場所:加太沖
条件:中潮 9:15満潮
潮流:6:09転流 10:22 上り3.3ノット最強 14:10転流
釣果:真鯛6匹
今年の休日も今日を入れて残り4日。いまだにお正月のためのにらみ鯛を確保していない。次の休日は大荒れの天気だそうだからどんどんチャンスは減ってゆく。
幸いにして今日は穏やかな天気という予報が出ている。なんとか叔父さんの家の分とウチの分、2匹は釣りたいと思って出撃したが、思いのほかの釣果に恵まれた。
昨日、遠くに見える友ヶ島の姿はまことの穏やかそのものだったが、朝起きてバイクを表に出しているとかなり風が吹いている。
それも北からの風だ。少し佇んで様子をうかがうが時折ド~っという感じで風量が増す。いつもの煙突からの煙も真横に流れている。
う~ん、早朝の情報番組でも今日は穏やかな天気だと言っているのになんでここだけ風が吹いているのだと自分の不運さに思わず天を仰いでしまった。
とにかく港までは行かないとわからないと思い、道中を急いだ。港に到着してみると、天を仰いだことはまったくの杞憂で、港内は穏やかそのもの。海面には満月がきれいに映り込んでいるほどだ。
確かにこの季節、夜に風が吹いていても明るくなるころには少しずつ治まっていくということがよくある。
今日の予定は、潮が緩い間はカワハギを狙ってみて、潮流が最強を迎える前にアジサバ、最強前後に真鯛というまたもや二兎を追う者は一兎をも得ずという戦略で挑むつもりだ。二兎を追うといっても、一応、僕なりに考えた戦略で、正月の真鯛をこのカワハギ仕掛けで掛かってくるチャリコかカスゴで確保しようという考えなのだ。高仕掛けにはまったく自信が持てないので、イソメを使った方が釣れる確率は高いはずだという理論だ。貧乏な家庭のにらみ鯛は外道で釣れてくるそのくらいのサイズで十分なのだ。この釣りでは魚が鉤を呑み込んでしまうことが多いので小さいやつの場合、放流しても生きて還してあげることができないのできれいな釣りとは言えないが、今日は勘弁してもらおう。
いつもの自販機でイソメを買おうとすると、自販機が新しくなっていた。
ついでに値段も上がっていて、全部500円になっているし、300円のパックが消えている。世間では様々なものが値上げラッシュだというニュースが出ているが、イソメよお前もかと悲しくなる。パッケージはえらい重厚になったが、へんなところに投資をするくらいなら値段を据え置いてくれよと怒りがこみ上げる。
しかし、いつも弱い方の立場は消費者だ。泣く泣く500円分の硬貨を投入口に放り込む。
風が心配だったので少し遅めに港にやってきたが、奥の港からは続々と船が出てゆく。
僕はゆっくりと準備をして、航海灯がなくても航行できるくらいになって離岸。
紀ノ川方面からも相当な数の船が出てゆく。
予定通り、カワハギポイントに到着するとこの海域にはまったく船がいない。
今のポイントは第2テッパンポイント付近のようだ。帝国軍の船がそこに集結している。
いきなり戦略を間違ったかと自信が揺らぐが、イソメを買ってしまっているのだから使わないわけにはいかない。しかし、仕掛けを下してみるとすごい2枚潮だ。すぐに底がわからなくなる。やっとアタリがあったと思ったら10センチほどのチャリコだ。流石にこれは焼き物にはならない。幸いにして呑み込んだ鉤もきれいに取り出すことができたので元気に海に還すことができた。
この場所を見切り、少し南下して試してみるも一向にアタリはない。いっそのこと、この仕掛けの上にサビキ仕掛けをくっつけると二刀流で今日釣りたい魚をすべて狙えるのではないかとあらぬことを考え始めた。大体、二刀流などというものは大谷翔平のように能力のある者がなせる業なのであるし、そういう釣り方に効果があるのならすでにほかの誰かが実用化しているはずだ。この時点で我ながら、今日も戦略レベルで見ても戦術レベルで見ても敗北は必至だと思い始めたのだ。まあ、魚は掛からなかったものの、イソメにアタリがあったということは感知できたということは、戦術的に完全に間違いであるとは言えないということがわかったということはよしとしておこう。
さすがにこれではいかんと気を取り直し、当初の戦略に戻り純粋なサビキ仕掛けに変更。しかし、これでもアタリはない。魚探にはときおり反応があるのだが、これは魚ではないのだろうか・・。また悩み始め、そこから迷走を始めた。どこかに魚はいるはずだと第2テッパンポイント、四国沖ポイントの横、はては遠く大和堆ポイントにまで移動したが、そこにいた船団は釣り船ではなく、シラスを獲るバッチ網の集団だった。シラスがいるということはアジサバもいるのではないかと思うのだが、さすがにあの中に入ってゆくことはできない。仕方なくまた北上。
第2テッパンポイントから少し南に下ったところでサビキを続けるがアタリはない。予定よりも早いが高仕掛けに変更。カワハギは釣れず、アジサバにも振られ、背水の陣ではあった。(確かに周りは水だらけなので背水の陣であるには違いない。)そしてそこからの読みが当たった。この時点で午前9時半。最初はまったくやる気がなく誘いをかけていたのだが、午前10時、当初考えていたとおり真鯛が釣れるのはこの時刻からだろうと思っていた時に最初のアタリがあった。
バレるなよと慎重にやり取りをする。前にリールの分解掃除をしたとき、ドラグ部分にはオイルを入れなかった。多板式のドラグにはオイルを入れてはいけないということを聞いていたので、同じドラグならここにも注油をしないほうがいいのだろうと思っていたのだが、それではどうもダメだったようで、まったく滑らかにドラグが滑ってくれない。そこをなんとかいなしながら1匹目を確保。とりあえずこれで正月を迎えられる。あとは叔父さんの家の分を釣ったら今日は満足だ。そして、1匹釣れるとがぜん集中力も増してくる。すぐに次のアタリを捉えた。魚の活性も上がってきたのか、前アタリからすぐに竿の先を引き込む本アタリに変わってくれる。
1時間足らずで3匹釣り上げ、もうこれでいいやとせっかく買ったイソメを使い切ろうとカワハギ仕掛けに変更。第1テッパンポイントに移動して仕掛けを下す。相変わらずカワハギのアタリはまったくないが、魚探にはたくさんの反応がある。これはひょっとして真鯛の反応ではないのだろうかと思い、仕掛けを変更。そしてすぐに答えは出た。正解だ。連続して3匹を釣り上げた。今日の最大サイズもこの時に釣り上げたものだ。
正午になり、北風に押されて船が南に流され始めた。ここが引き時と釣りを終了。
イソメはまったくの無駄になってしまったが、イソメを持って行かなければ最後の3匹は釣り上げることができなかったのかもしれない。結果オーライというのは別の意味でいうと読みができていないということになるのかもしれないが、もともと加太での釣りはこの高仕掛けで真鯛を釣るということが本分であると思っていながらその本分を忘れてイソメで真鯛を釣ってやろうと考えていたのだが、それに対して神様が、「初心に戻れ。」と警告を与えてくれたのかもしれないと自分への戒めとしたいのである。
条件:中潮 9:15満潮
潮流:6:09転流 10:22 上り3.3ノット最強 14:10転流
釣果:真鯛6匹
今年の休日も今日を入れて残り4日。いまだにお正月のためのにらみ鯛を確保していない。次の休日は大荒れの天気だそうだからどんどんチャンスは減ってゆく。
幸いにして今日は穏やかな天気という予報が出ている。なんとか叔父さんの家の分とウチの分、2匹は釣りたいと思って出撃したが、思いのほかの釣果に恵まれた。
昨日、遠くに見える友ヶ島の姿はまことの穏やかそのものだったが、朝起きてバイクを表に出しているとかなり風が吹いている。
それも北からの風だ。少し佇んで様子をうかがうが時折ド~っという感じで風量が増す。いつもの煙突からの煙も真横に流れている。
う~ん、早朝の情報番組でも今日は穏やかな天気だと言っているのになんでここだけ風が吹いているのだと自分の不運さに思わず天を仰いでしまった。
とにかく港までは行かないとわからないと思い、道中を急いだ。港に到着してみると、天を仰いだことはまったくの杞憂で、港内は穏やかそのもの。海面には満月がきれいに映り込んでいるほどだ。
確かにこの季節、夜に風が吹いていても明るくなるころには少しずつ治まっていくということがよくある。
今日の予定は、潮が緩い間はカワハギを狙ってみて、潮流が最強を迎える前にアジサバ、最強前後に真鯛というまたもや二兎を追う者は一兎をも得ずという戦略で挑むつもりだ。二兎を追うといっても、一応、僕なりに考えた戦略で、正月の真鯛をこのカワハギ仕掛けで掛かってくるチャリコかカスゴで確保しようという考えなのだ。高仕掛けにはまったく自信が持てないので、イソメを使った方が釣れる確率は高いはずだという理論だ。貧乏な家庭のにらみ鯛は外道で釣れてくるそのくらいのサイズで十分なのだ。この釣りでは魚が鉤を呑み込んでしまうことが多いので小さいやつの場合、放流しても生きて還してあげることができないのできれいな釣りとは言えないが、今日は勘弁してもらおう。
いつもの自販機でイソメを買おうとすると、自販機が新しくなっていた。
ついでに値段も上がっていて、全部500円になっているし、300円のパックが消えている。世間では様々なものが値上げラッシュだというニュースが出ているが、イソメよお前もかと悲しくなる。パッケージはえらい重厚になったが、へんなところに投資をするくらいなら値段を据え置いてくれよと怒りがこみ上げる。
しかし、いつも弱い方の立場は消費者だ。泣く泣く500円分の硬貨を投入口に放り込む。
風が心配だったので少し遅めに港にやってきたが、奥の港からは続々と船が出てゆく。
僕はゆっくりと準備をして、航海灯がなくても航行できるくらいになって離岸。
紀ノ川方面からも相当な数の船が出てゆく。
予定通り、カワハギポイントに到着するとこの海域にはまったく船がいない。
今のポイントは第2テッパンポイント付近のようだ。帝国軍の船がそこに集結している。
いきなり戦略を間違ったかと自信が揺らぐが、イソメを買ってしまっているのだから使わないわけにはいかない。しかし、仕掛けを下してみるとすごい2枚潮だ。すぐに底がわからなくなる。やっとアタリがあったと思ったら10センチほどのチャリコだ。流石にこれは焼き物にはならない。幸いにして呑み込んだ鉤もきれいに取り出すことができたので元気に海に還すことができた。
この場所を見切り、少し南下して試してみるも一向にアタリはない。いっそのこと、この仕掛けの上にサビキ仕掛けをくっつけると二刀流で今日釣りたい魚をすべて狙えるのではないかとあらぬことを考え始めた。大体、二刀流などというものは大谷翔平のように能力のある者がなせる業なのであるし、そういう釣り方に効果があるのならすでにほかの誰かが実用化しているはずだ。この時点で我ながら、今日も戦略レベルで見ても戦術レベルで見ても敗北は必至だと思い始めたのだ。まあ、魚は掛からなかったものの、イソメにアタリがあったということは感知できたということは、戦術的に完全に間違いであるとは言えないということがわかったということはよしとしておこう。
さすがにこれではいかんと気を取り直し、当初の戦略に戻り純粋なサビキ仕掛けに変更。しかし、これでもアタリはない。魚探にはときおり反応があるのだが、これは魚ではないのだろうか・・。また悩み始め、そこから迷走を始めた。どこかに魚はいるはずだと第2テッパンポイント、四国沖ポイントの横、はては遠く大和堆ポイントにまで移動したが、そこにいた船団は釣り船ではなく、シラスを獲るバッチ網の集団だった。シラスがいるということはアジサバもいるのではないかと思うのだが、さすがにあの中に入ってゆくことはできない。仕方なくまた北上。
第2テッパンポイントから少し南に下ったところでサビキを続けるがアタリはない。予定よりも早いが高仕掛けに変更。カワハギは釣れず、アジサバにも振られ、背水の陣ではあった。(確かに周りは水だらけなので背水の陣であるには違いない。)そしてそこからの読みが当たった。この時点で午前9時半。最初はまったくやる気がなく誘いをかけていたのだが、午前10時、当初考えていたとおり真鯛が釣れるのはこの時刻からだろうと思っていた時に最初のアタリがあった。
バレるなよと慎重にやり取りをする。前にリールの分解掃除をしたとき、ドラグ部分にはオイルを入れなかった。多板式のドラグにはオイルを入れてはいけないということを聞いていたので、同じドラグならここにも注油をしないほうがいいのだろうと思っていたのだが、それではどうもダメだったようで、まったく滑らかにドラグが滑ってくれない。そこをなんとかいなしながら1匹目を確保。とりあえずこれで正月を迎えられる。あとは叔父さんの家の分を釣ったら今日は満足だ。そして、1匹釣れるとがぜん集中力も増してくる。すぐに次のアタリを捉えた。魚の活性も上がってきたのか、前アタリからすぐに竿の先を引き込む本アタリに変わってくれる。
1時間足らずで3匹釣り上げ、もうこれでいいやとせっかく買ったイソメを使い切ろうとカワハギ仕掛けに変更。第1テッパンポイントに移動して仕掛けを下す。相変わらずカワハギのアタリはまったくないが、魚探にはたくさんの反応がある。これはひょっとして真鯛の反応ではないのだろうかと思い、仕掛けを変更。そしてすぐに答えは出た。正解だ。連続して3匹を釣り上げた。今日の最大サイズもこの時に釣り上げたものだ。
正午になり、北風に押されて船が南に流され始めた。ここが引き時と釣りを終了。
イソメはまったくの無駄になってしまったが、イソメを持って行かなければ最後の3匹は釣り上げることができなかったのかもしれない。結果オーライというのは別の意味でいうと読みができていないということになるのかもしれないが、もともと加太での釣りはこの高仕掛けで真鯛を釣るということが本分であると思っていながらその本分を忘れてイソメで真鯛を釣ってやろうと考えていたのだが、それに対して神様が、「初心に戻れ。」と警告を与えてくれたのかもしれないと自分への戒めとしたいのである。