いつも微笑んでいるような優しい雰囲気のある七十代前半の女性。
同じ趣味の会にいて、一度お話してみたいなあと思っていたら、なんとわざわざ私の席まで来てくれた。
テレパシー!?
なんてことはないか。たまたま私の席の横を通りかかって話しかけてくれたようだ。
思った通りの優しい雰囲気は、そのままお人柄に表れているような方で「この趣味の会以外にもボランティアをやっていて、そちらの活動も忙しいの」と優しく教えてくれた。
聞けばもう四十年以上もの間、ボランティア活動をしていて、今は新しく入ってきたボランティアの指導などもやっているそうだ。(彼女のやっているボランティアは、少々技術がいる、、、)
ボランティアというと、時間のある時に無償で労働を提供するものと思うが、彼女の場合は毎日のように出勤し、時には泊まりがけの出張もあるそうで、とても片手間にできるようなボランティアではない。
自分の時間を使って、長い間無償でボランティアを続けているとはすごいと感心すると、彼女はにっこり笑って「私は今まで一度も外で働いたことがないからできるのよ」とおっしゃった。
これまで一度も外で働いたことはなく、無償のボランティアを続けているなんて、きっと恵まれた経済環境にいらっしゃるのだろうと思うが、それでも四十年以上ボランティアを続けているのがすごい。
お金をもらうために働く仕事と同様に、いや無償だからそれ以上かもしれないが、とにかく長く続けるのは並大抵のことではなかっただろう。
さらに彼女の言葉に感動してしまった。
「ボランティアしてやってると思うとダメなのね。相手の立場になってやらないと良い仕事ができない。だから私は後輩に言ってるの。ボランティアさせて頂いてると思いなさいって」
趣味の会を通して、最近多くなったシニア世代の方との交流だが、自分も還暦を過ぎて立派なシニアなのだけど、こちらは同級生とは違った楽しさや学びがある。
ところで会は女性が多いが、数名の男性たちもいる。
年代は女性同様さまざまで、60代から80代までと幅広い。
席が近いのでよくお話しさせて頂くのが、同世代の60代の方で、定年を迎えて何かやろうと思い、いろいろなことに挑戦中なのだとか。
特に今、面白いのが料理だそうで、男性だけの料理教室に通っていると教えてくれた。
作るのはちょっとオシャレな家庭料理が多いそうで、これには奥様も大喜びして、すっかり家庭円満になったそうだ(笑)
人生の折り返し地点をとうに過ぎ、長い人生を送ってきた方々のお話は楽しく、そして勉強になる。
お互いにしがらみや利害関係、上下関係がないので、たくさんおしゃべりして、たくさん笑って、元気になって帰って来ることができるのがいい。
悲しくなったり怒ったり、ストレスの多くの原因が人間関係だと言われているが、楽しくなったり元気をもらったりするのもまた人間同士の交流な訳で、もちろん無理に求めなくていいが、できれば自分の興味ある場所や会に積極的に出て行った方がいいのだなと思う。
というわけで、また次回を楽しみにしながら頑張ろうと思う。。。