箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

相手の自由を認める

2018年12月27日 11時28分13秒 | 教育・子育てあれこれ



私たちは、対人関係で、相手の言葉に反応するのが普通です。

もし、相手がネガティブな言葉を言っているなら、それに反応することは、おそらくポジティブな会話にはならないものです

それが親子関係なら、お互いの言いあいになり、「またケンカになってしまった」とあとで後悔することになります。

相手に対して、「私のいうことをわかってほしい」と思って話すから、相手に要求するような言い方になります。

相手の言葉に反応して、かりに相手を言いくるめる、あるいは押さえ込んで勝ったとしても、相手の納得がないので、恨らまれたりして仲良しの関係にはなれることは、まずないでしょう。

おそらく、会話をしながら、いったん感情的になってしまうと、引くにも引けない状態になるのが、ネガティブな感情の一番の問題なのです。

このことは、冷静に考えればわかるのですが、それでも人と人が、また親と子がよく言い争いになります。

そこで、私は考えるのですが、お互いがしっくりと親密な関係になるには、おたがいが満足しなければならないということです。

では、お互いが満足するにはどうすればいいのでしょうか。

それは、まず相手に自分の主張をきかせるという見返りを求めないことです。

そして、相手の「自由を認めること」でないかと思います。

「あの子の自由なんか認めたら、やりたい放題にするわ」

このように思われるかもしれません。

しかし、中学生は大人です。

相手を自分の言う通りにしたがわせたいという言い方は相手に見返りを求めます。相手がきめる自由を許さないことになります。

自由を許すと、相手はこちらが欲していることを断ることもあるでしょう。

でも、その断りを許すことも、相手の自由を保っていることになるのでないでしょうか。

お互いを認め合うコミュニケーションは、ここに生まれるのでないかと考えます。

結果的に、会話はポジティブな関係になるのだと思います。


「遊んでばかりいてはダメよ。今日は出かけたらダメ!」

それよりも、「遊んでばかりいたら心配よ。今日は家にいてくれないかなと思うんだけど」

それでも、子どもに遊びにいく自由を許すことです。

子どもの方も、自由を認めてくれたことを知って、「わかった。早く帰るから」。

自由を認めてもらった子どもは、満足して帰る時間を気にします。

親には、早く帰ってきた子どもに対して、満足感が生まれます。

ポジティブな会話とは、こういうふうに、しっくりとした、親密な人間関係をつくりだします。

今年もあとわずかになりました。

来年もどうか親密な親子関係を保っていかれることを願っています。