ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

充実の落語~繁昌亭GW特別興行・5日朝席

2009-05-05 22:56:33 | 天満天神繁昌亭
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・繁昌亭・表看板・・・・・・・・・・・・・・・・・

I氏と、早朝から、繁昌亭ヘ。
忘れそうなので、先に今日の方から、ご報告を。


一、桂阿か枝・・・・・・・・・・・・・・「子ほめ」

出てくるなり、立ち見の方を見て、阿か枝さん
「このへんも空いてますので、そこに3ツ、そこに2ツ」と親切に空席を
ご案内していると、下座から、「指定席です」の声。

「すいません」、「今日、師匠に入門したところで」・・・・・。
「ここに、見台、膝隠し、ありますが、何するのか入門したてで
解りませんが」と・・・・・頭の中、真っ白状態、
あんな動揺した阿か枝さん、初めて。

気をとり直して、本題ヘ、子供の日にちなんで「子ほめ」

文枝師匠の語り口、
特に鼻にかかった絞り出す、おやっさんの声は瓜二つ。

この様な、軽い噺を完璧にやる阿か枝さん、よろしいな。
素適な開口一番で、スタート。


二、林家花丸・・・・・・・・・・・・・・「狸の鯉」

「狐、狸は人を騙すと言う。」
子供が狸をいじめているところから始まる。・・・・狸賽か・・。

狸が、昼間の恩返しにきて、その晩一緒に寝てしまう・・あれえ。
翌日、起きると、子供に化けた狸が、朝ごはんの用意。・・・あれれ。

これは、まるっきり、狸賽とは違う噺やで。
狸を、鯉に化けさせて、初節句の祝いの品として兄貴分のところへ。

サゲは、狸の鯉が料理されそうになって、逃げて庭の垣根を登り、
「いきやな、これが、鯉の滝のぼりや」

これまた、5月5日に、相応しい噺。

でも、けもの偏に里で狸、魚偏に里で鯉、狸は鯉に化け易いのか。
ようできた、噺ですな。・・・・花丸さんの創作でおますやろか。


三、桂楽珍・・・・・・・・・・・・・・・・「青菜」

出てくるなり、後方から、「結婚、おめでとう」の声。
ありがとうございますと、実は12年結婚、7年離婚。

8月15日に結婚する事になりました。
終戦記念日で、夫婦の揉め事も終戦にしようと・・
これだけの話ですがと、前の奥さんと再婚か・・・。

スポ日の新聞が、「楽珍結婚、時恵ごめん」と。
実は、私人形が大好きで、65万もするダッチワイフを所有。
その名が、時恵(時枝)。・・・・・その喋る人形で、ひとしきり。

その後、あと10分ですが、気をとり直して、「青菜」ヘ
途中で終りますが、それもご勘弁をと。

まあ、いつもいう落語家さん、最後は人間性、性(さが)が勝負。
よう楽珍さんの性、よう解りました、
いやほんま、なんとも楽しい高座でおました。

まずは、ご結婚、おめでとうございます。


四、ナオユキ・・・・・・・・・・・・・・「漫談」

いつものごとく、ボソボソのトーク。
何度聴いても、おもしろい。
15分の高座が、たっぷり、充実の20分以上に感じられる。

営業妨害になってはいけないけど、2、3、紹介させてもらえば、


「私、天然なん」という女の子に。
「養殖の人間はいない」と云うと

そこで、「ええ、ほんまに養殖の人間はいないんですか」という子

「まちがいなく、天然や」


大阪のバーで、水割りを注文すると

「何で、割りましょうか」というバーテンに、
しゃれで「頭で」というと、

大阪のバーテンは、周りを見わたして
「どなたの」・・・・・・・。

このような話が、50も、60も、続く。
でも、書いても、おもしろさは、十分の一も伝わらない。
聴くと最高。是非、ナオユキさんは、生でお聴き下さい。


五、桂米輔・・・・・・・・・・・・・・・・「悋気の独楽」

米輔さん、ナオユキさんの後で、やり難そう。
自分の落語の世界に早く戻そうとするが、失礼だが空回り。

芸人には、それぞれ、空気があるのですな。
しばらくは、その空気が無くなるまで、時間が掛かる。

お手掛けさんの処ヘいた定吉。
御寮さんに、旦さんの居所を問詰められる。

饅頭に、嘘をつくと、血を吐く、薬が入っていると脅され
言わされてしまう。

最後に、旦さん、御寮さん、お手掛けさん、の三つの」独楽で、
旦さんの、その日のお泊りの処を決める。

サゲは、「心棒(辛抱)ガ、くるうております」と・・・。


七、月亭八天・・・・・・・・・・・・・・「おごろもち盗人」

上手いなぁ。盗人が主人公だが、おかみさんの出番が多いだけ、
盗人との掛合いが、おもしろい。

「橋元さんの分、平松さんに廻しとこ、どちらも財政難で」など、
支払いの段取りで、気の効いた、くすぐりもたっぷり。

主人も、おかみさんも、盗人も、最後のスカンピンの男も、
それぞれのキャラクターが、あっておもしろい。
それも、過度で無く、それでいて、個性的、こんなの私好きですな。

ますます他の噺も聴きたくなる、中堅の実力派。
二席聴きに、淀川渡って十三まで出かける価値大いに有りですな。


八、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・・・「オールウェイズお母ちゃんの笑顔」

母親と、学少年、びっくりした方が負け。
楽しい、バトルがくり広げられる。

顔中、ケチャップで死んだまねをする。
敷居で頭をうって、脳震盪のまね。
法事での、いたずら。・
クリスマスのツリー・・・など。

いたって、日常のことを楽しく、おかしく、語る。

まあ、子供にとって、母親は日々日常の先生。
母親の生きざまが、子供には影響力が、大いにある。

今の鶴瓶さんのサービス精神、子供の時から鍛えられたんですな。

勝敗は。6勝5敗1分けで、母の勝ち。
この噺、鶴瓶さんの、お母ちゃんへの、賛歌。

大阪のお母ちゃんに限らず、どこの母も、「母は、偉大ですな。」
次の、日曜日、10日は、母の日ですな。

まあ、私も、嫁はんも既に母親は亡くしていますが、
日曜日は、母の日で、想い出に浸ろうと思いますわ。

子供の日と、母の日はセットですな。
(でもなぜか父の日は離れている)

今日の、落語会、役者揃いで、充実した二時間半でございました。



繁昌亭GW特別興行
2009年5月5日(火・祝)午前11:00開演
天満天神繁昌亭

一、桂阿か枝・・・・・・・・・・・・・・「子ほめ」
二、林家花丸・・・・・・・・・・・・・・「狸の鯉」
三、桂楽珍・・・・・・・・・・・・・・・・「青菜」
四、ナオユキ・・・・・・・・・・・・・・「漫談」
五、桂米輔・・・・・・・・・・・・・・・・「悋気の独楽」
仲入り
六、藤本健太郎・・・・・・・・・・・・「津軽三味線」
七、月亭八天・・・・・・・・・・・・・・「おごろもち盗人」
八、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・・・「オールウェイズお母ちゃんの笑顔」

09-34-152

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 鶴二・小枝さんの対決~・繁... | トップ | 芸の世界は共通~桂吉坊がきく藝 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
狸の鯉 (ごまめ自身)
2009-05-10 05:49:16
本を見ていて、発見。

狸が、人間に助けられて、色々なものに化けて、
恩返しする落語。

前座噺で、札、鯉、賽、釜の四作品があるらしい。
狸賽が断トツで、有名だが、残りの札、釜は
どんな噺か興味有りますな。
返信する

コメントを投稿

天満天神繁昌亭」カテゴリの最新記事