土居健郎 「甘えの構造」読了
この本は「甘え」という言葉をキーワードに、日本人の心理構造を解明しようとしている本である。出版当時はかなりの話題になり、ベストセラーとなったそうだ。
日本人は特に人間関係、特に集団と個人の関係において「甘え」の感情が強いと著者は分析する。「すねる」「ひがむ」「ひねくれる」「うらむ」などという」態度は甘えられない心理に関係し、「ふてくされる」「やけくそになる」というのはすねるという結果出てくる現象である。
そして「同一化」というものが最終的な感情の帰結として求められることになるというのだが、それが日本人の独特な民族性のようなものに影響しているというのだ。
外国の文化を偏見もなく取り入れることができたことや、中央集権的な組織体制に馴染んでしまうことができる。その典型が天皇制である。
これはある意味、良い面であるが、悪い面は“個人”という認識が非常に薄くなる。それは集団の内と外があまりにも区別される。内々では恥の心理や集団への帰属で結束が強くなるが外向きには他人を顧みなくなったり、逆に対人恐怖症という傾向が出てくる。
僕のところに回ってくるクレーマーの方々を見ているときっとそういう心理なのだろうな~とこの本を読んで改めて思えることが多々ある。
相手は絶対に自分に反抗しないので何を言ってもいいという心理は甘えの現われのひとつであろうし、もっというと甘える相手がいなかったので誰かに甘えていたいという心、外に対しては他人を顧みないという態度がある種のクレーマーの典型のように見える。
不完全な人間の悲しい面を見てしまうとともに、自分にも不完全な甘えの心があるのだということが露見されて自分自身が嫌になってくる。
“セルフ・メイド・マン”でいたいと願いながら誰かに依存しないと生きてゆけない自分はひょっとしたら分裂症というものではないのかと疑いたくなる・・・。
著者は精神科医だそうだ。
こんな人には嘘はつけないということだろうか。
この本は「甘え」という言葉をキーワードに、日本人の心理構造を解明しようとしている本である。出版当時はかなりの話題になり、ベストセラーとなったそうだ。
日本人は特に人間関係、特に集団と個人の関係において「甘え」の感情が強いと著者は分析する。「すねる」「ひがむ」「ひねくれる」「うらむ」などという」態度は甘えられない心理に関係し、「ふてくされる」「やけくそになる」というのはすねるという結果出てくる現象である。
そして「同一化」というものが最終的な感情の帰結として求められることになるというのだが、それが日本人の独特な民族性のようなものに影響しているというのだ。
外国の文化を偏見もなく取り入れることができたことや、中央集権的な組織体制に馴染んでしまうことができる。その典型が天皇制である。
これはある意味、良い面であるが、悪い面は“個人”という認識が非常に薄くなる。それは集団の内と外があまりにも区別される。内々では恥の心理や集団への帰属で結束が強くなるが外向きには他人を顧みなくなったり、逆に対人恐怖症という傾向が出てくる。
僕のところに回ってくるクレーマーの方々を見ているときっとそういう心理なのだろうな~とこの本を読んで改めて思えることが多々ある。
相手は絶対に自分に反抗しないので何を言ってもいいという心理は甘えの現われのひとつであろうし、もっというと甘える相手がいなかったので誰かに甘えていたいという心、外に対しては他人を顧みないという態度がある種のクレーマーの典型のように見える。
不完全な人間の悲しい面を見てしまうとともに、自分にも不完全な甘えの心があるのだということが露見されて自分自身が嫌になってくる。
“セルフ・メイド・マン”でいたいと願いながら誰かに依存しないと生きてゆけない自分はひょっとしたら分裂症というものではないのかと疑いたくなる・・・。
著者は精神科医だそうだ。
こんな人には嘘はつけないということだろうか。