のり平のパーッといきましょう | |
クリエーター情報なし | |
小学館 |
☆☆☆☆☆
五つ星でおます。
三木のり平さんが、二回り近く年の離れた小田豊二さんを聞き手に、
自宅を中心に、酒を振る舞いながら語った芸談。
「僕の芸能年賦みたいには、書かないでくれよ」と、のり平さんの語りは
その場に居るような臨場感で、適度な緊張とのり平さんの気づかいの中で心地好い。
芸に関するところを拾いあげると、
笑いをとるのに、よくやる手が下ネタだと。それから肉体的欠陥を強調する。
また罰ゲームで熱湯の中に入ったりする。それも客を笑わせるかもしれない。
でも、笑いというのは、そういうものばかりではない。
人を笑わせるには、いわゆる芸のボキャブラリーというか、いわゆる「乞食袋」と言いますけど、いろんな笑いのネタがふんだんに詰まってないといけない。
漫才のネタ、落語のネタ、都々逸から民謡、踊りから狂言、新作から古典から
それをすべて乞食袋の中に入れておいたと・・・・。
ただし、一つだけ言っておくと、芸というのは試してはいけない。
計算もない。客が笑ってくれるかどうか試してみようなんていうのはプロじゃない。
一発必中のネタをいつも用意していてこそ、人を笑わせるプロなんだ・・・と。
サービスの極意と一緒、作り置きできなくて、そのとき、その瞬間が勝負だと。
気になる言葉では、
センスとナンセンス。
「せりふ」は、台詞か、科白か
歌は語れ、せりふは歌え
アドリブは思いついた時に言うな。
いい役者は、歩き方ひとつでも、芝居している。
女の話、色気話、猥談なんてのを聞きたがるのは、田舎者だっていうこと。
かぶりものをしたり、ヒゲ描いたりしてる時って、勝手におもしろいこと言ってるよ
それは、その役になれるから、やっぱりそうでなくちゃいけないよ。
のり平さんの、役者の「ニン」にあった演出法。
どれもこれも、喜劇人、三木のり平を支えた真髄。
あと、最後に載っている、奥様になった映子さんとのお二人のお手紙
ラブレターは、熱烈な恋心がストレートに書かれている。
メールやスマホでやりとりできる今とは違う、表現方法は逆に羨ましい限りでおますな。
どこを開いても、中身の濃い「のり平のパーッといきましょう」
まだ2月なのに、早くも、今年のベスト1候補の本と出会いました。
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