デイビッド・ウォレス・ウェルズ/著 藤井 留美/訳 『地球に住めなくなる日: 「気候崩壊」の避けられない真実』読了
この本は図書館では自然科学の書架に並んでいたが、中身は社会科学のようなものだった。
地球温暖化という言葉が世間に知られ始めたのは31年前、国連で定められた「気候変動枠組条約」なのでその頃からだろうか。今年の夏も暑くて暑くて連日30度を軽く超えていたけれども、確かに、僕が小学生だったころには夏に気温が30度を超えると大ニュースという感じであったように思う。今では気温が30度を超えるのはあたり前になっているのを思うと確かに地球は、少なくとも日本は間違いなく温かくなっているのだと実感する。
加えて今年の夏は潮位が高かった。大潮近くなると水位はいつも港の護岸を越えていた。
ひょっとして北極海の氷が溶け始めているのではないかと思ってしまったりしたのである。
「気候変動枠組条約」で決定した「京都議定書」を受けた「パリ条約」では、『世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して、2℃より充分低く抑え、1.5℃に抑える努力を追求すること』と決められたが、温暖化の原因となる二酸化炭素は目に見えない。どこで誰がどれだけ出しているかということも定かではないように思える。排出量を証券化して取引をしようなどという試みもあるようだがそんなことができるのだろうかと思える。
また、二酸化炭素の排出量が地球温暖化の本当の原因かどうかわからないというトランプ前大統領のような人もいる。
この本には地球温暖化が進むと、飢餓、都市の水没、山火事、感染症の蔓延、経済崩壊などが起こると書かれている。アメリカで出版されたのは2019年らしいのでコロナウイルスやハワイの山火事という事件が起こる前だが、なんとなくそれを予言しているようなところもある。
しかし、世界の経済発展はエネルギーを消費することのみで支えられている。いくらIT技術が進歩しようとそれは貢献していないらしい。産業革命当時から変わったことといえばエネルギー源が石炭から石油に変わっただけなのである。
右肩上がりの経済発展を望もうと思えば現時点ではひたすら石油を燃やすことしかない。
夢の核融合エネルギーも現状では35億ドルを投入してやっとヤカン数杯分の水を沸かす程度というのが現状だからやっぱり石油が頼りだ。ガンダムの世界のようにヘリウム3を木星から運んで核融合炉を稼働させるなどというのは夢のまた夢なのである。
グリーンエネルギーと呼ばれるものがあるが、多分これは現状維持かもしくは若干の経済後退を我慢しなければならないのだろうと僕は思っている。
それでは株価が上がらないので困る人がいっぱい出てくる。例えば、政治をやっている人たちも、「生活レベルが落ちるかもしれないけれども地球温暖化を食い止めて見せる。」と言って当選できる政治家はひとりもいないだろう。
投票する人がそう望まないだろうし、自分が生きている間はそんなにひどくはならないだろうと思っているのが大多数だろう。
僕もそのひとりだ。いくら長生きしてもあと20年だ。温暖化で地球に住めなくなる前に年金と貯金が無くなるほうが早いかもしれないのである。
だから、僕にとっての避けられない真実というのは、この本を読んでも僕の生活態度は変わることはないということなのである。
この本は図書館では自然科学の書架に並んでいたが、中身は社会科学のようなものだった。
地球温暖化という言葉が世間に知られ始めたのは31年前、国連で定められた「気候変動枠組条約」なのでその頃からだろうか。今年の夏も暑くて暑くて連日30度を軽く超えていたけれども、確かに、僕が小学生だったころには夏に気温が30度を超えると大ニュースという感じであったように思う。今では気温が30度を超えるのはあたり前になっているのを思うと確かに地球は、少なくとも日本は間違いなく温かくなっているのだと実感する。
加えて今年の夏は潮位が高かった。大潮近くなると水位はいつも港の護岸を越えていた。
ひょっとして北極海の氷が溶け始めているのではないかと思ってしまったりしたのである。
「気候変動枠組条約」で決定した「京都議定書」を受けた「パリ条約」では、『世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して、2℃より充分低く抑え、1.5℃に抑える努力を追求すること』と決められたが、温暖化の原因となる二酸化炭素は目に見えない。どこで誰がどれだけ出しているかということも定かではないように思える。排出量を証券化して取引をしようなどという試みもあるようだがそんなことができるのだろうかと思える。
また、二酸化炭素の排出量が地球温暖化の本当の原因かどうかわからないというトランプ前大統領のような人もいる。
この本には地球温暖化が進むと、飢餓、都市の水没、山火事、感染症の蔓延、経済崩壊などが起こると書かれている。アメリカで出版されたのは2019年らしいのでコロナウイルスやハワイの山火事という事件が起こる前だが、なんとなくそれを予言しているようなところもある。
しかし、世界の経済発展はエネルギーを消費することのみで支えられている。いくらIT技術が進歩しようとそれは貢献していないらしい。産業革命当時から変わったことといえばエネルギー源が石炭から石油に変わっただけなのである。
右肩上がりの経済発展を望もうと思えば現時点ではひたすら石油を燃やすことしかない。
夢の核融合エネルギーも現状では35億ドルを投入してやっとヤカン数杯分の水を沸かす程度というのが現状だからやっぱり石油が頼りだ。ガンダムの世界のようにヘリウム3を木星から運んで核融合炉を稼働させるなどというのは夢のまた夢なのである。
グリーンエネルギーと呼ばれるものがあるが、多分これは現状維持かもしくは若干の経済後退を我慢しなければならないのだろうと僕は思っている。
それでは株価が上がらないので困る人がいっぱい出てくる。例えば、政治をやっている人たちも、「生活レベルが落ちるかもしれないけれども地球温暖化を食い止めて見せる。」と言って当選できる政治家はひとりもいないだろう。
投票する人がそう望まないだろうし、自分が生きている間はそんなにひどくはならないだろうと思っているのが大多数だろう。
僕もそのひとりだ。いくら長生きしてもあと20年だ。温暖化で地球に住めなくなる前に年金と貯金が無くなるほうが早いかもしれないのである。
だから、僕にとっての避けられない真実というのは、この本を読んでも僕の生活態度は変わることはないということなのである。