場所:水軒沖
条件:中潮 9:10満潮
釣果:スズキ 84センチ以下2匹 ツバス2匹
8月になるとなぜかスズキが集まってくる場所がある。双子島と大島に囲まれた湾内だ。
去年も1匹だが75センチを釣り上げたので今年はじっくり狙ってみようと考えている。
夜明けはどんどん遅くなり、今日は午前4時半になっても暗いままだった。
ひときわ輝いて見える星は金星だそうだ。
夜明けすぐに現地に到着し、まずは大島周りからキャストし始めたがここではアタリがない。湾内へ侵入したがボイルがないのでちょっと不安になる。しかし、とりあえずトップで釣らなきゃとキャストをしていると2投目でいきなり水面を割ってきた。フッキングには到らなかったがそのままリトリーブを続けるとまたまた水面が割れた。今度はがっちりフッキングしたようだ。
ラインは太いものを使っているから掛かればこっちのものだ。船底にラインがこすれるのだけを気にしながらやり取りをして上がってきたのが84センチ。これはでかい。今年も釣れてしまった。
なかなかこの釣りはダイナミックでおもしろい。
続いては60センチくらいのサイズがヒット。
もう1匹ヒットがあったがこれは途中でバラしてしまった。
その後ツバスがヒットしたがすぐに沈黙。この間約1時間。
濃密なひと時であった。
魚のサイズが大きいのでタモで掬ったらそのタモの枠が折れてしまった。
〆ようと思ったら、ナイフの柄が折れてしまった。
なんとも、なんとも・・・。
タモは壊れていたものを拾って修復して使っていたので仕方がない。
ナイフは父親が使っていたものをそのまま遣い続けていたので、いったい何年間船の上にあったのかわからない。
もうどれくらいの魚の血を吸っているのだろう。
急いで修理をしておかなければ次の釣行に間に合わない。
とことん擦り切れるまで使い続けるのだ。
今日は父親の命日なので釣りの帰りに墓参りに寄ってきた。
殺生をしたあとで墓参りとは不謹慎きわまりないが、まあ、仕方がない。
ウチのお墓の線香立てはこんな感じ。
父も魚釣りが釣りが好きな人だったのでちょっとだけ喜んでくれているだろうか。
父が死んだ日はどうしても会社に行かなければならない日で看取ってやることができなかった。
誰かが代わりをしてくれればよかったものだが、それをしてくれる人がいなかったのだ。まあ、自分が部下を育てていなかったという報いだったわけだが、臨終の場にいないと本当に死んでしまったのかどうかが自分でもわからなくなっていた。
この時期になると当時のことが悔やまれる。
僕はずっと昔から船舶免許は持っていたが、こと船に関してはまったく知識がなかった。すべて父親が船のめんどうを見ていたので燃料の補給さえしたことがなかったのだ。
だから、何かトラブルが起こると、「そうだ、お父ちゃんに聞けばいいんだ。」などと、ふと考えてしまう。たぶん、3,4年は続いただろうか。
親の死に目に会うというのは親への供養ではなく、自分が親と決別するための儀式みたいなものなのだろうと最近になって思うようになった。