ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

学びの時間

2023-08-05 22:20:00 | 日記

「今日の夕飯、何にするかな〜」

最近暑さのせいか、はたまた怠け心のせいか(多分こっち)、夕飯を作るのが億劫で仕方がない。

ところで先週、夕方までの予定で出かける用事があった。

その日はちょっとした集まりの会があって、帰ってから夕飯を作ると遅くなる為、前日にカレーを作り冷蔵庫に入れておいた。

帰ったら夕飯がほぼ出来ているというのは、精神的にとてもラクだ。

外出していて夕方になると、家族に食べさせる夕飯のことを考えて、帰る足は自然と小走りになる。

これが一人なら食事のことなど考えずにいられるのに、、と何度思ったことか。

さて集まりの会でご一緒したのは、80歳になる女性。

話をしたことはなかったが、物静かで知的な感じがする人だなぁと思っていた。

部屋に入る時にたまたま一緒になり、ちょうど空いている席が二つあったので「ここが空いてますよ。ご一緒しましょ」と声をかけて、並んで座った。

それから、その方と空いた時間に色々なお話をすることができた。

最初はあまりご自分から話そうとしなかったが、徐々にお話をしてくれるようになった。

聞けば今年、長年連れ添ったご主人が亡くなって独りになったとのことだった。

なんだか女性がとても悲しそうに見えたので、話題を変えて昔の話を聞いてみると、これまで長く小学校の教員をしていらしたとか。

定年まで40年間、結婚後もお子さんを育てながら、そして家事をしながら勤めたそうだ。

「もう辞めてから20年も経つんですけどね」と言いながら、40年間勤め続けるのは、やはり大変だったという。

「田舎だったので保育所もなくて、子どもを見てくれるという近所の人にお願いして預けて働きました」

でも仕事を辞めようとは一度も思わなかったという。

「きっと仕事が好きだったんでしょうね」と女性は微笑んだ。

勤務が終わると走って帰ったとおっしゃる言葉に、思わずわかるわかると深く同意しながらお話を聞いた。

休日にはご主人と一緒に登山をして楽しんでいたそうだが、ある日ご主人が体調を崩してからは、亡くなるまでずっと介護に明け暮れる日々だったそうだ。

「何年も介護に追われて、自分が楽しむことは何一つしてきませんでした。それに、そんな心の余裕も無かった」

ところが突然、介護が終わりを迎える。

ご主人が亡くなって何もする気になれず、ただ時間だけが過ぎて行く日を過ごしていた時に、目に入ったのが今回の会だったそうだ。

思い切って来てみて良かったとおっしゃっていた。

仕事が好きで、登山が好きで、きっと元々は活動的な方なのだと思う。

突然その方に「本は読んでる?」と聞かれて驚いた。

そういえば最初の自己紹介の時に、なんと言おうかと迷いつつ、「趣味は読書です」と言ったのを思い出した。

そのことを覚えてくれていたとは嬉しい。

「私も本が好きなのだけど、ここ何年も読書なんてしていなかったの。でもこの前、思い切って図書館へ行って、借りてきた本を読んだら、もう本当に楽しくてね。読書ってこんなに楽しいものだったのかと思ったわ」と教えてくれた。

自己紹介で趣味は読書なんて言ってしまったが、実は趣味が読書なんてつまらないかなーと思っていた。

じーっと家で本を読んでいるより、もっとアクティブな趣味を見つけた方が良いのではないか、、、なんて考えていたので「読書ってこんなに楽しかったのね」と言われて、目からウロコが落ちた気がした。

私は、いつも本が手元にないと寂しくて仕方がない。

だから趣味は読書、、、これでいいのだーと思った。

ところで目からウロコだったことがもう一つある。

帰り際に女性に言われた。

「帰ったら食事の支度があるんでしょう?家族がいると、毎日大変よね。でも時々思うの。家族にご飯を作りたいなあって」

これは、けっこうガツンときた。

いつか自分も一人になって、女性と同じことを思うかもしれない。というか、きっとそう思う。

だから今、こうして食事の献立に悩みながらも、食べてくれる家族のために料理ができることは幸せなことだったと、あらためて気づかされた。

そして食事の支度が面倒だなぁと思った時は、女性の言葉を思い出そうと思った次第、、、

というわけで女性との雑談から、目からウロコがぽろぽろ落ちる有意義な時間を過ごして来ることができた。(もちろん会も有意義でしたが)

まだまだ学ぶことはたくさんあると思った出来事だった。

 


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