箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

「あなたのため」には重荷になる

2017年05月08日 16時02分37秒 | 教育・子育てあれこれ


子どもが友だち関係でうまくいかず、悩んでいるとき、親は気になるものです。

そこで、親は学校に相談しようとします。

この場合、とくに中学生については、親は子どもに了承を得ておかなければなりません。

「なんで先生に言うたんよ!」とならないように配慮しなければなりません。

では具体的に・・・

M:「お母さんは、このことを学校の先生に話したほうがいいと思う」
「クラスの友だちのことだから、担任の先生に相談しようと思うんだけどいいかな?」

D:「学校で騒ぎになるし、おおげさにしんといて。だから、相談せんといて」

M:「じゃあ、どうしよう?」

D:「もうちょっと、がんばってみる」

M:「そう。そう思うなら、もうちょっとがんばってみなさい」

数日後・・・

M:「やっぱり、辛いのとちがうの?」
「あなた一人でかんばるより、先生にも言って、力を借りたらどうなの」
「そう、お母さんは思うよ」

D:「・・・・・」

M:「わが子が悩んでいるという問題は、 親の問題でもあるから、親の責任として、学校ヘ行って、先生に相談してくるね」

さて、この会話のポイントは、太字の部分です。
「あなたのため」と言わないのがいいのです。

「あなたのためだから・・・」で子どもは納得することもありますが、「あなたのためだから・・・」と言うと子どもが重荷に感じることが多々あります。そこで、あくまで親の責任を強調します。

この点が、思春期の子どもへの配慮の繊細さです。

そして、「お母さんは、いつもあなたを守るからね」を付け加えます。


親の責任として行動は起こす。
何かのときには、あなたの力になる。

このようにして、子どもを支えてくださればありがたく思います。