鶴崎展巨 「一寸の虫にも魅惑のトリビア: 進化・分類・行動生態学60話」読了
ウンコに続いて人生に何の役にも立たない本を読んでいた。まあ、そんなことをいうと僕が読む本の大半は何の役にも立っていないのであるが・・。
この本は、朝日新聞の鳥取版に連載されたものを単行本にしたものだそうだ。ローカル記事が単行本になるというのはかなり珍しいものなのだろうか・・?
本の最初には、各章に取り上げられている虫のカラー写真が掲載されているのだが、やたらと“ザトウムシ”というクモガタ類に属する少しグロテスクな虫が多く登場する。なぜだろうと思っていたら、著者はこの虫の研究者なのだそうだ。
ザトウムシというのは、『鋏角亜門クモガタ綱に分類される節足動物の分類群の一つ。分類学上はザトウムシ目とされる。体は豆粒のようにまとまり、多くの種類は細長い脚をもつ。6,600以上の種が知られ、最古の化石記録は約4億年前のデボン紀まで遡る。』という虫だそうだ。
僕も一応は小さい頃から昆虫好きな人間だったので夜中の林の中もさまよったこともあるのでこの虫を見たこともあったのかもしれないが、何の知識もないと変な形のクモがいるくらいしか思わなかったのだろう。ただ、その虫の名前を知っていたとしても何の不便もなくおそらくその生態を知らなくてももっと不便はなかったと思う。カブトムシとクワガタの名前さえ知っていれば事足りていたのである。
「トリビア」とは書かれているが、どちらかというと著者の研究成果や交流のある研究者の紹介などに終始している感があった。過去に読んだ、研究者の自虐的ドタバタ話や面白話とは少し趣が異なり、さらに身近ではあまりお目にかかれない生物の話が多いので心に刺さってくるところも少なかった。やはりザトウムシというのは僕にとってはかなり遠い存在である・・。
唯一のトリビアは、ザトウムシの“ザトウ”は“座頭市”のザトウから取られたものなのであるが、これは江戸時代の盲目のひとたちの身分の名前だったそうだ。盲目の人たちのなかで身分が分かれていたというのは初めて知った。江戸時代というのはとことん身分社会であったらしい。ちなみに座頭という身分はそれほど高い身分ではなかったようである。
この虫は目が見えないからこういう名前を付けられたとうわけではなく、8本あるうちの前足で周囲を探りながら歩く姿が、盲目の人が杖で周囲を確認しながら歩くように見えるからだということで名付けられたという。
たしかに、「一寸の虫にも魅惑のトリビア」はあるものである・・。
ウンコに続いて人生に何の役にも立たない本を読んでいた。まあ、そんなことをいうと僕が読む本の大半は何の役にも立っていないのであるが・・。
この本は、朝日新聞の鳥取版に連載されたものを単行本にしたものだそうだ。ローカル記事が単行本になるというのはかなり珍しいものなのだろうか・・?
本の最初には、各章に取り上げられている虫のカラー写真が掲載されているのだが、やたらと“ザトウムシ”というクモガタ類に属する少しグロテスクな虫が多く登場する。なぜだろうと思っていたら、著者はこの虫の研究者なのだそうだ。
ザトウムシというのは、『鋏角亜門クモガタ綱に分類される節足動物の分類群の一つ。分類学上はザトウムシ目とされる。体は豆粒のようにまとまり、多くの種類は細長い脚をもつ。6,600以上の種が知られ、最古の化石記録は約4億年前のデボン紀まで遡る。』という虫だそうだ。
僕も一応は小さい頃から昆虫好きな人間だったので夜中の林の中もさまよったこともあるのでこの虫を見たこともあったのかもしれないが、何の知識もないと変な形のクモがいるくらいしか思わなかったのだろう。ただ、その虫の名前を知っていたとしても何の不便もなくおそらくその生態を知らなくてももっと不便はなかったと思う。カブトムシとクワガタの名前さえ知っていれば事足りていたのである。
「トリビア」とは書かれているが、どちらかというと著者の研究成果や交流のある研究者の紹介などに終始している感があった。過去に読んだ、研究者の自虐的ドタバタ話や面白話とは少し趣が異なり、さらに身近ではあまりお目にかかれない生物の話が多いので心に刺さってくるところも少なかった。やはりザトウムシというのは僕にとってはかなり遠い存在である・・。
唯一のトリビアは、ザトウムシの“ザトウ”は“座頭市”のザトウから取られたものなのであるが、これは江戸時代の盲目のひとたちの身分の名前だったそうだ。盲目の人たちのなかで身分が分かれていたというのは初めて知った。江戸時代というのはとことん身分社会であったらしい。ちなみに座頭という身分はそれほど高い身分ではなかったようである。
この虫は目が見えないからこういう名前を付けられたとうわけではなく、8本あるうちの前足で周囲を探りながら歩く姿が、盲目の人が杖で周囲を確認しながら歩くように見えるからだということで名付けられたという。
たしかに、「一寸の虫にも魅惑のトリビア」はあるものである・・。