![]() | 昭和の爆笑王 三遊亭歌笑 |
岡本 和明 | |
新潮社 |
☆☆☆☆☆
今年(2010年)、読んできた中で、最高の本である。
珍顔で、戦中、戦後の落語界を席巻した、爆笑王。
その全生涯を一言でいえば、「疎外するものとの闘いの生涯であったと」
あまりにも、おもしろ過ぎて、抜粋して、紹介するのも、憚れるので、
あえて、三題噺で、御紹介いたしあす。
「醜男」、「資産家」、「にぎりめし」
「師匠」、「寿限無」、「色男」
「兄弟愛」、「失敗り」、「愛嬌」
「戦争」、「落語」、「笑い」
「新作」、「運」、「体制」
「芸」、「席亭」、「大衆」
「歌笑」、「純情」、「母のぬくもり」
岡本和明の語りは、新国劇のようであり、涙あり、笑いありの、
いまどきでない、良き日本人が、数多く出てくる・・・・。
人それぞれの人生があるが、
平成のこの世、二百数十人に膨れあがった上方の落語家から、、
歌笑のような、スターと呼ばれる、新しい笑いの作り手は登場するのか。
落語ファン以外の方にも、是非読んで頂きたい
舞台以外で嘲笑された、一人の男の生涯である。