たばこの気持ち

◎　山田風太郎さんの長編忍者小説『魔界転生』（文庫本上下巻）を読み終えました。古い作品であるにも関わらず、今読んでも楽しく魅力的であり、グイグイと引き込まれるストーリー展開のうまさに脱帽でした。大衆娯楽小説にして、後代に残る名作ですね。

◎　さて、私は本を読みながら「たばこ」のシーンを抜き書きしているのですが、『魔界転生』でたばこを吸うのは主人公の柳生十兵衛ただ一人、それも煙管ですから「刻みたばこ」ですね。主人公にだけ煙草を吸わせるというのは、たばこ好きの山田風太郎さんらしいと感じた次第です。

◎　ＪＲ宇都宮線については、一部の駅のホームにスタンド灰皿が設置されていました。ＪＲ東日本では首都圏から徐々に郊外へ、全面禁煙エリアが拡大されてきましたが、ついに明後日以降、私の最寄り駅からもスタンド灰皿が撤去されることになりました。



◎　思い返せば19年前の1月末、神奈川県川崎市から栃木県に引っ越してきた当時は、宇都宮線車内の座席に灰皿があり、普通にたばこが吸えました。それが、この6月1日からホームにさえもスタンド灰皿がなくなってしまうのです。予想されていたこととはいえ、とても残念ですね。

◎　せっかく育てている小松菜が、小さな黒っぽい害虫に食い荒らされています。カミさんの報告によると、まだ小松菜が小さいときから、わが家の小さな畑に成虫が飛んできて交尾し、卵を産んでいたそうです。それが小松菜の成長とともに孵化し、旺盛な食欲で葉っぱを食べているわけです。



◎　殺生しても全部は無理なので、収穫した小松菜は穴だらけの状態になります。食卓で、「これを見ると、きれいな野菜ってあり得ないね」と実感しました。目に見える害虫や穴だらけの野菜ことが正常なのであり、農薬で虫も食べない野菜の方が異常なのです。煙の出るたばこよりも、目に見えないＯ-１１１とか、放射能の方が絶対に怖いのと同じですね。

＊　小さな害虫を２匹捕獲！

◎　わが家では春から秋にかけて、マンションの小さな専用庭の片隅で野菜を作っています。意識して作り出したのは昨年からですが、なかなか思うようにいきませんね。堆肥作りから準備する必要があるようです。しかし、採れたて野菜は少々姿かたちが悪くても、香りやシャキシャキ感があって身体が喜ぶほど美味しいのです。


＊　赤レンガの上で踏みつけて殺生（合掌）！

◎　今年は、毎日のように害虫とのたたかいがあり、カミさんは興奮を覚えるほど闘志を燃やしています。私は先日、小松菜を食べていた虫を２匹つかまえて殺生しました。余り後味はよくありせんでしたが、害虫の生命力たるや気を使う必要はまったくないですね。そういえば、たばこの吸い殻も害虫除けになるので、今度やってみようと思っています。

今月から、後掲のURL「見返り文庫」で「牛丼と紙巻たばこ」を連載していますので、テーマに興味を持たれた人は、どうぞお立ち寄り願います。

【見返り文庫】
　http://tensyuryu-ensyu.blog.so-net.ne.jp/

◎　私が福島の県立高校を卒業し上京したのは、18歳も終わろうとする39年前の4月でした。都内の学生寮に入り、すぐさまアルバイトを探しました。一番先に働いたのが、道玄坂のニコニコ食堂という中華と和食のお店でした。時給が260円だったと記憶しています。その頃、私はまだたばこを吸っていませんでした。



◎　そして、先月末、第82回メーデーの帰路、久しぶりに道玄坂を歩いてみました。祝日ということもあって、たくさんの人手でした。40年ほど前は、歩道の脇にスタンド灰皿がたくさんありました。ガードレールの支柱にだって灰皿が設置されていました。今はまったくありませんでした。渋谷・道玄坂の風景の中から、灰皿が消えてしまったのです。

◎　わが家の自家用車は、黒のHONDA FITです。昨年の11月に新発売されたハイブリット車なので、ガソリンの消費量が目立って少ないのです。それまでは赤いFITでしたが、すっかり色抜けしてしまい、本当はもっと乗りたかったのに断念せざるを得ませんでした。

◎　たばこを吸わない子どもによれば、車内はたばこの臭いがひどい上に、自分たちが見てもたばこのヤニで汚れていることがわかるほどでした。今回は、10年ぶりの新車なので禁煙車にしました。たばこが吸えないのは残念ですが、最近は少し慣れてきました。

◎　昨年の10月から、マイルドセブンが410円、セブンスターが440円になりました。100円以上の値上げになるので、「節煙」とか「禁煙」を真剣に考えた人も多かったようです。私も実際に「節煙」を半年ほど実行していました。しかし、3.11東日本大震災以降、完全に元の本数に戻ってしまいました。ただし、マイルドセブン・スーパーライトからマイルドセブン・ワンに変わりました。

◎　軽いたばこに慣れると、実に美味しく感じます。さて、たばこの値段については、1箱でコーヒーやお菓子と比べれば「高い」わけですが、1本でみるとまだまだ安い嗜好品といえます。受け取り方、感じ方の相違ですね。ストレスを感じるときに一服すると、気持ちがとても休まりますし、とくに仕事の合間や終わったときの一服は何にも代えがたいですね。

◎　前回の続きですが、外見は良い感じの喫煙ルームなのに、内部はスタンド灰皿が置いてあるだけでとても殺風景ですね。それでも「ないよりはまし」ですから、阪急電鉄に拍手を贈りたいと思います。ＪＲ東日本の喫煙ルームだって、長椅子が２つあれば良い方です。

◎　上野構内にある喫煙コーナーは、スタンド灰皿が４つ並んでいるだけですよ。東北新幹線の東京駅ホームなんか、通勤時間帯には「すし詰め」状態なのです。これだけ喫煙者の数が減ってくると、どうしても少数派になっていますから、ぜいたくなことは言えませんね。

◎　建物や住居の入口は、人にたとえれば「顔」ですから、会社・学校・組織・個人などの考え方が色濃く反映されますね。植栽、花壇、オブジェ等がその典型です。江戸川区の専門学校入り口には、スタンド灰皿とゴミ箱が設置されていました。



◎　それぞれが、多少疲れている感じを受けたのは、新しくないからだと思います。専門学校に隣接しているマンションの入口では、白い花が咲いていました。たばこを吸う場所が減っている中では、吸える場所を知っておくことが案外大切なことだと痛感しています。