おとなの味 | |
平松 洋子 | |
平凡社 |
☆☆
久しぶりに料理の本。
おいしいチャンプルーをつくるこつが書いてあると思えば、
もらい物のケーキを食べるのに、お父さんが帰ってきてからと、
こどものころは、待ちもうけることの忍耐をたっぷり仕込まれ、と
何とも幸せなことだったと述懐している。
水の味のところでは、菊乃井の村田さんが登場、
「日本料理は水がないとつくれへん料理や。水がすべての中心にあり、
その同心円上に塩味やうまみがある。うちの料理は、この京都の水があってこそ」
東京の水は硬水で、飲んだら喉にひっかかる、と
そして、和食のうまさと、洋食のうまさも、幅広く紹介している。
最近まで、恥ずかしながら、上用饅頭と思っていたぐらいで。
薯蕷饅頭の、「薯蕷」の字面とそのうんちくが聞けて納得。
何よりも、嬉しいのは、繰り返し読んでいる本で、「また、この本」と
自分でも呆れる数冊を紹介している。
獅子文六の「私の食べ歩き」、小島政二郎の「食いしん坊」、子母沢寛「味覚極楽」
すべて読んでないので、読まなければと思うが・・・
でも、あとに続く、金子信夫、荻昌弘、伊丹十三、壇一雄はすべて私の愛読書、
中の料理も作ったりしているので、ボロボロだが、いまだ手元においてある本である。
間にでてくる、料理の写真の上品なこと。
どこをとっても、思わず、お酒が欲しくなる平松陽子さんの「おとなの味」でおます。
にほんブログ村