調子に乗って、ツーリングの話をする前から、脱線して割り子蕎麦のことを書き始め、またまた脱線して「割り子蕎麦」と「わんこそば」の名前の由来がどうのこうのと。
最後になって「皿そば(出石蕎麦)」のことをやっと思い出して。
でも、出石蕎麦のことは以前に書いてますからね。
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昔々、職場の旅行で出石(いずし)に行ったことがあります。出石は兵庫県の日本海側にある山間の町です。
そこで初めて「皿そば」というものを食べました。
ほんの二口ずつを五つの皿に盛り分けてあって、とろろ芋をすりおろしたのと生卵とを混ぜ込んだ(自分で混ぜる)出し汁につけて食べるのですが、びっくりするくらい美味かったのを覚えています。
ところが前の晩の痛飲のせいで、帰りがけに寄った出石名物「皿そば」は、気持ちが悪くって一皿か二皿しか食べられなかった。
もう、美味しいやら、二日酔いで気持ち悪いやら、食べられなくって口惜しいやら、で、
「これは絶対に、いずれ思いっきり食ってやる!」
と、誓いをたてて、出石を後にしました。
食通ではないけれど「食い物の恨み」、です。呑み過ぎて二日酔いになった自分が悪いんだから八つ当たりもできない。ただのいやしんぼ、食い意地が張ってるだけの話なんですが。
(略)
大体、蕎麦切りを盛った「ざるそば」なんてのは、十口以内で啜り終わるものなんだそうですが、試してみたら、八口か十口ですね、やっぱり。
そうすると、五皿。なかなか、でしょう?
でも気になるんですよ。何で五皿なんだ?
というわけで、色々調べてみました。けど、分からない。
ただ、どうも出石の殿様というのが、信州から移封されたらしいということと、その殿様が無類の蕎麦好きで、蕎麦打ち職人も連れて来たらしいということだけは分かりました。
だから、とろろ芋や卵はともかく、五皿に盛り分けるのはあっちから持って来た習慣なのではないか。
「五皿に盛り分ける(前)」 2011.9/12
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出雲そばは松平直政が信州松本からの国替え時に蕎麦職人を連れて来たのが始まり。
兵庫県(但馬国)の出石(いずし)蕎麦は仙石氏が同じ信州上田からの国替え時、同じく蕎麦職人を連れて来た。
出雲そばは松平不昧の流行らせた蕎麦が、三段重ねの風流な「割り子蕎麦」となった。
出石蕎麦は何故か五枚の小皿に分けて供される。風流からでもないし、客への御馳走、といったわけでもない。
ただ、上田より北部の信州一帯では、戸隠の蕎麦が最高とされ、そこでは「ぼっち盛り」(法師盛り)と呼ばれる「一つのざるに、五つに分けて盛る」という盛り方が一般的で、これは山法師(修験道の行者)が戸隠の五柱の神々に捧げる蕎麦の形と同じだ。
三段重ねの器が目の前に置かれる。なかなかいいもんだ。
五つの小皿が目の前に並べられる。これまたなかなかいいもんだ。
いずれもその絵を想像するだけでうれしくなってしまう。
それを食べるためだけのツーリング。
左右に展開する秋の景色の中、バイクの振動と共に風に向かって進む。
最後になって「皿そば(出石蕎麦)」のことをやっと思い出して。
でも、出石蕎麦のことは以前に書いてますからね。
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昔々、職場の旅行で出石(いずし)に行ったことがあります。出石は兵庫県の日本海側にある山間の町です。
そこで初めて「皿そば」というものを食べました。
ほんの二口ずつを五つの皿に盛り分けてあって、とろろ芋をすりおろしたのと生卵とを混ぜ込んだ(自分で混ぜる)出し汁につけて食べるのですが、びっくりするくらい美味かったのを覚えています。
ところが前の晩の痛飲のせいで、帰りがけに寄った出石名物「皿そば」は、気持ちが悪くって一皿か二皿しか食べられなかった。
もう、美味しいやら、二日酔いで気持ち悪いやら、食べられなくって口惜しいやら、で、
「これは絶対に、いずれ思いっきり食ってやる!」
と、誓いをたてて、出石を後にしました。
食通ではないけれど「食い物の恨み」、です。呑み過ぎて二日酔いになった自分が悪いんだから八つ当たりもできない。ただのいやしんぼ、食い意地が張ってるだけの話なんですが。
(略)
大体、蕎麦切りを盛った「ざるそば」なんてのは、十口以内で啜り終わるものなんだそうですが、試してみたら、八口か十口ですね、やっぱり。
そうすると、五皿。なかなか、でしょう?
でも気になるんですよ。何で五皿なんだ?
というわけで、色々調べてみました。けど、分からない。
ただ、どうも出石の殿様というのが、信州から移封されたらしいということと、その殿様が無類の蕎麦好きで、蕎麦打ち職人も連れて来たらしいということだけは分かりました。
だから、とろろ芋や卵はともかく、五皿に盛り分けるのはあっちから持って来た習慣なのではないか。
「五皿に盛り分ける(前)」 2011.9/12
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出雲そばは松平直政が信州松本からの国替え時に蕎麦職人を連れて来たのが始まり。
兵庫県(但馬国)の出石(いずし)蕎麦は仙石氏が同じ信州上田からの国替え時、同じく蕎麦職人を連れて来た。
出雲そばは松平不昧の流行らせた蕎麦が、三段重ねの風流な「割り子蕎麦」となった。
出石蕎麦は何故か五枚の小皿に分けて供される。風流からでもないし、客への御馳走、といったわけでもない。
ただ、上田より北部の信州一帯では、戸隠の蕎麦が最高とされ、そこでは「ぼっち盛り」(法師盛り)と呼ばれる「一つのざるに、五つに分けて盛る」という盛り方が一般的で、これは山法師(修験道の行者)が戸隠の五柱の神々に捧げる蕎麦の形と同じだ。
三段重ねの器が目の前に置かれる。なかなかいいもんだ。
五つの小皿が目の前に並べられる。これまたなかなかいいもんだ。
いずれもその絵を想像するだけでうれしくなってしまう。
それを食べるためだけのツーリング。
左右に展開する秋の景色の中、バイクの振動と共に風に向かって進む。
2015.10/22