CubとSRと

ただの日記

久々のツーリング(日帰りだけど)考②

2020年01月08日 | バイク 車 ツーリング
 「今日は、やめ、やめ!」
 と言いながら、雨がやんだら 
 「行けるかな?」
 と希望の灯が点り、空の一角が明るくなると
 「今度は何時になるかわからない、そんなことなら、予定を短縮したって行っといた方が良いよな」
 、なんて理屈をつけて、じっとしていられなくなる。
 芭蕉翁ほどではなくとも、そぞろ神には憑かれてしまっているし、道祖神の招きは半端じゃない。だから、大概の場合は出てしまう。
 そして、大概は出てしまってから後悔している。
  
 結局一時間遅れの10時過ぎに出発する。

 「あ~、もっといい天気の日にすりゃ良かったなぁ~~~っ」
 覆水盆に返らず、後悔先に立たず。
 後悔しながら、前の車の渋滞にイライラしている。ちっとも「楽」じゃない。
 なのに、何だか楽しい。イライラしながら楽しい。
 波浪注意報が出ている。そのわりに風は強くない。

 ・・・・・で。
 想像以上に車が多い。
 しかし、信号があればそこで先頭に立てるのがバイクの強み。それもソロなら誰に気兼ねも要らない。
 自身が事故さえ起こさなけりゃ、横合いから出てくる車に気をつけ、先頭に立てばいい。
 まあ、問題は、田舎の一ケタ国道。信号がほとんどないため、先頭に立つチャンスは数えるほどしかないということだけです。運が悪い時は不思議なくらい、列の最後に追いついたら青信号になる。またもや大名行列のしんがり。

 出雲大社への道に入った。
 しばらくしたら迂回路の表示があった。連休中の故、混雑が予想されるかららしいが、迂回したら、潮風の直撃を受けた。
 強風波浪注意報が出ていたんだった。海岸端の迂回路だ。そして海風だ。二十数年前の錆びだらけのバイクでも、嫌なものはいやだ。

 やっと参拝道に近づいたと思ったら、はるか先まで車が渋滞ではなく停滞していた。
 想像をはるかに越える人出で、どうなるかと思ったがバイクの駐車場は確保されていた。けど、まさか、手水舎で行列をつくらなければならないとは思ってもみなかった。

 60年に一度の式年遷宮が来年で、(伊勢も来年。あちらは20年に一度の式年遷宮。)現在は数年前から、拝殿に遷座中。
 最近桧皮葺の本殿の屋根の葺き替えが終わり、千木、勝男木の修復、塗り直しも終わっている。でも鉄骨の覆屋に囲まれているので屋根の一部しか見えない。
 今は葺き替えの成った本殿の拝観ができるのかもしれないが、そんな気はない。「仰げば尊し出雲のおおやしろ」だ。足場を組んだ上を、檜皮の屋根を目の高さに見て回る、なんて畏れ多い。

 拝殿前でも十数人が常に参拝しているので、正面から参拝しようとすれば、これまた行列をつくらなければならない。
 端っこの方で参拝を済ませ、早々に退出した。

 宍道湖(しんじこ)を北岸から時計回りに走ったのは初めてだ。
 車が少なければ停まってみたい所が何箇所もあった。滅多に通らない一畑(いちばた)電鉄の車輌もたまには見てみたい。
 けど、やっと停まらず、良い景色の中を走ることができる。朝はちょっとグズったけれど、この辺りから水平対向エンジンが滑らかになり、振動が心地良くなって来た。
 気持ちの良い排気音と振動の中にいる方が、良い景色の中で停まるより、ずっといい。

 左側通行の日本の道路。それを時計回りの湖一周、というのは、失敗だった。
 言うまでもない、道路が湖から一車線分、離れるからだ。
 けど、これまでの反時計回りと違って、思わず停まりたくなる湖岸の景色は時計回りの方が多い。

 蕎麦を食べるつもりだった。
 けど、店の前には数名のグループが二、三、屯していた。ちょうど店の人が出てきたので聞こうとしたら、こっちは、40分くらい待ってもらうことになると思います、国道沿いの支店の方がマシじゃないかと思います、と言う。
 あきらめた。喫茶店もあきらめた。まあ、こっちは、朝のうちにコーヒーを淹れて持って来ていたから、大きな問題はない。

 帰宅時間は守れた。写真も撮れなかったし、渋滞ばかりでまともにゆっくりして、ということもなく、帰って来た。やっぱり、いつものことで、「楽」なことはなかった。
 「楽」をする、なんて考えもしてなかったけど。

 その代わり、やっぱり楽しかった。
 いつ、また降り出すかなあ、と思いながら走るのも。
 渋滞でイライラしながら待っていて、車が停まった時に、辺りを見回しながら緩々と反対車線を前進するのも。
 駐車した時に、目があったら必ず見ず知らずのバイク乗り同士が言葉を交わし始めるのも。

 風に当たり続けることで、自分がその景色の中に今、居る、と常に実感し続けている。エンジンから伝わって来る、バイクがずっと頑張り続けている、というその振動。
 この「味」は、車では重視されないのだろう。
 スポーツカーだって、ハンドリングは注目されても、
 「排気音や振動がスポーツ心を刺激する」
 なんて論評は読んだことがない。「感傷的に過ぎる」からなのかもしれない。
 車なら音楽だって聴けるし、強風に曝されることもないし、何より夏の暖房、冬の冷房、というバイクの宿命なんて全く関係ない。良い景色の中を快適な環境の「クルマ」という名の室内が移動していく。

 ただ、どんなに素敵な景色の中を走っていたって、強風の真っ只中に居て排気音を聞き、エンジンの振動に身を委ね、「その中に、自分がいる」と実感し続けることは、車にはできないんですよね。





2012.05/06
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久々のツーリング(日帰りだけど)考①

2020年01月08日 | バイク 車 ツーリング
 とにかく泊り掛けのツーリングは、ここ数年諦めていたのだけれど、日帰りならば出来ぬことではなかった。
 ただし、時間の制約がある。9時出発の3時半には帰宅、としなければならないから、あんまり遠くへは行けない。自動車道も使えない。だから範囲は限られる。
 というわけで、行ってない。 
 でも、「大概は行ったことがあるからなあ」、とか「時間の制約があるから」ということではなく、単に行く気にならなかった、行かなかったんだろうなと思う。
 長期間家を留守にしていて、久し振りに鍵を開けたら黴の臭いが始終鼻につき、何をする気も起こらないのと似ているかもしれない。

 代わりに、昨秋購入した車にはよく乗っている。半年が過ぎて、それなりに慣れては来た。
 とにかく車は楽でいい。準備の時間は考えなくていいし、荷物を思い付きで、ただ、放り込んで置けばいい。
 暑いか寒いかなんて考えて着る物に頓着することはないし、何より勤務時に着ていた服を引っ張り出して、虫に食われる間もなしに着回すというのは虫に対して「見たか!ざまあ見ろ、ってんだ」と言ってるみたいな気になって、ちょっとふんぞり返ってしまう。うん。やっぱり、持ってるものは使わなきゃ鈍らになるし、洋服は虫の餌になる。
 あれ?どこへ行くのだ??

 
 先日、車で出雲に行った。
 ETCの車載器をつけてもらって、コーヒーを買って帰って来た。
 「楽」だった。
 江津から江の川を遡って川本を回り、銀山経由で帰って来た。
 「楽」だった。
 でも、楽しい、と思ったことは、と言うと、今振り返っても特に思い出すようなことはない。

 みんなが繰り出すゴールデンウィーク。その賑わいの中に入ってみたいと思っていた。多くの人が、この日を前々から楽しみにしていて、家族であろうが仲間であろうが、何人かのグループで旅行に出掛ける。
 仕事中にはきっと見せないだろう生き生きとした目で、各地に繰り出す。

 或る人が、
 「景気は気のせい。気のせいだから、気にしない」
 って書かれていたけど、私もそう思う。
 「景気」というのは「気分」の「景色(雰囲気)」だ。

 みんなが明るい顔して、背筋をピンと伸ばして街を歩いていたとする。町全体が生き生きとして見える。ためらうことなく色々なことに取り組む人々の、きびきびとした動作がそこかしこに見え、心地よいリズムが辺りに溢れている。
 それが「好景気」だと思う。
 ゴールデンウィークは、この田舎だってツーリングのバイクで溢れ返るだろう。生き生きとした気分の中に居れば、こっちも気分が良かろう。

 そう思って30日に予定していたのだが、一日中雨、で3日に順延していた。
 「5月4日、みどりの日は大丈夫!」
 天気予報を見てそう思っていたのだが、段々に予報がおかしくなって、晴れる筈が「曇り」となり、「朝方まで雨」、となり、「9時頃まで雨」となり、当日、9時には霧雨が・・・・。

 「ああ~っ、もう!やめやめ!延期!」
 ・・・・と言いながら、未練たらしい性格なもので、北風の吹く中、海の方の空が少し明るくなって来たから大丈夫かな、出ようかな、なんて同時に思っている。
 道路も少し乾いて来たような。



                        (続く)



2012.05/06
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ツーリング考(春が来た)

2020年01月08日 | バイク 車 ツーリング
 先日書いた通り、冬眠していたバイクのバッテリーをつなぎました。
 でも、翌日は雨。
 そして今日(24日)は久方振りの晴天。

 エンジンをかけてみると、一昨日は気持ちのよい音だったのに、どうもおかしい。不規則だ。例によって右側の排気音がおかしい。センタースタンドを立てたままだと横揺れが目立つ。
 もしかして、と調べたら、やっぱり右のキャブレターからガソリンが噴き出しました。
 二度ほど受けては捨て、を繰り返すと、結露と錆でしょう、黄色に汚れたような水が沈んでいる。

 改めてエンジンを掛ける。排気音が滑らかになった。
 とは言え、完全ではない。
 でもまあ、慣らしとしてはこの辺から、と走り出し、やっぱりおかしいと進路を変更。田んぼの畦道に入ってしばらく走り、見るとまた噴き出している。
 また同じ作業。もうガソリンを洗剤代わりにして手を洗ったような状態で、手の脂がすっかりとれて漂白したみたいに白くなってしまった。
 男だもの、「白い手」、なんてホラー映画じゃあるまいし、何よりかさかさして気持ちまでささくれ立ったような気分。
 それでも今度は随分調子が良くなったから、これなら大丈夫、と走り出しました。

 で、気がついた。
 「あ、パニアケース、つけてくるの忘れた!」
 買い物になりません。
 でもまあ、それも良し、と補聴器の電池(私のじゃないですよ)だけ、買いに行くことにしました。
 車なら、億劫がらずにすぐさま引き返したかもしれません。

 ・・・・・・って、車にはパニアケースは要らないんですが。

 前を走る車が遅い!邪魔だ!でも、追い抜かない。
 速度計を見る。
 50から60あたりを指している。良い調子です。
 何より車と違ってハンドルを切らなくていい。僅かに体重を載せたら路面の凹凸なんかちっとも気にならないし、何よりなのはカーブを抜ける心地良さ!リーンさせてるから、外側に振られる不快感もない。

 補聴器の電池だけ買って、すぐ家に戻る。往復一時間足らず。
 帰る時にはエンジンの調子も良くなって、
 「やっぱり、ふらっと出るにはバイクだなあ」
 なんて思ってました。想像していたほど寒くもなかったし。
 エンジンさえ調子が良ければ、このまま一、二時間走っていたい。

 帰ったらすぐに着替えて、同じ目的地へ、車で出直し。
 今度はCDも聴けるし、寒けりゃ窓を閉めればいいし。

 同じく速度計は50そこそこ。
 ・・・のはずが60~70辺りをウロウロしている。

 久し振りにバイクに乗ったから、まだ、ハイになったままで、車の速度も上がってるんだろうか。
 その割りに、そんなに速度感あるような感じじゃないし・・・・・?
 50に落とすと、何だか妙にゆ~っくり走っているような気がする・・・・。

 「・・・・・・あ~~っ!バイクの速度計!」

 やっと気がつきました。
 バイクはマイル表示だったんだ!


 それはそれとして、バイクに乗ってると、春が来たのが分かります。
 うん、確かに。

 とにかく頭には春が来た。能天気な春が。それは、分かる。
 マイル表示を忘れてたくらいだから。



2012.02/27
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ツーリング考(今頃になって気がつくんだから)

2020年01月08日 | バイク 車 ツーリング
 日曜に雪が積もって、でも、月曜日、家の周辺の道路も乾き。
 何とかこれで春が来るかも、となって来ました。

 「春は名のみの風の寒さや~」、じゃないですね。
 二月も半ばを過ぎると、一気に春らしく、風も暖かくなって来る。
 
 この齢になって初めて買ったダッフルコート。
 「この冬はこれで着納めかな」
 と思い、昨日(月)、着て出たんですが、着納めどころか、汗をかきそうなくらい暑いので、慌てて脱ぎ、車の助手席へ。
 スーパーまで、ただの買い出しです。

 昨年10月から車に乗り始め、約四ヶ月。少し運転に慣れた感じですが、相変わらず、カーブでは後ろの車が迫って来る。

 後ろの車が迫って来るのは、こっちの速度が落ちているからか、それともあっちの車がわざと迫って来るからか。
 そりゃまあ、どっちでもあるでしょう。
 オモチャみたいな赤い車に乗っているから、よけいにそうなるのかな?

 けど、まあ、普通は前者、でしょうね。私の車の速度が落ちているに決まっている。

 どうして遅くなる?そりゃ怖いから。プラス、運転が下手だから、速度を落とさないと曲がれない。

 それで、みんな何であんな速さでカーブを曲がれるんだろうと不思議で仕方がなかったんですが、この一週間ほど前から答えらしいものが見えて来ました。

 バイクに乗ってて、ハンドル操作なんて考えたことがない。
 「ハンドルを操作するなんて邪道だ!」
 ・・・・・・そこまでは言いませんけどね。

 でも、進行方向に無理やり目を向けていたら、前傾姿勢だから自然に体重がハンドルにかかり、曲がってくれていた。
 けど車はそっちに目を向けてたって、前傾姿勢どころか、身体はシートベルトで固定されているようなもの。体重がハンドルにかかってハンドルが勝手に向きを変えて、などということはない。それなりにハンドル操作になれなきゃならない。

 で、四ヶ月近くたって、やっとハンドル操作に少し慣れてきた今、出てきた答え。

 「何故、カーブで後続車につけられ、或いは前の車に引き離されるのか」
 それはハンドル操作に慣れる云々、ではなく、
 「単に運転が下手なんだ、不器用なんだ」
 、ということでした。

 バイクに二十五年近く乗っていて、今までそのことに気がつかなかったということが、そもそも鈍過ぎる。

 でも、そんなこと言ってたってしょうがない。何とかしなけりゃならない。
 還暦まであと数年、と迫ったライダー(+初心者ドライバー)。
 他の車の迷惑にならないようにするとなると、一体何ができるのか、と考えてみました。

 こんな書き方したら、えらく謙虚な「ひとかどの修行者」みたいに見えるかも(ないない)知れませんが、本気ですよ。

 「他の車の迷惑にならないようにするにはどうしたら良いか」
 でも、相変わらず、のことも考えている。寧ろこっちの方が強い。
 「前に車が居ると苛々する。後ろに車をつけられるとうっとうしくて『ブレーキ、掛けてやろうか!』と思う」
 こちらはバイクに乗っている時と全く同じ感情です。
 「外面如菩薩内面如夜叉」・・・・、ちょっと違う?
 殊勝な気持ちと、視界を完璧に塞がれてしまう苛立ちと。

 車では、バイクのように直線で追い抜くこともできず、加速の良さで一気に引き離すこともできない。

 というわけで、「他の車の迷惑にならない方法」、考えつきました!!
 なに、簡単なことです。

 「道を譲る」。これが大正解。
 路線バスの停留所や、路肩を広く取ってあるところを見つけたら、早目にウィンカーを出して、そこに逃げ込む。
 そして、これが肝腎なんですが、掛けっ放しにしているCDをゆっくり聴く。

 前方にもバックミラーにも、全く車の影が見えなくなるまで、音楽を聴く。
 オーディオルーム、とまでは行かないけれど、四方を借景とした茶室だ、と思えば良い。

 そんなこと、誰だってやってる?
 いやいや、バイクに乗ってる時は、ちっとも停まりたくなかったのに、車だったら即座に停まれる。
 これは大きいですよ。


 さて、農協のスーパーで、
 「その格好だと、今日も車ですか」
 と言われました。
 「もうすぐ、ですよ~」
 と応えて、帰宅。

 年末に外して三ヶ月になるバッテリーをつなぎました。
 今日、水曜日は三ケ月ぶりにバイクに乗ります!

 う~~~っ、楽しみ!



・・・・・・・ところで。
 こんな風に前方がすっかり塞がれて、後ろからは詰められる。
 そうなった時、車ならこうやって退避して、音楽を聴く、なんて手がありますが、日常の生活では、どうします?

 読書をしますか?日記を書きますか?
 それとも、気晴らしに一杯、やりますか?

 痛み止めなら、一杯。
 気鬱な時には、読書。
 志が高ければ日記、でしょうか。

 もっともこんなぐだぐだ日記じゃ何にもならないけど。


2012.02/24
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