高齢者住宅にいる父の顔を見に行ってきた。
雪が降って、ずっと道路状況が悪かったので、久しぶりの訪問。
さてさて、今日の父は元気だろうか?
それとも、ぐったりとして元気がないかな?
父の認知症「レビー小体型認知症」は日によって波があり、調子の良い日と悪い日がはっきりと分かれる。
調子が良い日の父は大きな声でよくしゃべり、まるで1~2年前の元気だった父に戻ったかのようになるが、調子の悪い時は言葉を発することなく、首を下げたまま、返事はかろうじてうなづく程度で息も絶え絶えといった感じになる。
この落差の激しさに最初は驚いたが、最近はこれが病気なのだと理解しているので、調子が悪いときであっても、あまり心配はしていない。
というわけで、今日はラッキーなことに、父の調子の良い時に当たったらしかった。
父に会いに来たことを職員さんに告げると、背筋をぴんと伸ばした父がヘルパーさんの押してくれる車椅子に乗って現われた。
目にも力があり「おぉ」と片手をあげて父が笑った。
職員さんによると、最近の父はますます体力がついてきて、一時はまったく歩けなかったのだが、最近は歩けるまでに回復したそうだ。
と言っても、まだひとりで歩くにはヨロヨロと転びそうになることもある為、いつもは職員さんが付き添ってくださるのだが、なんと夜中に父はこっそりとひとりで住宅内にある自動販売機まで歩いて飲み物を買っていたそうだ。
父の部屋から自販機まで約80メートルくらいあるだろうか。
そんな距離を歩行器も使わず、職員さんの付き添いもなく、ひとりで歩いていったとは!
これは数ヶ月前までは考えられなかったことだ。
歩行器を使っても足が身体を支えることができなくなっていて、数歩先でしかないトイレにも自力で行けなかったし、トイレに座るのも支えられてやっとと言う状態だった。
もうトイレに自分で行くのは無理か・・・と思ったほどだった。
それなのに自販機まで自力で歩いていったなんて本当に驚いた!
父は現在85歳。
そんな高齢になっても、身体の機能は回復するものなんだ。
一旦、高齢者が寝たきり状態になると、もう歩くことは難しくなるのではないかと思っていたが、訓練によっては再び歩くこともできるようになるのだ。
ところで父の部屋で、父と一時間くらいおしゃべりをしてから、また父をデイサービスに送っていこうとしたら、父は「いや、もう行かない。ここで寝ている」と強く言った。
「もどらないとだめだよ。時間まではデイに居なければ・・・職員さんも戻ってきてくださいって言ってたでしょう」
そう父を説得したが、「行かない」と強く言い張った。
父としてはデイに行かず、このまま部屋で寝ていたいと思ったのだろう。
しかし可哀想だが、デイに連れて行かなければいけない。
今まで部屋で一日中寝ていたことで、身体の機能が衰え、認知症も進んだのだから・・・
半ば強制的にデイサービスに戻るために、父の車椅子を押しながら歩いていたら、父が「いろんな人と一緒にいるのが疲れるんだよなぁ」と言った。
たしかに、他人とかかわることは楽しいこともあるが、疲れるというのも分かる。
ずっと一人暮らしをしてきた父にとって他人の中にいることは、たとえ何も話さなくてもストレスになっているのだろうと思う。
しかし毎日、適度なストレスをかけ続けて、父がここまで回復をしたことを思うと、ストレスは悪いだけの物ではないのかもしれない。
一人で静かに心ゆくまで寝ているほうが楽に決まっているが、多少のストレスってのは人間には必要なことなのだろう。
やりたくないけど、やらなければいけないことって、生きていればたくさんあるものですね。
でも「負けるものか~」と思って、やるんですよ。
負けるものかと思う相手は、もちろん自分なんですけどね・・・
これは、自分自身にたいして、最近よく思っていることですが。
雪が降って、ずっと道路状況が悪かったので、久しぶりの訪問。
さてさて、今日の父は元気だろうか?
それとも、ぐったりとして元気がないかな?
父の認知症「レビー小体型認知症」は日によって波があり、調子の良い日と悪い日がはっきりと分かれる。
調子が良い日の父は大きな声でよくしゃべり、まるで1~2年前の元気だった父に戻ったかのようになるが、調子の悪い時は言葉を発することなく、首を下げたまま、返事はかろうじてうなづく程度で息も絶え絶えといった感じになる。
この落差の激しさに最初は驚いたが、最近はこれが病気なのだと理解しているので、調子が悪いときであっても、あまり心配はしていない。
というわけで、今日はラッキーなことに、父の調子の良い時に当たったらしかった。
父に会いに来たことを職員さんに告げると、背筋をぴんと伸ばした父がヘルパーさんの押してくれる車椅子に乗って現われた。
目にも力があり「おぉ」と片手をあげて父が笑った。
職員さんによると、最近の父はますます体力がついてきて、一時はまったく歩けなかったのだが、最近は歩けるまでに回復したそうだ。
と言っても、まだひとりで歩くにはヨロヨロと転びそうになることもある為、いつもは職員さんが付き添ってくださるのだが、なんと夜中に父はこっそりとひとりで住宅内にある自動販売機まで歩いて飲み物を買っていたそうだ。
父の部屋から自販機まで約80メートルくらいあるだろうか。
そんな距離を歩行器も使わず、職員さんの付き添いもなく、ひとりで歩いていったとは!
これは数ヶ月前までは考えられなかったことだ。
歩行器を使っても足が身体を支えることができなくなっていて、数歩先でしかないトイレにも自力で行けなかったし、トイレに座るのも支えられてやっとと言う状態だった。
もうトイレに自分で行くのは無理か・・・と思ったほどだった。
それなのに自販機まで自力で歩いていったなんて本当に驚いた!
父は現在85歳。
そんな高齢になっても、身体の機能は回復するものなんだ。
一旦、高齢者が寝たきり状態になると、もう歩くことは難しくなるのではないかと思っていたが、訓練によっては再び歩くこともできるようになるのだ。
ところで父の部屋で、父と一時間くらいおしゃべりをしてから、また父をデイサービスに送っていこうとしたら、父は「いや、もう行かない。ここで寝ている」と強く言った。
「もどらないとだめだよ。時間まではデイに居なければ・・・職員さんも戻ってきてくださいって言ってたでしょう」
そう父を説得したが、「行かない」と強く言い張った。
父としてはデイに行かず、このまま部屋で寝ていたいと思ったのだろう。
しかし可哀想だが、デイに連れて行かなければいけない。
今まで部屋で一日中寝ていたことで、身体の機能が衰え、認知症も進んだのだから・・・
半ば強制的にデイサービスに戻るために、父の車椅子を押しながら歩いていたら、父が「いろんな人と一緒にいるのが疲れるんだよなぁ」と言った。
たしかに、他人とかかわることは楽しいこともあるが、疲れるというのも分かる。
ずっと一人暮らしをしてきた父にとって他人の中にいることは、たとえ何も話さなくてもストレスになっているのだろうと思う。
しかし毎日、適度なストレスをかけ続けて、父がここまで回復をしたことを思うと、ストレスは悪いだけの物ではないのかもしれない。
一人で静かに心ゆくまで寝ているほうが楽に決まっているが、多少のストレスってのは人間には必要なことなのだろう。
やりたくないけど、やらなければいけないことって、生きていればたくさんあるものですね。
でも「負けるものか~」と思って、やるんですよ。
負けるものかと思う相手は、もちろん自分なんですけどね・・・
これは、自分自身にたいして、最近よく思っていることですが。