
横井正一さんは、第二次世界大戦が終わってからも、終戦を知らず、ずっとグァム島のジャングルの中で一人で生活していて、発見されました。
たしか、私の中学生の頃の出来事だったと覚えていますが、彼は25年以上一人で生活していました。
このケースはたいへんまれなことで、ふつう人は生まれて死ぬまでに、どれだけ多くの人と出会い、巡り会い、また別れていくことでしょう。
仕事でいうと、私の場合は教職ですので、30年以上の間に、じつにたくさんの生徒たち、保護者の方、地域の人々、教育関係者に出会ってきました。
仕事以外にも、人はたくさんの人と出会います。
みなさんも同様に、たくさんの人と出会います。
その出会いの中でも、尊敬して、「この人と共に歩みたい」と思える人との出会いは、人生の転換点と言えるかもしれません。
私は思いますが、人は自分のために働くよりは、人のために働く方が、自分の力を発揮できるのではないか。
この人のために力をつくしたいと思えるなら、それは結果的に自分の力を強くできるのです。
私なら、たとえばこの生徒をなんとかしたいと思ったから、生徒指導の技術や生徒の気持ちを察する力が身につきました。
みなさんも自身に当てはめてください。他者のために働くことで、みなさん自身が身につけ、得意になったものがあるはずです。