
今日、初めて「落語の定九日」へ。
小佐田定雄さんの噺を生で聴く機会が少ないので、敢て参加。
古典の匂いを残した小佐田さんの(創作)落語。
米朝さんの「淀の鯉」と共に楽しみですな。
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凄い、九雀さん四席、淡々としながらパワフル。
でも、いつもの落語会とは違う充実感と疲れが一緒に・・・。
一、桂九雀・・・・・・・・・・・・・「弓流し(小佐田定雄・作)」
お能の「屋島」の解説を、大阪能楽会館から九雀さんに依頼あって創られたもの。
でも、能のお好きな方々への前説みたいなもの、一番知らないのが九雀さん本人とか。
噺は、源平合戦の中、義経が落として流れた弓を、義経自ら敵陣まで拾いに行く・・・。
「源氏の大将がこのように弱い弓を使っていたことが、平家に知られれては、
末代までの恥だ。その為、命を顧みず拾いに行った」のと・・・那須の与一以外にも
色んなはなしがあるんですな。
能や講談、まだまだ落語として語り継がれる噺はたくさんありそうですな。
二、鈴々舎八ゑ馬・・・・・・・「天狗裁き」
大阪出身で、現在東京で、上方落語を演じている八ゑ馬さん。
R1に出て3回戦辺りまではまではいくのですが、いつも敗退。
小佐田先生にもアドバイスが欲しいので、そのときのネタをマクラ代わりに披露しますと。
落語というのは、仕込に時間がかかるので、数分勝負のコンテストなんぞには不利であると
それだけは断言できた、二つのネタでしたな。
普通、天狗をどう演じるか、どの噺家さんも苦労すると聞いているが、
なんと、八ゑ馬さん。最後にでてくる天狗が、なんと「べたべたの大阪弁」キモい。
東京ではこれで受けるのか・・・・文化の違い、笑いの違いに、戸惑った一席でおました。
三、桂九雀・・・・・・・・・・・・・「淀の鯉(桂米朝・作)」
米朝さんの作。今米朝さん宅の資料を小澤さんという方がおられ、
その膨大な資料の中からでてきた噺がこの「淀の鯉」、噺家になるまえで中川清作。
この噺も、九雀さんそこそこ省いたんですが、それでもふんだんにたっぷり入っている。
小佐田さんが後の対談で、とかく素人は、ハメモノ、鳴物をいれたがる、と(笑い)。
でも、上方の舟遊びの雰囲気がでていて、さすが米朝さん格調高い噺に仕上がっている。
今「淀の鯉」、吉坊さんに、四代目米団治さんと九雀さんの三人が演じられると。
九雀さん、それぞれ三者三様の味の違いをお聴きくださいと・・・。
一度に多くの方が演じられると、この「淀の鯉」一気に拡がる予感がしますな。
四、桂九雀・・・・・・・・・・・・・「慶応三年(正岡容)」
米朝師匠が落語家になる前、東京在住で師事してた作家、正岡容(いるる)さんの作品。
後の対談でも、その当時としては斬新で、まるでコントの連続のような落語。
慶応三年、その当時流行していた、「えじゃないか」の連呼。
見合いの席に「えじゃないか」、 臨終の場に「えじゃないか」、どんどん次々つながっていく。
最後のサゲは、九雀さんが考えられたとか・・・、、
「こんな噺があっても、えじゃないか、えじゃないか。」
「こんなサゲでも、えじゃないか、えじゃないか。」
と踊りながら、高座を降りられた。
まあ、正岡容さんをつかまえて、誉め言葉で「頭がおかしい」と言っていた九雀さん、
その世界にどっぷり浸かって、伝染してしまったようですな。
また聴きたくなった「慶応三年」・・・
「こんな噺があっても、えじゃないか、えじゃないか。」でおます。
五、九雀・小佐田・・・・・・・・「対談」
六、桂九雀・・・・・・・・・・・・・「雨乞い源兵衛(小佐田定雄・作)」
繁昌亭の雨特集で、「雨乞い源兵衛」演られる方、誰かおられませんかと九雀さんに問い合せ。
雀々さんんとむ雀さんだが、諸事情があって二人とも駄目。
だったら、私が演りましょうかと、今回九雀さんが「雨乞い源兵衛」を。
さすが、小佐田定雄さんの代表作、のんびりとした田舎風景がでてくる良い噺。
作者の小佐田さん曰く、お天気が続いて「雨乞い」があるなら、雨が降り続いて
止まないというのも有りかと、へそ曲がりな発想でできた噺。
代表作は聞かれた小佐田さん、演じられた回数の多いのは、
この「雨乞い源兵衛」と「貧乏神」、「茶漬えんま」の三つとか・・・。
普段の落語会とは違う疲れ、知らない話ばかりなので、なにと緊張の連続で、
集中力をもって聞いているのか、いつもとは違った能を使ったようですな。
でも、九雀さん四席も、感心、感服、感嘆、でおましたで。
遠ざかっていたらしいですが、次回もまたあるらしく、
体調整えて行かなければの「落語の定九日」でおます。
落語の定九日・・その⑮
2012年6月9日(土)午後7:00開演
雀のおやど
一、桂九雀・・・・・・・・・・・・・「弓流し(小佐田定雄・作)」
二、鈴々舎八ゑ馬・・・・・・・「天狗裁き」
三、桂九雀・・・・・・・・・・・・・「淀の鯉(桂米朝・作)」
仲入り
四、桂九雀・・・・・・・・・・・・・「慶応三年(正岡容)」
五、九雀・小佐田・・・・・・・・「対談」・
六、桂九雀・・・・・・・・・・・・・「雨乞い源兵衛(小佐田定雄・作)」
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