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抜き書き帳『一芸一談』(その4)

2016年04月04日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
《旭堂南陵》1989年11月

【203ページ】
南陵 それは衡陽の戦闘でね。大体ね、大阪の兵隊というのはね、あんまり強うないのよ。夏の行軍をするやろ。倒れるわね、脳震盪を起こして。「トラックに放り込め」やろ。トラックに入ったら、とたんに、たばこをだしてね、「フーッ、うまいことやった」と。
米朝 仮病やがな。
南陵 仮病や、まるでね。東北あたりの兵隊なんかは倒れたら、一週間ぐらい体がどないもならん。よう起きへんぐらい頑張りよる。

[ken] 福島県といえば、一般的には「東北」に入るのでしょうが、福島県南部で生まれ育った感覚としては「北関東」ですし、言葉や食生活はもちろん、テレビの電波が届いたあたりから、なお一層、関東の文化圏に属していると思っていました。南陵さんの語る「大阪の兵隊」は笑っちゃいました。たばこは、兵隊さんに優先的に配給されていたので、なるほど現実味のあるシーンだなぁ、と納得させられました。
そして、東北出身者と関西出身者が今でも、「なかなかしっくりこない」要因は「こんなところにあったのか!」とも思いました。自分が阪神タイガースの大ファンであることは別にして、私自身の友人関係を振り返ってみると、関西出身者がいないという事実にも無関係ではないと考えさせられました。
なお、画像の兵隊さんのマンガは、水木しげるさんの著作をスマホで撮ったものです。(つづく)
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