箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

心から謝る

2017年11月24日 14時36分48秒 | 教育・子育てあれこれ




今日は、久しぶりの全校朝礼でした。

最初に表彰伝達でした。

箕面市青少年弁論大会
箕面市イングリッシュイクスプレッションコンテスト
ありがとう作文集の表紙絵
防火作品習字の部、図画の部
水泳部
男子バレーボール部
男子バスケットボール部
について、表彰伝達をしました。

次に校長からの講話。

続いて、夏休み中に書いた平和作文を、各学年の代表生徒3名が、読みあげました。

平和に対する思いは、生徒それぞれ。なかには.平和や人権の学習をしても、スッキリしない生徒もいるかもしれません。

原爆や戦争の学習をして、平和の大切さを感じても、いまの世界の状況をみると、紛争が起こっていたりして、なんかしっくりこない。

私は、このモヤモヤ感が大切だと考えます。だから、もっと学習をしてみようという卒業後の学習につながるからです。

中学3年間の学習は、あくまできっかけです。次の学習のためのきっかけです。
卒業後も、平和や人権について、考える人になってください。

以上のコメントを、3人が作文を読んだあと、私から伝えました。

その後は、生徒会メンバーが、11月16日の箕面市立中学校生活会交流会での報告をしてくれました。

三中からは、後期生徒会役員が参加して、生徒の意見を投書する「目安箱」の増設、いじめZEROの取り組みを紹介してきたという報告をしました。

また、3人のALTから12月に行うEnglish CircleのPRを行いました。

これは、英語を使い、英語圏の文化に親しむ活動で、放課後にイングリッシュコミニュケーション教室で行うサークル活動です。

生徒は発意で自由参加します。



最後に、朝礼での校長講話を紹介しておきます。


朝礼講話<H29(2017).11.24>

「心から謝る」


「アメリカでは、謝ったらダメだ!」

みなさん、アメリカ合衆国は、訴訟社会と言われます。

一言でも、「すまなかった」と言えば、自分の非を認めることになる。裁判では証拠にされてしまう。だから、たとえば、交通事故を起こしても、謝ったらダメだ。

日本では、アメリカはそのような国だと言われますし、一般的に信じられています。
しかし、それは一面的な見方です。

あるとき、マサチューセッツ州で、自転車に乗った16歳の少女が、車にはねられて亡くなりました。

少女の父親は、「一言でもいいから謝ってほしい」と運転手に頼みました。
Just one word is fine, so would you give me “I’m sorry.” ?

しかし、運転手は頑として謝りませんでした。
そこで、父親は、「わが国では、わびる言葉さえ言うことができないのか」と、議会に「アイム・ソーリー法案」を提案しました。

この法律案は、長い審議の末、10年ほどかかり、成立しました。

そして
「過ちを犯した者が謝罪しても、その言葉は法廷で証拠として採用しない」と認められました。
もちろん、単純な謝罪の言葉「I’m  sorry.」だけです。

もし、「ケータイを触っていて前を見ていなかった、申し訳ない」と言えば、それは証拠として採用されます。

このアイム・ソーリー法案」は、人々から歓迎され、その後、全米に広がり、いまでは、40ほどの州で採用されています。

これで救われたのは、医療関係者でした。医療ミスで患者が亡くなるという事故のとき、医師はこれで謝ることができるようになったのです。

この州では、その後、医療ミスによる訴訟が激減しました。

つまり、医療関係者は謝りたかったのです。遺族は一言でいいから謝って欲しかったのです。

そこで、私は三中生のみなさんに伝えたい。

学校生活を送っていると、いろいろなことがあります。

自分が迷惑をかけたな、友だちを傷つけたなと思ったら、「すみませんでした」と謝るべきなのです。

一言でもいい。
心をこめて、私が悪かった。すみませんでしたという気持ちは、かならず相手に通じると思うのです。

マザー・テレサは言いました。

「誰かを傷つけたとわかったら、まず先に謝る人になりましょう。
私たちには、許しあうことが必要だとわからなければ、人を許すことはできません。」


私からの話は、以上です。