箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

レッテル張りではない

2017年11月06日 13時25分31秒 | 教育・子育てあれこれ


「君は、本当は いい子なんだよ」

(「窓ぎわのトットちゃん」より)

黒柳徹子さんは、子どもの頃、「学習障害」だったらしく、読書と計算に、困難を感じていたと、『小さいときから考えていたこと』(新潮社)のなかで、述べておられます。


そんな黒柳さんが、学校で校長先生から言われたのが、冒頭の言葉だったそうです。

もし、この言葉がなければ、「ちゃんとできない子」、「悪い子」として大きくなり、いまの黒柳さんはなかったかもしれません。

発達障害を、その子の「個性」として受けとめるまわりの理解が求められます。

「発達障害」という名称は、「そうだったのか。だからあの子はこれができないんだ」と納得するためにあるのではない。

その子に「レッテル」を貼るために、この障害が社会でクローズアップされたのではないのです。

①うまく生活できない→発達障害だったのか→じゃ仕方ない→かかわらない

②うまく生活できない→発達障害だったのか→では、このような点を工夫できる→かかわる

その子の「特性」として、受けとめ、理解して支援するためです。

ところが、いま、おとなの発達障害が話題になり、①のような人間関係に陥っている危惧があります。

学校では、②の視点で、その子をサポートします。

悪い子と言われていた黒柳さんは、冒頭の言葉で、わたしを認めくれていると感じたのかもしれません。

黒柳さんは、タレント業だけでなく、若いころから点字とか手話を勉強しました。

彼女は、平和活動やユニセフの活動にもかかわっています。

発達障害の受けとめについて、考えさせられます。