東日本大震災で大きな被害を受けた東北のある県での話。
あるトンネルの前で土木工事をしていた作業員がふとトンネルの方を見ると、トンネルの中で誘導員の恰好をした高齢男性が「こっちへ来てはだめだ、向こうへ行け」というように手で合図をしているのを目撃したそうだ。
その姿にぞっとするものを感じた作業員は飛んで引き返したそうだ。
作業場に戻ってから、その話を仲間たちにすると「その人は死んでいる人だ。東日本大震災の時にトンネルで誘導していた人だ」と教えてくれたそうだ。
その高齢男性は津波に飲み込まれて、今も遺体が見つかっていないのだそうだ。
そして、何人もの人が同じようにトンネルの中から「来てはだめだ、向こうへ行け」と誘導する男性の霊を見ているそうだ。
この話を聞いた時、本当に痛ましくて涙が出そうになった。
自分が死んだことを知らず、今でも誘導の仕事をされているのかと・・・
ところで、昔から「見えない世界」などとは無縁で生きてきた夫が先日の朝、神妙な顔で語り始めた。
「昨夜、そろそろ寝ようかと思って準備をしていたら耳元近くで大きな声がしたんだよね。あれは何だったのだろう?空耳にしてはあまりにはっきりと聞こえたから、身体がビクッとするほど驚いたよ。寒気がしたね」
夫によると、突然「あっ!」と言う短い悲鳴が大声で左耳のすぐ近くで聞こえたのだとか。
「あんなことは初めてだ」と夫は言った。
その日は長女チェリーが職場の一泊旅行で家におらず、私もお姑さんも先に寝て、夫は一人で夜遅くまで起きていたのだった。
「それは男だった?女だった?」と聞くと、夫は「たぶん女の声だった」と言った。
その話を聞いて、私は思い当たることがあった。
夫が声を聞いたという場所からチェリーの部屋は、扉を開けていれば、まっすぐに見通すことができる。
その日の夜、私も寝る直前だったので夫が謎の声を聞く2~3時間ほど前だったが、夫が声を聞いたという場所からチェリーの部屋を何気なく見ていた。
チェリーがいない部屋は灯りもつけてなく薄暗かったが、見た時に一瞬ぞっとするような寒気を感じた。
特に何かの姿が見えたわけではなかったが、暗闇の中、確かに何かがいるような気がした。
そして、めずらしく「怖い」と思った。
男性か女性かと言われれば、それは女性だった。
チェリーのベッドの横に立ち、様子を窺うようにこちらをじっと見ていた。
「気のせいだ、気のせい」
そう自分に言い聞かせ、それにしてはぞっとする寒気を感じながら自分の寝室へ向かったのだったが・・・たぶんアレだ。
チェリーの部屋とその真下にあるお姑さんの部屋は東北に面しており、窓の方からよく何かが入ってくると思う。
お姑さんの部屋には大きくて立派な仏壇があるのだが、お仏壇にはいつも食べ物が山盛りに供えられ、それらが賞味期限まじかまで長くそのままになっている。
お姑さんの長年の習慣なので今更それを変えることもできずそのままにしているのだが、仏壇に食べ物を長くお供えしていることで、来てほしくないモノたちを呼んでしまうのではないかと思う。
理由はそれだけではないのかもしれないし、じっさい私にはよくわからないが・・・
とは言え、見えない世界とはまったく無縁の夫が声を聞いたとすれば床供養をするしかない。
以前もやったのだが、これは長く続けた方がよいのかもしれないと思った。
このようなことからも、この世とあの世は重なっているのではないのかと思うほど、近くにあるのだなぁとつくづく思う。
そして、まだまだ供養をしなければならない霊の方々がたくさんいらっしゃる。
だから、私が生きている限りは供養を続けて行こうと思っている。
トンネルで誘導をしていらっしゃる男性も早く成仏されて行かれることを願っております。合掌
あるトンネルの前で土木工事をしていた作業員がふとトンネルの方を見ると、トンネルの中で誘導員の恰好をした高齢男性が「こっちへ来てはだめだ、向こうへ行け」というように手で合図をしているのを目撃したそうだ。
その姿にぞっとするものを感じた作業員は飛んで引き返したそうだ。
作業場に戻ってから、その話を仲間たちにすると「その人は死んでいる人だ。東日本大震災の時にトンネルで誘導していた人だ」と教えてくれたそうだ。
その高齢男性は津波に飲み込まれて、今も遺体が見つかっていないのだそうだ。
そして、何人もの人が同じようにトンネルの中から「来てはだめだ、向こうへ行け」と誘導する男性の霊を見ているそうだ。
この話を聞いた時、本当に痛ましくて涙が出そうになった。
自分が死んだことを知らず、今でも誘導の仕事をされているのかと・・・
ところで、昔から「見えない世界」などとは無縁で生きてきた夫が先日の朝、神妙な顔で語り始めた。
「昨夜、そろそろ寝ようかと思って準備をしていたら耳元近くで大きな声がしたんだよね。あれは何だったのだろう?空耳にしてはあまりにはっきりと聞こえたから、身体がビクッとするほど驚いたよ。寒気がしたね」
夫によると、突然「あっ!」と言う短い悲鳴が大声で左耳のすぐ近くで聞こえたのだとか。
「あんなことは初めてだ」と夫は言った。
その日は長女チェリーが職場の一泊旅行で家におらず、私もお姑さんも先に寝て、夫は一人で夜遅くまで起きていたのだった。
「それは男だった?女だった?」と聞くと、夫は「たぶん女の声だった」と言った。
その話を聞いて、私は思い当たることがあった。
夫が声を聞いたという場所からチェリーの部屋は、扉を開けていれば、まっすぐに見通すことができる。
その日の夜、私も寝る直前だったので夫が謎の声を聞く2~3時間ほど前だったが、夫が声を聞いたという場所からチェリーの部屋を何気なく見ていた。
チェリーがいない部屋は灯りもつけてなく薄暗かったが、見た時に一瞬ぞっとするような寒気を感じた。
特に何かの姿が見えたわけではなかったが、暗闇の中、確かに何かがいるような気がした。
そして、めずらしく「怖い」と思った。
男性か女性かと言われれば、それは女性だった。
チェリーのベッドの横に立ち、様子を窺うようにこちらをじっと見ていた。
「気のせいだ、気のせい」
そう自分に言い聞かせ、それにしてはぞっとする寒気を感じながら自分の寝室へ向かったのだったが・・・たぶんアレだ。
チェリーの部屋とその真下にあるお姑さんの部屋は東北に面しており、窓の方からよく何かが入ってくると思う。
お姑さんの部屋には大きくて立派な仏壇があるのだが、お仏壇にはいつも食べ物が山盛りに供えられ、それらが賞味期限まじかまで長くそのままになっている。
お姑さんの長年の習慣なので今更それを変えることもできずそのままにしているのだが、仏壇に食べ物を長くお供えしていることで、来てほしくないモノたちを呼んでしまうのではないかと思う。
理由はそれだけではないのかもしれないし、じっさい私にはよくわからないが・・・
とは言え、見えない世界とはまったく無縁の夫が声を聞いたとすれば床供養をするしかない。
以前もやったのだが、これは長く続けた方がよいのかもしれないと思った。
このようなことからも、この世とあの世は重なっているのではないのかと思うほど、近くにあるのだなぁとつくづく思う。
そして、まだまだ供養をしなければならない霊の方々がたくさんいらっしゃる。
だから、私が生きている限りは供養を続けて行こうと思っている。
トンネルで誘導をしていらっしゃる男性も早く成仏されて行かれることを願っております。合掌