなければならない。



そして、やっぱりそこでアタリが出た。しかし型は小さい。タチウオ名人もやってきているので釣れ続けているのかもしれないが、アタリは続かない。2回アタリがあって合計4匹で2匹リリースしてここを後にした。
その頃には至るころから加太に向かって船が出てゆく。秋の3連休唯一の好天だから行きたいやつはほぼ全員出撃してきたという感じだ。




今日は上り潮。テッパンポイントがいいはずだがそこには誰もいない。船団はもっと南とナカトシタに分かれている。う~ん、どっちに行こうかと思っていたがとりあえず中間地点のテッパンポイントで様子を見てから北上するか南下するかを決めようと仕掛けの準備をした。



今日も菊新丸さんからもらった銀色のシートと鈴鹿市ゴミ袋のセットでスタート。場所と色の選択がよかった。
間もなくアタリが出てハマチが2匹上がってきた。その後も同じラインを行ったり来たりしているとアタリが出る。小さなチャリコや持って帰れないほどの小サバも掛かった。そのほとんどが銀色のシートだったのである。かなりの勝率だ。

ポイントに到着したのが午前6時過ぎで、この頃は潮もそれほど速くなく釣りやすかったが午前9時近くになると次第に潮が速くなり仕掛けがきちんと立たなくなってきた。ハマチやマアジが釣れているならサビキでもよかろうと仕掛けを変更して少し南に下って残り時間を過ごした。ここはそれほど流れがないので仕掛けも立つ。中層に反応が出てきたと思ったらすぐにアタリ。かなり引く。ひょっとしてメジロクラスかと思っていたら最初よりも少し大きなハマチが2匹であった。仕掛けの半分が切れてしまっていたのでその下にもハマチが掛かっていたのかもしれない。
新しい仕掛けをセットし直したものの、もうこれだけ釣れれば十分じゃないかと思い午前9時半に終了。

帰投する途中、ヘリコプターが同じ場所を低空飛行でウロウロしていた。



ひょっとして事故でもあったのかと思いながら港内に入ると自衛隊と海保の船がなにやらやっている。



どうも訓練のようだが、あとで聞くと、津波への対応訓練だったらしい。翌日の11月5日は「津波の日」なのだそうだ。今日は振替休日なのに渡船屋が休業しているのはなぜだろうかと思っていたら、訓練中はエリアが立ち入り禁止になって商売にならないので休業したということであった。休業せよというお達しが出るとその補償をせねばならないので、暗に、「わかってるやろな~」という感じで事前に日程を知らせに来たらしい。
はやり公権力には逆らえないらしい・・。

くだんの銀色のシートであるが、菊新丸さんに聞いてみると、すでに廃番になっていて購入することはできないそうである。
せっかく釣れるネタを見つけたのに残念である・・。


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