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『自分の中に毒を持て』(その4)

2016年06月19日 | O60→70(オーバー70歳)
【48〜49ページ】
「ぜひ会いたい」というバタイユのメッセージをもらって、----
バタイユは「今日、すべての体制、状況が精神的にいかに空しくなっているか」----。そして、「体制に挑む決意をした者同士が結集しなければならない。力をあわせて、世界を変えるのだ。----われわれは癌のように、痛みを与えずに社会に侵入し、それをひっくりかえす。無痛の革命だ」
バタイユの眼は炎をふき出すように輝いていた。

【52ページ】
“いずれ”なんていう奴に、ほんとうの将来はありっこないし、懐古趣味も無責任だ。
つまり、現在の自分に責任をとらないから懐古的になっているわけだ。
しかし、人間がいちばん辛い思いをしているのは、“現在”なんだ。やらなければならない、ベストをつくさなければならないのは、現在のこの瞬間にある。それを逃れるために“いずれ”とか“懐古趣味”になるんだ。

[ken] バタイユと交流があり、ピカソとも親しかった岡本太郎さんは、当時の日本人としては傑出していたのですね。占領軍の一行として日本に上陸したフランス軍の将校が、真っ先に訪ねたのが岡本太郎さんだった、という史実も納得できますね。それから、「人間がいちばん辛い思いをしているのは、“現在”なんだ」とのメッセージは、定年退職して3年目の自分が、ややもすると“懐古趣味”になりがちな誘惑に負けないためにも、しっかりと記憶にとどめておきたいです。
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