箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

「私の」学校では・・・

2018年12月05日 12時30分59秒 | 教育・子育てあれこれ





日本航空は、経営不振に陥っていましたが、稲盛和夫さんが、2010年に会長に就任して、高収益企業に生まれかわせることに成功しました。

赤字続きだった日本航空を3年足らずで再上場させました。


その日本航空は、今回、パイロットの飲酒飛行の不祥事で揺れています。

飛行機を利用する側としては、不安になります。


民間だけでなく、官公庁でも不祥事が起きています。


組織は、民間であれ、行政であれ、経営を預かる側としては、不祥事が起きないようにするにはどうすべきかを考えます。

自治体や学校でも不祥事が起こるたびに、綱紀粛正・法令遵守が叫ばれますが、なかなか不祥事が防げません。


箕面三中も、そこには生徒がいる、保護者がいる、地域の人たちの願いがある。

できるだけ、その願いに応えていきたいと考え、教育を進めていっていますが、期待に添えていないこともあります。

その上で、教職員の不祥事などがあると、学校への信頼はなくなります。


私は、「組織愛」が不祥事予防の一つではないかと思います。

転勤してきて、その学校の職員になった人がよく
「ここの学校では・・・」とか、「前の学校では・・・」と言う人がいます。

私は、「三中では・・・」とか「私の学校では・・・」と言いなさいと思い、教職員に諭す場合があります。

「ここの学校では・・・」とか、「前の学校では・・・」と言っている限り、その人は、片脚を三中に入れ、もう、片脚を前の学校に残して、三中教育を説明します。

この発言を聞いた生徒や保護者はどう感じるでしょうか。

一方、「三中では・・・」とか「私の学校では・・・」という教員は、安心感を与えるのではないでしょうか。

三中の生徒や保護者にとって、ほかの学校は関係ないのです。

三中のことを自信を持って語れる教職員、三中を愛する教職員のもとで、生徒は三中が好きになります。それをみて、保護者からの安心感が高まります。


三中の教職員であることに、自信と矜恃をもつことで、自分の背中には「箕面三中」の看板を背負っているという自覚が生まれます。

三中に関係している全ての人をガッカリさせたくない。

その強い意志が、不祥事の予防につながる面があるのではないかと、私は考えます。