![]() | もしもし、運命の人ですか。 (MF文庫ダ・ヴィンチ) |
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☆☆☆
穂村弘さん独特の、一見頼りなさそうで、それでいて心をつかんでしまう。
母性本能をくすぐる、駄目男の見本のようで、「あなたもしもし運命の人ですか」と
押すでもなく、引くでもなく、一人悶々と女性との出会いを語る。
まるで、中学生か高校生が、初めて女性に声をかける時のような初心(ウブ)さが全編に漂う。
・・・読みながら、私自身も若き日のノスタルジーに浸っているのかも知れない。
恋の要素には、「ときめき」だけではなく、時間をかけてコミュニケーションの
積み重ねによる「親密さ」や「やすらぎ」に価値を見出すことができる、と。
「ときめき」とか「やすらぎ」とか、こんな言葉を48の男が語るだけでも、
見方を変えれば、それだけで気持ちが悪い。
でも、若い時は・・・女の子の、一言一言に過敏になっていた自分を思いだす。
高校時代に戻ったような、穂村弘さんの、恋愛論である。
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