イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

加太沖釣行

2021年12月23日 | 2021釣り
場所:加太沖
条件:中潮 9:15満潮
潮流:6:09転流 10:22 上り3.3ノット最強 14:10転流
釣果:真鯛6匹


今年の休日も今日を入れて残り4日。いまだにお正月のためのにらみ鯛を確保していない。次の休日は大荒れの天気だそうだからどんどんチャンスは減ってゆく。
幸いにして今日は穏やかな天気という予報が出ている。なんとか叔父さんの家の分とウチの分、2匹は釣りたいと思って出撃したが、思いのほかの釣果に恵まれた。

昨日、遠くに見える友ヶ島の姿はまことの穏やかそのものだったが、朝起きてバイクを表に出しているとかなり風が吹いている。



それも北からの風だ。少し佇んで様子をうかがうが時折ド~っという感じで風量が増す。いつもの煙突からの煙も真横に流れている。



う~ん、早朝の情報番組でも今日は穏やかな天気だと言っているのになんでここだけ風が吹いているのだと自分の不運さに思わず天を仰いでしまった。

とにかく港までは行かないとわからないと思い、道中を急いだ。港に到着してみると、天を仰いだことはまったくの杞憂で、港内は穏やかそのもの。海面には満月がきれいに映り込んでいるほどだ。



確かにこの季節、夜に風が吹いていても明るくなるころには少しずつ治まっていくということがよくある。

今日の予定は、潮が緩い間はカワハギを狙ってみて、潮流が最強を迎える前にアジサバ、最強前後に真鯛というまたもや二兎を追う者は一兎をも得ずという戦略で挑むつもりだ。二兎を追うといっても、一応、僕なりに考えた戦略で、正月の真鯛をこのカワハギ仕掛けで掛かってくるチャリコかカスゴで確保しようという考えなのだ。高仕掛けにはまったく自信が持てないので、イソメを使った方が釣れる確率は高いはずだという理論だ。貧乏な家庭のにらみ鯛は外道で釣れてくるそのくらいのサイズで十分なのだ。この釣りでは魚が鉤を呑み込んでしまうことが多いので小さいやつの場合、放流しても生きて還してあげることができないのできれいな釣りとは言えないが、今日は勘弁してもらおう。

いつもの自販機でイソメを買おうとすると、自販機が新しくなっていた。



ついでに値段も上がっていて、全部500円になっているし、300円のパックが消えている。世間では様々なものが値上げラッシュだというニュースが出ているが、イソメよお前もかと悲しくなる。パッケージはえらい重厚になったが、へんなところに投資をするくらいなら値段を据え置いてくれよと怒りがこみ上げる。



しかし、いつも弱い方の立場は消費者だ。泣く泣く500円分の硬貨を投入口に放り込む。

風が心配だったので少し遅めに港にやってきたが、奥の港からは続々と船が出てゆく。
僕はゆっくりと準備をして、航海灯がなくても航行できるくらいになって離岸。



紀ノ川方面からも相当な数の船が出てゆく。
予定通り、カワハギポイントに到着するとこの海域にはまったく船がいない。



今のポイントは第2テッパンポイント付近のようだ。帝国軍の船がそこに集結している。



いきなり戦略を間違ったかと自信が揺らぐが、イソメを買ってしまっているのだから使わないわけにはいかない。しかし、仕掛けを下してみるとすごい2枚潮だ。すぐに底がわからなくなる。やっとアタリがあったと思ったら10センチほどのチャリコだ。流石にこれは焼き物にはならない。幸いにして呑み込んだ鉤もきれいに取り出すことができたので元気に海に還すことができた。

この場所を見切り、少し南下して試してみるも一向にアタリはない。いっそのこと、この仕掛けの上にサビキ仕掛けをくっつけると二刀流で今日釣りたい魚をすべて狙えるのではないかとあらぬことを考え始めた。大体、二刀流などというものは大谷翔平のように能力のある者がなせる業なのであるし、そういう釣り方に効果があるのならすでにほかの誰かが実用化しているはずだ。この時点で我ながら、今日も戦略レベルで見ても戦術レベルで見ても敗北は必至だと思い始めたのだ。まあ、魚は掛からなかったものの、イソメにアタリがあったということは感知できたということは、戦術的に完全に間違いであるとは言えないということがわかったということはよしとしておこう。

さすがにこれではいかんと気を取り直し、当初の戦略に戻り純粋なサビキ仕掛けに変更。しかし、これでもアタリはない。魚探にはときおり反応があるのだが、これは魚ではないのだろうか・・。また悩み始め、そこから迷走を始めた。どこかに魚はいるはずだと第2テッパンポイント、四国沖ポイントの横、はては遠く大和堆ポイントにまで移動したが、そこにいた船団は釣り船ではなく、シラスを獲るバッチ網の集団だった。シラスがいるということはアジサバもいるのではないかと思うのだが、さすがにあの中に入ってゆくことはできない。仕方なくまた北上。

 

第2テッパンポイントから少し南に下ったところでサビキを続けるがアタリはない。予定よりも早いが高仕掛けに変更。カワハギは釣れず、アジサバにも振られ、背水の陣ではあった。(確かに周りは水だらけなので背水の陣であるには違いない。)そしてそこからの読みが当たった。この時点で午前9時半。最初はまったくやる気がなく誘いをかけていたのだが、午前10時、当初考えていたとおり真鯛が釣れるのはこの時刻からだろうと思っていた時に最初のアタリがあった。
バレるなよと慎重にやり取りをする。前にリールの分解掃除をしたとき、ドラグ部分にはオイルを入れなかった。多板式のドラグにはオイルを入れてはいけないということを聞いていたので、同じドラグならここにも注油をしないほうがいいのだろうと思っていたのだが、それではどうもダメだったようで、まったく滑らかにドラグが滑ってくれない。そこをなんとかいなしながら1匹目を確保。とりあえずこれで正月を迎えられる。あとは叔父さんの家の分を釣ったら今日は満足だ。そして、1匹釣れるとがぜん集中力も増してくる。すぐに次のアタリを捉えた。魚の活性も上がってきたのか、前アタリからすぐに竿の先を引き込む本アタリに変わってくれる。

1時間足らずで3匹釣り上げ、もうこれでいいやとせっかく買ったイソメを使い切ろうとカワハギ仕掛けに変更。第1テッパンポイントに移動して仕掛けを下す。相変わらずカワハギのアタリはまったくないが、魚探にはたくさんの反応がある。これはひょっとして真鯛の反応ではないのだろうかと思い、仕掛けを変更。そしてすぐに答えは出た。正解だ。連続して3匹を釣り上げた。今日の最大サイズもこの時に釣り上げたものだ。

正午になり、北風に押されて船が南に流され始めた。ここが引き時と釣りを終了。

イソメはまったくの無駄になってしまったが、イソメを持って行かなければ最後の3匹は釣り上げることができなかったのかもしれない。結果オーライというのは別の意味でいうと読みができていないということになるのかもしれないが、もともと加太での釣りはこの高仕掛けで真鯛を釣るということが本分であると思っていながらその本分を忘れてイソメで真鯛を釣ってやろうと考えていたのだが、それに対して神様が、「初心に戻れ。」と警告を与えてくれたのかもしれないと自分への戒めとしたいのである。

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水軒沖釣行

2021年12月20日 | 2021釣り
場所:水軒沖
条件:大潮 7:29満潮
釣果:ボウズ(不戦敗)

今年の休日もあと4日。今日も午前10時に病院に行かねばならないが2時間だけコウイカを狙っての釣行を決行した。
明後日が冬至なので夜明けは遅い。



できるだけ釣りをする時間を稼ぎたいので今日も真っ暗の中で出港準備をしていた。燃料ホースのポンプをシュポシュポして、セルを回すとエンジンが始動しない。今日はこの冬一番の寒さだからエンジンがかかりにくいのかしらと思い何度もボタンを押すがダメだ。あんまり回しすぎるとセルモーターが焼け付くかもしれないのでこれはどこかが故障したと断定し、その後のことを考える。
このまま「わかやま〇しぇ」に行って冷凍コロッケを買って帰るか、大きい方の船を出して初期の目的を完遂するか・・。
下した決断は、今年の休日も残りが少ないのだからやはりここは行くべきだと考え、大きい船にエンジンの火を入れる。
この時点で午前6時48分。



港に戻らなければならないリミットは午前8時半だからおそらく釣りをできる時間は1時間ほどとなってしまった。それでも、うまくいけば1匹は釣れるだろう。
大きい船はスクリューに物を巻き込むとか船底に浮遊物を当ててしまうとかのトラブルを起こすと厄介なので港内は特に微速前進しかできない。もどかしいが仕方がない。

やっと一文字の切れ目にさしかかり、間から沖を見てみると、けっこう波が高い。それでも思い切って抜けてみるとこの船でもデッキの上で体を安定させるのが難しいほどの揺れだ。西からの風も強い。港までの道中、幹線道路沿いのコンビニの旗が大きくたなびいていたが、これは通行する車の風圧のせいであると思い込んでいたが、これは認知バイアスだったようだ。

とてもじゃないがイカを釣れるような状況ではない。底を取ることは無理だろう。写真を2枚だけ撮ってすぐに港へ引き返した。



帰りの道中、また池○マリンのお兄ちゃんに連絡しなくてはならないだろうな~。しかし、僕の小船は年末になるとご機嫌斜めになるなと2年前に修理を依頼したことを思い出していた。

しかし、セルは勢いよく回るのにどうして始動しないのか、原因をいろいろ考えてみた。最近は、燃料フィルターの中にガソリンを残すのはよくないと聞いたので帰港してからホースを抜いてガソリンを焚き切るようにしていた。オイル交換の時も試運転で同じことをしていたので、何らかの理由で燃料パイプが詰まってシリンダーまで入って行っていないのではないかと思い始めた。
帰る前にもう一度点検しなければと思い、ポンプは作動しているか、燃料の漏れはないかを見直しながら、ふとハンドルの方に目をやると、あれ・・、今日はキルスイッチの爪をはめ込んだかしら・・。と疑念が浮かんだ・・。ああ、原因はこれに違いない・・。改めて爪をはめ込んで始動させると、何事もなかったようにエンジンは回り始めた。



オイル交換に来たのにオイルを忘れ、年金を積み立てる口座のカードの行方を忘れ、毎回同じ手順で準備をしているはずのものを飛ばしてしまう。
物忘れのひどさに我ながら恐れを感じる。車の運転もそうだが、船の運転も命に関わる。なんとかここで踏みとどまらないとえらいことになりそうだ。
まあ、あの波をみていると、小船では相当危険であったに違いない。僕がキルスイッチの爪を入れ忘れたのは、今日はこの船に乗ると危険だよという神様のご宣託だったのかも知れないと思っているのは認知機能が衰えている中で顕れた認知バイアスという幻想だったりするのだろうか・・。
合わせて、船の老朽化に伴い脳みその劣化も順調に進んでいると楽観的に見ているしか仕方がないと痛感したのである・・。




忘れるというと、こんなこともあった。病院の駐車場は駐車サービスの登録をしてもらっても2時間以上停めていると200円かかる。前回、14日に行った時、何を思ったか、今日は承認してもらっているからタダだと小銭の準備をせずにゲートに入ってしまった。そこで気が付き、慌てて財布から200円を取り出すという失態をしてしまった。
今日はきちんと200円を準備してゲートに向かったが、母親の癌を診てもらう前に僕の脳みそを診てもらう方を急がねばならないのではないかと思い始めたのである。

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加太沖釣行

2021年12月12日 | 2021釣り
場所:加太沖
条件:小潮 6:35干潮
潮流:6:37 下り1.9ノット最強 9:51転流
釣果:ヒラ1匹 タチウオ 2匹 (画像なし)

今日はいい天気だ。そろそろお正月の鯛を確保しなければと思いつつ、イワシが余っていて小潮で風がないとなると最後のタチウオという考えも浮かぶ。そして、どうもこの考えが今日の残念な結果に結びついたようである。

タチウオは遠くに行きたくないので紀淡海峡のこちら側で釣りたい。そして朝は下り潮なので今日は非武装ポイントからスタートし、潮止まりの時間前後ですぐ近くのアイヤマでタチウオを釣ろうと考えていた。

田倉崎を越え、ジノセトに向かう途中は明らかに潮の流れがある。



それは船の速度がてきめんに落ちることでわかるのだが、もともと潮の流れは少ないだろうと思っていたがこれだけの流れがあると期待が持てる。
船団がジノセトの上手にできていたのでそこに混ざってスタート、しかし、周りはほぼすべて帝国軍だ、けっこう過密状態なので落ち着いて釣りができない。



ここをすぐにあきらめて非武装ポイントの山の頂上付近へ移動。ジノセトでは下りの潮がはっきりしていたが、打って変わってここはほとんど流れがない。



アジサバらしき反応もないので高仕掛けに替えてみたけれどもこれもアタリがない。これだけ潮が流れていないならタチウオも釣りやすいのじゃないかとすぐに移動を決断。
アイヤマを目指すが、なぜか船の姿がまったくない。風も波もないのできっと洲本に行ってしまっているのだろうと考え、もし、ここで大漁ならタチウオを独り占めだとかなりポジティブな思考が頭をよぎる。さっそくテンヤを落とす。しばらくすると、海底から10メートルの範囲で真っ赤な反応が出てきた。



いったいなんなのだろう・・。タチウオではないことは間違いない。ここは水深80メートル前後の場所なので、ひょっとしたらこれはアジサバの大群ではないのだろうかと再びポジティブな思考が巡ってくる。仕掛けをサビキに替えて下してゆくとすぐにアタリがあった。これは見事に予想が的中して、ものすごい金の鉱脈を掘り当てたのじゃないか、ひょっとしてこの秘密は僕だけのものじゃないかと3回目のポジティブな思考が生まれる。引きは大したことがないが、それはきっと水深が深いからだろうというのは4回目のポジティブな思考だ。そして魚の影を見た時、これは大きい、でも、見るからに薄い・・。タモで掬ってみると、まったく見たことのない魚だ。コノシロが巨大化したように見えるし、ニシンの拡大コピーにも見えるし、アロワナの出来損ないのように見える。深海魚のように目は大きなレンズ状になっているし、鱗はすぐに剥がれてしまうのでイワシの親玉のようにも見える。ますます変な魚だ。これは食えるのだろうか・・・。
体力のない魚らしく、デッキの上でのびてしまっているのでそのまま放置して反応が続いている海底に仕掛けを下した。今度もすぐにアタリ。かなりの引きだ。今度はきっと青物に違いないと思ったら、同じ魚が4連で上がってきた。



魚探の反応はすべてこの魚のもののようだ。ここで留まっていた時間は30分ほどだったがずっと反応は続いていた。いったいどれほどの数の魚がいたのだろう。テレビのドキュメンタリーや写真集で見るような魚の群遊がこの真下で繰り広げられているに違いない。これはきっと壮大な景色に違いないが、壮大な景色でもタチウオが釣れなければ意味がない。ここは燃料を使ってでも洲本に行くしかない。
釣った魚に貴賤はないと思っているのだが、これを全部持って帰るのはきつい。おそらく生き延びることはないのだろうが1匹だけ試食のために残して海に還して洲本に向けて出発。

洲本でも釣れていないのか、日曜日なのにそれほどの船の数はない。しかも1か所に集まってしまっている。



僕の経験からだと、船が1か所だけに集まっているときは釣れていない時だ。釣れないので、数隻が偶然集まっているのを見て、あそこは釣れているに違いないとほかの船がどんどん集まってくるのだ、これも人の心理なのだろう。

案の定アタリはほぼ無いに等しい。たまにアタリがあっても相変わらず鉤には乗らない。なんとか2匹釣り上げ、転流時刻から1時間が経過したので、アジだけでも釣って帰ろうと加太に戻る。



帰り道のルート上にあるポイントのほうが都合がいいので四国沖ポイントへ。潮は上り潮のはずだがまったく流れがない。風も波もなく、気温は12月と思えないほど暖かい。デッキチェアに背中を預けてぼ~っとしているともう居眠りをするしかない。こんなことをしていても魚が釣れることはあるまいと、午前11時半に終了。




今日の状況ではおそらく朝は第2テッパンポイントからスタートして洲本へ回るというのが妥当なところだったのではなかったのだろうか。アイヤマへ行こうとしたというところが躓きのもとであったのだろうと思う。結局、360円のイワシを使うために1000円分以上の軽油を無駄に焚いたことになってしまった。
そして、燃料を無駄に焚いた引き換えに釣り上げたくだんの魚だが、いつもの通り家に帰ってわからないことはSNSだとアップしてみると、釣果欄に書いたとおりの名前の魚であるということがわかった。名は体を表すという見本のような名前がついている。
さばいてみると、おなかの中には大量の脂が入っている。これは意外と美味しいのではないかと期待が持てるのだが、魚の姿形から想像する通り、小骨がものすごく多い。この辺はなさそうだと思うところだけを取り出すと半分くらいの量になってしまった。



不味い魚でもこうすればそこそこ食べられるだろうと、蒲焼風にしてもらった。調味料は去年「わかやま〇しぇ」でもらってきた謎の調味料だ。謎の魚は謎の調味料で調理するというのは道理にかなっているというものだ。
食べてみると不味いことはない。まったく癖のないあっさりした味だ。ただ、やっぱり小骨が多い。もう、小骨を発掘しながら残った身を食べるという感じである。骨の発掘に集中するものだから、普段から会話のない夕食がもっと会話のない夕食になってしまった。
下あごの半分がなくなってしまった母親には無理をして食べるなというのだが、それでも食べようとする。これも性か・・。



食事のあとであらためてネットで調べてみると、骨切りをして食べると美味しいと書いてある。旬は冬らしいのでまさに今が旬だ。ただ、この小骨のせいでほとんど食用にはされていないとのことである。それでも岡山県あたりではよく食べられているとのこと。
また、別名がおもしろい。有明海では「長崎ターポン」と呼ぶらしい。チャンポンのパクリだ。確かにターポンにも似ていないことはなさそうだ。「ヘタレ」というのは陸に揚げるとすぐに動かなくなってしまうからだろう。
体は薄いとはいえ、50センチ近い長さがあるので身はまあまあの厚みはある。だから骨切りをするという発想はなかった。今度釣ったらきちんと骨切りをして食べてみようと思う。
デッキもヌルヌルして汚れるのであんまり釣りたくはない魚だが・・。

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水軒沖釣行

2021年12月10日 | 2021釣り
場所:水軒沖
条件:中潮 3:50干潮 11:12満潮
釣果:コウイカ 1匹

やっと母親が退院する。最初の入院が10月25日だったのであしかけひと月半、短いようで長かった。

午前10時には病院に到着しなければならないので慌ただしい。次回の釣行のために大きい方の船の給油もしておかねばならない。
逆算すると、午前8時過ぎには港の岸壁に戻っておかねばならないのでどんなに長く見積もっても釣りをしていられる時間は1時間半ほどだ。

できるだけ長く釣りをする時間を取りたいので真っ暗のうちに港へ。あと10日ほどで冬至を迎えるとあって、こんなに暗くても午前6時ちょうどだ。おまけに今日は雲が多いのでなかなか明るくなってこない。ここで時間を潰すのはもったいないので航海灯を点けて出港。



今年、なんとかアタリを取り続けることができている新々波止の元の切れ目からスタート。



仕掛けを下してすぐに、多分魚だろうというアタリがあった。アシストフックには掛からなかったが生体反応があるというのはいいことだ。
しかし、その後はまったくアタリはない。潮の流れもいい感じ、欲を言えばもう少し西向きに流れてくれればいいのだが、きちんと底も取れて適度に船も流れている。しかし、アタらない。思い切って最先端まで行くという手もあるのだが、帰りの道中が長くなる。ここは思い切ってダメ元で新々波止と沖の一文字の交差点へ移動。今年はいまいちだが例年ならかなりアタリが出るところだ。



2回ほど流した時にやっとアタリ。1匹確保だ。しかし、この時点で今日の持ち時間の半分ほどを使ってしまっている。今日は最後までこの付近だと決めて何回か行ったり来たりを繰り返す。やはり活性が悪いのか、間違いなくアタリだと思えるものも空振りだ。一度は竿先に重みを感じたがすぐに抜けてしまった。スッテに抱きつくというよりも触っているだけという感じだ。貴重な1匹も目と目の間に鉤が1本だけ掛かっているだけだった。
そうこうしているうちにタイムリミットだ。延長戦はできないのでそのまま帰投。

燃料を買いに行って補給。家に帰って道具を洗ってイカをさばいて着替えを済ませるとちょうど出発時刻の午前9時40分。我ながら見事なオンタイム行動だ。


病院はとにかく待たされる。今日も2時間コースくらいかと思い、読みかけの本を持参までしてきたが、車から降ろして先に行かせた奥さんを追いかけて病室のある階まで行くと、あとは精算だけと大量の荷物を持って待っていた。
結局、駐車場に入庫していた時間は10分。家に帰りついたのは午前10時半。これでは早朝から釣りに出るのではなく、帰ってきてから釣りに行けばよかったと思ってもあとの祭りだ。

午後からのうららかな天気をうらやみながらぼ~っとするしかないのである・・。




かつて、樹木希林が、自分は全身癌だと言っているところをテレビで見たことがある。全身癌って何のことだ?そんな状態になったらすでに死んでいるんじゃないかと思ったが、ふと、母親の今回の入院を通してひょっとして母親もその、全身癌というものではないかと思い始めた。今回、2回も連続して手術ができたのは、原発した癌があって転移したものではなかったからだそうだ。転移してしまっているものなら切らずに化学療法ということになるのだそうだが、別々にできたものだから切ってしまおうとなるらしい。じゃあ、なぜ連続して癌ができるのかということを想像すると、体全体の免疫力が落ちたことで、いたるところで癌細胞がうごめき始めたということでないのだろうかと素人なりに考えた。それなら同時多発的に癌が発生するということも説明できるのじゃないか。
それじゃあ、これから先もまた別のどこかで癌細胞が活躍し始めるということもあるんじゃないかという心配が生まれる。元気に退院できてよかったねで終われないんじゃないか。そんな気がしてきたのである。
心配の種は尽きないが、まあ、今はとりあえずよかったねとしておくしか仕方がないのも事実である・・。

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加太沖釣行

2021年12月06日 | 2021釣り
場所:加太沖
条件:中潮 8:01満潮
潮流:8:38上り3.4ノット最強 12:37転流
釣果:マアジ9匹 真鯛1匹

12月に入ってまだ一度も釣りに行けていない。そして、悪天候や母親の2回目の手術もあって休日は2回連続釣りに行けていない。今年もあとわずかなのにこれではまずい。そして、今月2回目の休日であった昨日も風が強い予報となっていた。うわ~、これはまずいとなり、どうしたものかと考えながら、気になっていた有給休暇の消化具合を調べてみる方法はないものかと、会社が使っている勤怠管理システムの中を探ってみたらそれがあったのだ。ウチの会社では自分の有給休暇がどれだけ残っているかを能動的には教えてくれないので大体はまだ使い切っていないだろうという範囲でしか取らない。というか、ある程度責任のあるポストにいた時はほぼ取らないでほぼ全部捨てていたというのが事実であった。しかし、去年からはまったくその状況が変わった。やりたくもない仕事であったし、あの部署はほぼ全員が同じようなことを思っていたのか、みんなけっこう有給休暇を取っていた。僕もそれに倣ったのだが、そのシステムの情報を改めて見てみると、それでも6日間の有給休暇を捨てていた。今思えばもったいない話だ。そして、来年の8月末までに取らないと消えてしまう有給休暇が13日あるということを見つけた。これから先、毎月1回取っても残ってしまう日数がある。今月は年末年始を休んでやろうと企んで最初から大晦日に1日入れていたのだが、じゃあ、もう1日取ってやれと今日にも発作的に入れてやった。ありがたいことに船を出せそうな天気予報だったのだ。世間ではこれをずる休みというのだろうが、今の職場はまったくやる気を起こさせてくれる場所ではなく、職場のほうも特に僕を必要としている風でもない。やれと言われている業務をやれる範囲でやっておれば誰にも文句を言われない。一句作るとしたら、

窓際が 水際求めて ずる休み

というところだろうか・・。


今回も禁断の仕掛けからスタート。今日アタリがなければいったん終了にするつもりだ。そして案の定、まったくアタリがなく終了。水温はまだそれほど低くなっていないようだがベイトがどこかへ行ってしまったのだろうか・・。

今日はカワハギを封印してアジと真鯛狙いに決めている。あれもこれもと手を出すと共倒れになるというのはすでに経験済みだ。

この時間からだと潮流が最強に向かうので朝一はアジを狙って最強時刻を過ぎてから真鯛狙いに変更というプランだ。
さて、どこから始めようかとほかの船の位置を眺めてみると、今日は第2テッパンポイントにいくらかの船が集まっている。上り潮なので僕にも異存はない。



サビキの仕掛けを下すと潮が速いのかかなり斜めに入ってゆく。う~ん、これは釣りにくそうだと思っていると錘が底に着いたとたんにアタリがあった。頭を振らないし底にどんどん入っていくのでこれは間違いなくマアジだ。口を切られないように慎重に引き上げると思いのほか大きなマアジだ。間違いないなくオニアジと言っていいサイズだ。

その後もアタリはポツポツ続く。水深30メートル以上の所がポイントのようでその辺りを行ったり来たりしながら数を稼ぐ。ただ、魚の活性が低いのか、掛かってくるのは一番下と2番目の鉤だけだ。魚は完全に底に張り付いてしまっているようだ。
しかし、釣れる時は何をしていても釣れるようで、パンを食べていても釣れる。手に持ったパンを放り投げて魚とやりとりし、またパンを食べる。デッキに落ちた時点でこのパンには日本の人口に匹敵するほどのウイルスや細菌、バクテリアが付着し、その種類は地球上に存在する民族の数以上はあるだろう。僕はそれを食っても体のどこにも支障をきたさないのだから、コロナウイルスなどまったく恐れるに足らずと思っている。



そして、悪事はブーメランのように自分に帰ってくるというが、ずる休みをしても釣れる時には釣れる。ゴミ拾いをしてみても釣れないし・・・。ということは、善行と釣果にはまったく相関関係はないということが、悲しいかな証明されてしまった・・。

潮流の最強時刻を過ぎ、アジのアタリが遠のいたので真鯛の仕掛けに変更。ポイントはもっと北に上ったところだとは思うが、とりあえずそのままの場所で下してみる。今日は幸運が続くのか、いきなりアタリがあった。食べるにはちょうどくらいの真鯛だ。
ここで調子に乗ってしまった。朝からは帝国軍の船団はナカトの地島寄りのところにできていて、きっと真鯛はあそこだろうと考えていたこともあって、北上をしてみた。



しかし、ここからはまったくアタリがない。やっと1回だけアタリを感じたが、竿の弾力を利用できないほど仕掛けが斜めに入っていて鉤掛かりまでには至らなかった。
その後も帝国軍の船団に肉薄してみたけれども結局アタリはない。



転流時刻まではもう少しあるのでもっと北を目指すという判断もあったがとりあえず獲物はたくさん確保できているので午前10時20分に釣りを終了した。


Nさんの話・・。
隣に係留しているNさんは、僕が海に出ていて彼も出ているときには必ず電話をくれる。大体の場合は僕の方の出船時刻が早いので彼は僕が出ていることは一目瞭然なのだが僕は彼が出ているのかどうかがわからない。だから彼の方から電話をくれるのだ。
しかし、僕は毎度毎度電話に出ていたわけではない。僕の船はエンジン音がやたらと大きく電話の呼び出しベルがまったく聞こえないので港に戻ってきてから電話の着信記録を見てやっと電話をもらったことに気付くのだ。そんなことが数回続いて前回、同時に出船したときにとうとう電話をもらえなくなってしまった。エンジン音で貴重な友情を壊すわけにはいかない。今日はLINEであらかじめ出船してたら電話くださいねとメッセージを送っておいた。ここ数日は荒天が続いていたので今日くらいはきっと彼も出船するだろうと予想していたのだ。
しかし、電話の呼び出し音は鳴らず、LINEの返信だけが帰ってきていた。どうも体調を崩しているらしく釣りどころではないとのことだ。
彼は2年ほど前、予防的手術を受けていて、その影響だという。ちょっとこれは心配だ。次のブロクで健康に生きることの難しさについて少し書こうと思っていたのだが、こんなところにも健康に生きることの難しさがあった。
僕も完全な健康体と言えるようなものではないが、歳とともに健康に生きるということの難しさというか、困難さ、もしくはそれはきっと奇跡の類といっても過言ではないかと思えてしまうのである。

このブログは翌日に書いているのだが、彼に電話をしてみたところ、とりあえずは危機を脱したようだ。しかし、船に乗るのは当分難しそうだという。なんとか以前のように出ないとわかっていても電話をかけてくれるまでに回復をしてほしいと願うばかりだ。

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水軒沖釣行

2021年11月25日 | 2021釣り
場所:水軒沖
条件:中潮 10:22満潮
釣果:コウイカ 5匹

先週とは打って変わって今週は急に寒くなった。日本は四季がはっきりしていてそれこそが日本の特色であるのだが、最近は体がついていけていない。心の中はまだ暖かい季節が続いていると思い込んでいる。
それでも体は寒さを訴え、今日からはヒートテックの上下を着こんでの出発だ。すぐに防寒着の準備もせねばなるまい。

そして今日はひどく吹いていた北風がやっと治まる予報。午後一番で母親の入院手続きをしに行かねばならないので今日も慌ただしく朝だけの釣行だ。

朝起きてから新聞を取りに表に出てみるとかなり風が吹いている。予報では紀ノ川河口付近では5メートルまでの風ということであったけれどももっと吹いていそうだ。友ヶ島のリアルタイム情報をみてみると、真夜中からは少し風が強くなっている感じだがそれでも5メートル前後で推移している状況だ。体感と実況ではかなりの差があるのでとりあえず港に行ってみないと出られるかどうかがわからない状況だ。

ローテーションどおり小船での出撃を予定していたが、港ではまったく風を感じない。これだと小船でも大丈夫だろう。



離岸して、赤い橋の下にさしかかった頃、やけにデッキの上がすっきりしているなと・・。何かを忘れている・・。イカを入れる発泡スチロールの箱と仕掛けが乗っていない・・。どうも護岸に置き忘れてきたようだ・・。
まあ、とっさに忘れ物をしたと気付くだけましなのかもしれないが、情けない・・。

港内は静かなものであったが、一文字の切れ目を抜けるとかなりの波が立っている。航行できないほどではないが、小船では辛いものがあるほどの波である。昨日までの風が残していった波なのだろうか、それとも、今は局地的な北東の風だが予報では南西の風が吹くということなので沖の方の南風が波を運んできているのだろうか。

とりあえずは今日も禁断の仕掛けを流してみる。いったいいつまで釣れるものなのかがわからないが今シーズンは最後を見届けてやりたいと思っている。
波に翻弄されながら仕掛けを流すけれどもアタリはない。今までの少ないながらの経験から考えてみることだが、どうもこの仕掛けは穏やかな天気の時のほうがいいようだ。逆に、今日みたいな日はまずアタらない気がする。もともと水面直下で魚と勝負をする仕掛けなので、こんな日は魚が水面を意識してくれないのかもしれない。

1往復だけしてポイントへ。今日も新々波止の元の切れ目からスタート。波は高いが流れがない。おまけに船が流されていく方向と仕掛けが流れていく方向がうまくマッチしていない。イカが釣れる流れというのは、船の流れが先行して斜め後ろくらいから仕掛けが追いかけてくるというときだ。しかし、これもあんまり船が流れすぎると底を取れなくなるので微妙な天気の采配が必要になってくるのではあるが・・。

今日もアタリがあったのは若干だが仕掛けが斜めに伸びているときであった。そして、仕掛けが真下や船の底の方に入っているときはアタリがあっても合わせるときにストロークが足らないのか、よくバレてしまう。



潮が悪いと食い込みもよくないというのもあるのだろうが、今日も2連続バラしという場面があった。こんなにアタリの数が少ない日にバラしてしまうと凹むしかない。
また、魚のアタリがあってもフグしか掛からない。例年ならマゴチがアタって来るはずだがフグの方が動きが早いらしい。



もともと午前9時には引き上げようと思っていたのだが、波は相変わらず高いままで、時折舳先と海面の差が20センチほどに迫る時が出始めた。



この写真ではそれほどの切迫感はないけれども、それなりに恐怖を感じる。まず、おしっこができない。デッキの上に立っているとチャックを開けたまま海に飛び込んでしまいそうだ。
少し早いが引き上げることにした。波にもまれながら釣ったイカを締めて青岸のほうから帰投することに。
新々波止と沖の一文字の間を抜けると一転穏やかな海面が広がる。こんなに違うものかと思うほどだ。こんなに穏やかならと少しの間仕掛けを下すことにしたが、アタリがないのですぐに飽きてしまった。
こっち側がこんなに穏やかだったのなら、新々波止の一番先端の北側で釣っていればもっと違った展開になっていたかもしれない。



港に戻るために港内を航行していると、南の方から生暖かい風が吹いてくる。赤壁の戦いではあるまいし、こんな季節に南の風かと思うと、やっぱり今日はあまりいい条件の日ではなかったのだと諦めるしかない。


お昼ご飯を食べてから病院へ。
入院も2回目となるとこっちも緊張感がないのであるが、この荷物はなんとかならないのかと思うほど多い。



どう見ても母親の体の体積よりも荷物の方が大きい。老人は用心のためにたくさん持っていきたがるのかもしれないが、周りの入院手続きを待つ人たちの荷物はというと大きくても旅行用のスーツケースひとつだ。入院の荷物をスーツケースに入れるというアイデアもここにきて初めて知ったが普通はそれくらいの荷物らしい。
釣りでもそうだが、ベテランほど装備は簡素になっていくものだ。そういう意味では僕たちはまだまだ入院に対してはベテランの域には達していないようなのだが、こんなものは永遠に素人でいいのは確かである・・。

今日からまた当分の間、二人だけの食事になる。今夜の食事はイカの刺身と天ぷらを作ってもらったのだが、この天ぷらがいけなかった。イカを天ぷらにするときには大体の場合、油跳ねということが起こる。それを防止するため、去年のシーズン終わりに天ぷら鍋の上に乗せる金網の蓋を買ったのだが、今日も隣の部屋にまで轟くような大きな音とともに奥さんの悲鳴にも似た怒号が聞こえた。



しかし、イカというのはどうしてこうもひねくれているのか、生きている間は噴射口をこっちに向けた時だけ墨を吐き、死しても金網の蓋を開けた時だけ爆発する。天ぷらをひっくり返そうと金網の蓋を開けた途端に爆発して顔をやけどしてしまったというのだ。それを、あたかもイカを釣ってきた僕が悪いというような口ぶりで怒っている。もう嫌、今度からはあんたが揚げてと怒りが収まらない様子だ。
別に釣ったという行為が悪でもなかろうと思うのだが、気が弱い僕は何の反論もしないまま揚げるのを交代したのだが、この、油跳ね、なんとかならないものだろうか・・。
イカは刺身と天ぷらにするのが最高であると信じている僕にとっては大問題になりつつあるのである・・。

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加太沖釣行

2021年11月19日 | 2021釣り
場所:加太沖
条件:大潮 6:20満潮
潮流:6:52 上り3.2ノット最強 10:40転流
釣果:サゴシ1匹 真鯛1匹 ハタ子1匹 カワハギ4匹

しばらく続いた小春日和も今週末でひと区切りだそうだ。家を出るときも穏やかな天気で満月がきれいだ。



今日の夕方には月食を見ることができるらしい。まあ、そんなことは関係なく、今日も釣りに出てみた。
母親の再入院は来週なので今日も時間を気にせず釣りができる。しかし、今日は前回の加太のように残業はしないつもりだ。

朝一は港の前で禁断の仕掛けを流す。前回の10号ハリス切れに対応するため、今回は12号のナイロン糸を新たに購入して仕掛けを作り直した。さて、結果はどう出るだろうか・・。



一文字の切れ目を越えたところからスタート。



Ⅰ往復だけして加太に向かうつもりだ。防波堤に沿って仕掛けを流していると早速アタリが出た。ハリスを12号にしているが、それに加えてファーストランのショックを少しでも和らげようと、予備に巻かれている糸をすべて糸巻きから抜き出してすぐに放出できるようにしていた。
アタリだけでは相手がどれほどの大きさかというのはなかなか判断がつかない。ただ、ツバスサイズではないことは確かだ。念のため糸を繰り出すとその摩擦で手をやけどしそうになる。たかだか5メートルほど出しただけであったがサンチャゴ老人の気分を味わうことになった。
最初は抵抗を見せた魚はいっきにおとなしくなった。あれれ、また切れちゃったかと思うが糸は浮かんでこない。やっぱり魚は掛かっている。それでも慎重に糸を手繰り寄せると小さなサゴシだった。う~ん、僕が狙っているのはもっと大きいやつなのだけれども・・。と思いながらも釣った魚に優劣はない。とりあえずは幸先よくボウズを逃れた。
Uターンして同じところを流すがアタリはなく、新々波止のほうまで探って加太へ向かう。


田倉崎の前に到着したときは上り潮が少しずつ緩くなっていく時刻だった。このタイミングなら真鯛狙いなのだが、脂の乗ったアジとサバがほしい。少しだけやってみてアタリがなければすぐに真鯛に変更しようと決めてサビキ仕掛けを下す。



魚探にはポツポツと反応はあるが魚は掛からない。周りの船も魚を上げている気配はない。30分ほどで諦めて北上。テッパンポイントの少し北側に入る。
ここでもポツポツと反応が出ている。何度目かの反応が出てきた時、待望のアタリがあった。小さいながら真鯛だ。高仕掛けで真鯛を釣ったのは久々だ。やっぱりあの独特のアタリは面白い。これを大切にしなければと改めて思うのである。僕はこれをやりたくてこの船を買ったのだ。

その後、またアタリがあったが、どうも魚が小さすぎると思ったらハタの子供であった。これも煮つけにすると美味しいので持って帰ることにする。
この時点で午前9時半、潮が止まる前にはカワハギをやりたいと思っている。あれもこれもと欲深いことをしているとどっちつかずになるというのは分かってはいるが、疑似餌の釣りだけだとサバフグの猛攻に遭ってしまうとそこで釣りが終わってしまう。そのための保険としてイソメを買ってきたのだが、買ってくると使わないともったいない。で、この時間からはカワハギ釣りということになるのである。幸いにして今日もサバフグの被害はなかったのであるが・・。

いつものポイントへ移動。



潮はまだ上っている。僕の印象だけだけれども、ここは潮が下っているほうがカワハギは釣れるような気がする。なので、もう少し待たねばならないかと思いながら仕掛けを下す。
その通りでアタリはない。我慢を続けるが掛かってくるのはフジツボの殻や小石だけだ。底の方は潮がたるんでいるのか、エサがゆらゆらせずに小石や殻のすき間に落ち込んでしまっているのだろう。これでは誘いにならない。
あとから思うのだが、こんなときは底を切ってエサを浮かせてやると魚にアピールできたのかもしれない。次はそういうのも試してみよう。

そんなことを続けていると、やっとアタリが出た。とりあえずカワハギゲットだがそれほどの大きさではない。僕が狙っているのはもっと大きいやつなのだが、釣った魚に優劣はない。今日も肝和えにありつけそうだ。

いつもはすぐに締めてクーラーボックスに入れるのであるが試しに生け簀で生かしておこうとピックで胸鰭の後ろを突いて空気を抜いてから生け簀に入れてみた。
なんとか泳いではいたが途中で気になって見に行くとどうも動きが悪い。やっぱり締めたほうがよさそうだと思って作業をして釣り座に戻ると尻手ロープが伸びて竿が水没してしまっている。魚が掛かっているようだ。急いで巻き取ると先ほどと同じくらいのカワハギだ。釣れる時は何もせずに釣れてしまうものだ。しかし、せっかく分解掃除をしたリールもこんなことをしていてはまた塩噛みしてしまいそうだ・・。

ちょっと調子が出てきた。その後にまたアタリ。今度は大きい。真鯛のように首を振らないのでおそらくカワハギだ。相当引くのでこれはドラグを緩めて慎重にやりとりをしなければならない。鉤を呑み込んでしまってハリスに傷が入っていないことを祈るばかりだ。
海中から姿を見せた魚体は確かに大きい。おそらくは30センチを超えているだろう。めったに個別には写真を撮らないが、これは思わず撮ってしまった。僕の手と比べてもその大きさがわかるだろう。



その後、もう1匹追加してエサがなくなってしまった。
あと、30分、田倉崎の沖にできている船団に混ざってアジを狙ってみようと考え、生け簀の真鯛を締めながらアタリを見ていたがそんなに世の中甘くもなく午前11時に終了。

帰りの道中も穏やかな天気だ。海面は油を流したかのようである。



次の釣行時には本格的な冬がやってきているのかもしれない。加太の釣りも違ったアプローチが必要になってくるのだろうが、さてどうなるか・・。
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水軒沖釣行

2021年11月16日 | 2021釣り
場所:水軒沖
条件:中潮 4:24満潮
釣果:コウイカ 1匹

今日、母親が退院する。病院では退院する人たちは午前中、午後から入院する人が入ってくるというホテルのチェックインとチェックアウトのようなシステムを取っているそうだ。
だから午前10時には病院に到着しておかねばならない。
この時間から逆算すると午前8時には釣り場から脱出する必要がある。当然加太には行けないので小船のローテーションということもありコウイカを釣ることにした。まあ、3匹釣れれば今日は満足という気持ちで出かけたのだがまたまた悔いだけが残ってしまった。

その悔いのひとつが禁断の仕掛けだ。持って行こうか行かないでおこうかと思案していたのだが、一文字の切れ目からポイントまでだけでも流してみようとやっぱり持って出た。
航海灯が必要でなくなるくらいまで待って出港。



予定通り切れ目の前から禁断の仕掛けを流し始める。するとすぐにアタリが出た。それも相当大きな奴だ。この釣りはいきなりドカン!と言う感じでアタリが出るので面白いことは面白い。しかし、この後が厄介だ。竿もリールもない手だけの釣りなので魚が大きくても糸を繰り出すことも竿の弾力でためることもできない。糸を持ったまま耐えるだけだ。今回もひたすら耐えるだけだ。少しの間は魚の手ごたえがあったがじきに軽くなってしまった。仕掛けを回収してみると一番先っちょの鉤がなくなっている。仕掛けは10号、そうそう切れることはないと思うのだがあっけなかった。



初島でブリを釣ったときは枝素が8号。それでも獲れたのだから今日の魚もそれに匹敵するサイズだったのかもしれない。
う~ん、残念。釣ったとしても魚を持って帰るためのクーラーボックスも持ってきてはいないのだが、それはそれであとで考えればよいこと。この前、目の前で逃げたサワラといい、無念が続く。

残った2本の鉤を流しながらポイントへ向かうがアタリはこの1回だけであった。
この釣りで時間を食ったので残り時間は1時間半ほど。それでも調子がよければ3匹は釣れると確信して仕掛けを下すが心のどこかに焦りがある。この釣りの秘訣のひとつはじっくり待つことだが微妙な心理が仕掛けにも伝わるのかアタリはない。
潮の流れは緩やかなので思い切って赤灯台の前まで移動。ここは少し速い流れになっていて仕掛けを入れ直すことを何度かすることのなるのだが、そのたびにフグがまとわりついてくる。今年の加太は大量に湧いていてえらいことになっているが、こんなところまで勢力を伸ばしているとは思わなかった。コロナウイルスよりも蔓延力が強いのかもしれない。
そして僕の仕掛けにも喰いついてきた。運悪くアシストフックにがっちり掛かっている。



サバフグなので毒はなく、食べることができるし意外と美味しいのだが、最近は毒のあるクロサバフグとのハイブリッドがいるらしく油断ができない。この魚も尻尾の形を見ると毒はないのだが退院してきた日に家族全員フグの毒で死んじゃったというのは落語のオチにもならないと思い放流。
ここはフグしかいないと考え、もうひとつの好ポイントである一文字の交差点に行きたいと思ったのだが、この時刻、シラスを獲るバッチ網がやってきていた。仕方がないので最初に入ったところで再開。



ここでも魚がヒット。これは結構大きい。しかし、アシストフックには掛かっていなかったのか、すぐにバレてしまった。明らかにフグの引きではなかったのでこれも残念。おそらくコチであったと思う。
その直後に根掛かり。船の位置を変えても抜くことができず引き抜くと上のスッテだけは回収することができた。タイムアップまでにはまだ30分ほどある。幹糸にそのまま錘を結んで釣りを続行。



直後にイカのアタリ。小さいイカだがとりあえずボウズはなくなった。

そのまま釣りを続けているとバッチ網の船は針路を変えてこっちに向かってきた。同時に運搬船が近づいてきたので、邪魔だからそこをどけろと言われるのかと思ったら、「なに釣ってんの?」と、僕の釣りに興味があっただけのようだ。「イカです。」と答えると片手を上げてそのまま行ってしまった。残された僕はこのままここに居ても大丈夫なのかしらと逆に心配になってくる。どちらにしても帝国軍と違い、海は誰のものでもないと思っていてくれるのはうれしいではないか。



タイムアップまで15分。バッチ網の船もどんどん近づいてくるし、ふと、この時間ならまだ禁断の仕掛けでも魚が釣れるのではないかと思い立ち、片肺の仕掛けでイカを釣り続けるよりもそっちを選択。
一文字のテトラに沿って流しているとまた魚が掛かった。今度はそれほど大きくない。糸を切られることはないと思っていたら、取り込みの直前で魚がエンジンの下に潜り込み暴れ始めてあえなくバラし・・。今夜のハマチの塩焼きは海の底に消えていった・・。
それからしばし仕掛けを流してみたが、神様は3度目の微笑は与えて下らさらなかった。(仏さんは3度まで微笑んでくれるのだが・・)
これで完全にタイムアップ。

港からの帰り、いまだ影は低く長い。



家に帰って1匹のイカをさばいて病院へ。



また来週には入院となるのだが、夕食はこの前釣ってきたチャリコで退院祝いとした。
病院の食事は歯ごたえもないし味も薄いので全然美味しくなとこぼすほど元気なのはありがたい。とりあえずもう1回、今回の馬力で乗り切ってほしいものだ。

去年の今日も仕掛けを落としてばかりいたようなのだが、どうも11月16日は鬼門である・・。

その鬼門の日に初めてバーコード決済というものをやってみた。
5,000円分のマイナポイントを欲しいというだけでチャージしたものだが、いつまでも使わないわけにはいかない。試しに使ったのが釣具店だ。「ペイペイって使えますか?」とぎこちなくスマホを取り出し、これでいいんですかとペイペイの画面を呼び出す。
そして支払いはあっけなく終わってしまった。こんなに簡単に済んでしまうとは危険である。お金を支払った感覚がない。



「天才バカボン」でバカボンのパパが、銀行からもらったメモ用紙を小切手と思いこみひと悶着起こすという話があったが、それに近いものがあると感じてしまった。お金をお金と感じなくなりそうだ。これが時代であるというのはわかるけれども、僕はこまめに財布を開きたいと思うのだ。

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加太沖~洲本沖釣行

2021年11月13日 | 2021釣り
場所:加太沖~洲本沖
条件:小潮7:46干潮
潮流:7:11 下り2.0ノット最強 10:27転流
釣果:カワハギ2匹 チャリコ3匹 タチウオ10匹


今日は久しぶりに午後からの用事がないのでじっくり釣りをすることができる。
何を釣ろうかと潮流表と潮時表を眺めながら思案するが、今日は小潮で冷凍庫の中には早く何とかしろと言われているイワシが入ったままなのを思い出し、ひとつはタチウオと決めた。カワハギも捨てがたく、じゃあ、本来の船を買った目的である真鯛はどうするんだ、美味しいマアジは欲しくないのかと結局悩ましいまま朝になってしまった。

とりあえずアオイソメを400円分買って港へ到着。少なくともイワシとイソメを使い切るということが最大の目的となった。

昨日の雨が空気中のホコリを取り除き、かつまだ水分をたくさん蓄えているのか、雲と太陽光線が創り出す景色がとてもきれいだ。太陽が昇っていくにつれてその光を反射する雲の色が刻々と変わってゆく。地平から天上に伸びる逆レンブラント光線は素晴らしい赤みを帯びている。



船を停めては写真を撮っていると時間がどんどん過ぎてゆく。

     

結局、潮が流れている間はカワハギを狙い、エサがなくなればサビキか高仕掛けに変更、転流前後にタチウオを狙って潮が動き始めればまたサビキか高仕掛けに変更という、贅沢というか結局、消化しきれないようなプランでスタートした。

いつものポイントからカワハギ釣りをスタート。潮流は最強時刻だがさすがに小潮だときちんと底を取ることができる。
間もなくアタリがあったけれども、これはチャリコ。お正月前なら睨み鯛にしたいサイズだ。
その後も、アタリがあればチャリコだけである。やっとカワハギに遭遇したけれどもこの仕掛けで釣るにしてはあまりにも小さいサイズであった。狙うはもっと大型だ。
次に掛かったのもまだサイズには不満がある。場所を転々としながらアタリのあるところを探すがカワハギは来ない。
竿先をひったくっていく大きなアタリがあった。これは間違いなく真鯛だろうと思い、ドラグを調整しながら引き寄せたがタモ入れ直前に逃がしてしまうと失態を演じてしまった。もう少し道糸を巻きあげてからタモ入れすればよかったのだけれども焦ってしまった。いつも使うタモはもともと手釣り用のもので、柄は短い。父親が作ったものを使い続けているのだが、なかなか頑丈に作っていて壊れないものだから柄を自分が使いやすいようなものに替えることもしていない。
長い仕掛けを使う時は最後は手で仕掛けを手繰るからこれの方が使いやすいのだけれども、竿を持ちながらのタモ入れとなると使いづらい。もちろんそれを承知で使っているのだが、この真鯛は40センチを軽く超えていそうだったので焦りが出てしまった。これを獲っておければもうカワハギがなくても文句を言わないのだけれども今日の悔いのひとつになってしまった。

その後ももう少しでカスゴまで行きそうなチャリコを釣ったけれども、逃した真鯛に比べるとまったく満足のいくものではない。

エサは残ってはいるが、チャリコばかりではやっていても意味がない。少し早いがタチウオ釣りに変更。普通ならアイヤマに向かうのだが、風も穏やかで波もない。船底は塗りたてだしエンジンオイルも交換している。これは洲本まで行かねばなるまい。久々に紀淡海峡横断だ。燃料代も高騰しているが今日だけはまき散らす覚悟だ。
ナカトを通り抜け船団の場所を探してみるが浮島現象のせいだろうか、海面がぼやけてどこにも船の姿を見つけることができない。
2年前の記憶をたよりに方向を決めて本線航路を抜けた辺りでやっと船団を見つけた。





例年釣っている場所に比べるとかなり南だ。水深も100メートルを超えている。幸いにして風はない。とりあえず仕掛けを落としてみると流れも大したことがなく、底はきちんと取れる。しかし、ここでも失態を演じてしまった。僕はテンヤの上に枝針をつけているのだが、これは全部ワイヤー製で、まあ、劣化はしないだろうとずっと使い続けていたのだが、ステンレスワイヤーも劣化してくるらしくテンヤを投げ入れた直後に切れてしまった。サバフグが多くてそれでなくてもテンヤを相当ロストする危険があるのに自分のミスで落としてしまうとは情けない。
枝針を使う気もなくなってしまって今日はテンヤだけで釣りをすることにした。しかし、今日は安直なミスが多い。
ただ、アタリは頻繁に出てくる。テンヤを落とした直後からアタリは出始めた。しかし、これもアタリはあれども全然鉤に乗らない。Nさんおすすめのアシストフックを付けてみても全然効果が上がらない。たまに掛かってくるのは紀ノ川で釣れるのと同じようなサイズだ。大量に燃料を焚いてここまで来たのにこのサイズでは満足できるはずがない。これはまずまずと思えたのは1匹だけだ。釣れる数が少ないのに体が半分何者かに喰われてしまうものさえある。これは途中で異変が起こったことがわかったのだが、おそらく相当な大きさのサワラなのだろう。頭の方を喰ってくれていればテンヤに掛かってくれたかもしれないと思うとこれもまた悔しい。



フグは釣れてもさすがに自分でさばく勇気はなく、泣く泣く放流。手がヌルヌルするだけだ。



正午を過ぎて乗合船が撤収し始めると、それに呼応するかのようにアタリがぱったりと途絶えてしまった。少し流れが出始めたのが悪いのだろうか。
僕もイワシを2匹残して加太方面に戻る。

イソメも少し残っているので鉄板ポイントで仕掛けを落としてみる。ここでもチャリコしかアタらない。午後2時くらいまではやってみようと考えていたがそこまで気力と体力が持たず、イソメが無くなったところで終了。
四国沖ポイントには船団ができており、アジが釣れているのかもしれないが、もう帰ることしか考えていなかった。

船からクーラーボックスを下すときはけっこう重く感じるものだから、まあ、それなりの釣果であったのかもしれいなが、油断からひき起こしたミスや目の前で逃した獲物(タチウオも1匹、目の前から海に帰っていった。)のことを考えるとなんだか煮え切らない釣行になってしまった。

立てた計画についても、イソメもイワシも、こんなにエサを盗られたらすぐに無くなってしまうのではないかと思ったが、釣りをしている時間とエサの量を勘案すると十分すぎる量であった。(結局、いつもそうなるのであるが・・)
もともと立てた計画が自分の体力と気力とエサの分量とのバランスを欠いていたのであった。わずか数時間の釣りであれもこれもぶっ込むからどれもこれも中途半端になってしまう。次回はもう少し的を絞って計画を立てなければならないと思うのだ。


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水軒沖釣行とバックヤードツアー

2021年11月07日 | 2021釣り
場所:水軒沖
条件:中潮 7:59満潮
釣果:ボウズ

今日も午後から行きたいところがあるので朝一だけ出かけてみた。なんとしてもあのサワラを釣りたいという欲望は消えることがなく、禁断の仕掛けだけを持って港へ向かった。
1時間ほどで戻りたいので、そういうときは小船のほうが便利なのだが、次の休日は雨模様なので大きい方の船を動かしておこうということにした。

今日も明るくなってから出港。港内のコンテナクレーンの夜間灯が変わっている。なんだかクリスマス仕様になったかのようだ。これをいろいろなパターンで点滅させると宇宙人と交信できるかもしれない・・。



これからはこの光景を見ながら沖へ向かうことになる。

一文字の切れ目を越えたところからスタート。
今日も僕と同じように禁断の仕掛けを流している船がいる。前回見た船と同じ船だ。



これだけ頻繁にやってくるということはやっぱり釣れているのだろう。期待が持てる。
広範囲に探ってみようと、切れ目から新々波止の赤灯台に向けて移動。そこから防波堤沿いに流してゆく。午前7時までやってみたが結局かすりもせず、ボイルも見えることなく終了。



日ムラがあるのか、もう少し粘ればボイルが現れるのか、まったくわからないが、2回連続で何のアタリもないとこの釣りについての信頼性が揺らいでしまう。アタリがなければこれほど面白くない釣りもないというのだからなおさらだ。
去年も今頃が最後だったので今年も今日で終わりなのかもしれない・・。

こんなに早くあがったのは、ちからさんがご自分の船を上架するというので少しでもお手伝いをしようと考えたからだ。いつも僕のほうが手伝ってもらってばかりいるので休日が合う時は参上しなければという、ほぼ押しかけ手伝いという感じだ。ちからさんはベテランだから僕の手助けなど必要とはしていないし、彼にはたくさんの漁師仲間がいるのでそれでほぼ手は足りているはずなので押しかけ手伝いということなのだ。
スロープに到着してみると、ちょうど船が岸壁から離れるところであった。いそいで乗り込み船台の前のポールを確保する係をする。これについては前でポールを取ってもらうのとひとりでやるのとでは安心感がまったく違う。まあ、これも今日みたいな穏やかな日だとちからさんならひとりで難なくこなせるはずなのでここもただの押しかけだ。逆に僕のほうがちからさんの手際を観察させてもらって勉強させてもらっているのである。

無事に上架が終わり、フジツボを掻き落とす。「かなり付いているので船がまったく走らない。」とおっしゃっていたけれども、僕の時よりもはるかに付着量は少ない。和歌浦と水軒の水質の違いなんだろうな。不必要な栄養分がないだけむやみに付着しないのだろう。
ということで、二人でやると作業はあっという間に終わって僕はここまで。




午後からは図書館のバックヤードツアーに参加してきた。貸し出し窓口に案内のパンフレットが置いてあったので応募したら当たってしまった。当たったというか、これはメールで申し込むのだけれども、これには受付開始日というのがあったのだが、それに気付かずその前にメールを送ってしまっていた。普通ならこの応募は無効ですという知らせをするらしいのだが、図書館の人もそれに気付かず応募開始日を迎えてしまい仕方がないのであなたを当選したことにしますというので当選したという具合だ。要は不正をして当選させてもらったということである。まあ、なんでも構わない。普段見ることが出来ないところを見せてもらうのはうれしい。

書庫の中を案内してくれるのだが、ここには普通の書籍だけではなくて貴重書籍というものも保管されている。歴史的貴重な古い書物や文書が温度と湿度が管理された特別な部屋に置かれているのだが、これが特別と言いながらけっこう簡易なものに収められているのが面白い。「小梅日記」という幕末から明治に書かれた日記なのだが、当時の風俗を克明に記録しているということで貴重な資料ですといいながら普通の段ボールの箱に入っていたり、有吉佐和子の直筆の原稿はなぜか切手が貼られた封筒に入っていた。
ちなみに小梅日記には、坂本龍馬の暗殺や、ハレー彗星、黒船の来航などのことも書かれてるそうで、ラジオや新聞もない中で和歌山に居ながらこんな情報を普通の若い女性が得ることができたというのは驚きである。噂や情報というのは手段がどうであれ瞬く間に拡散するというのが世の常であるのかもしれない。

和歌山県立図書館には100万冊の蔵書があるそうだ。地下は2層になっていて、1階、2階にも書庫がある。当たり前だが中は本だらけ。案内をしてもらいながら背表紙のタイトルを眺めているとこの本の内容はどんなものだろうと興味をそそられる。人生を1000回やり直しても読み切れるものでもないがその万分の1でも読みたいものだ。



おみやげにもらったのは「参考書」という、辞書などの貸し出し禁止の書物に貼るシールだ。
僕も家に置いている辞書に貼り付けてみた。ここだけ図書館みたいになった。


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