先日、ソフィアの友人ターニャのところで夕飯をご馳走になり、一泊してきました。その日の天気予報によると、次の日からマイナス15度くらいまで冷え込むとか・・・日中の気温がそこまで下がるのはブルガリアでもそうはありません。(最低気温がもう少し下がることはあるようです、それでもそうしょっちゅうではないようですが。)
一晩家を空けて、帰宅して、弩!ビックリ!!! トイレが流れない・・・水が便器いっぱいになってしまうのです。どうして??そういえばソフィアに行く前にお客さんが来ていて、そのなかの誰かがトイレに紙を流したかな? トイレが詰まったかな・・・ (ちなみにうちのトイレには「紙を流さないでください」と書かれています。)
大家のゴショは相変わらずで電話してもつかまらず、息子のアントンが彼の携帯に出てきました。「今いないよ」ヴ~、こんなときに・・・・(怒)2日ほど、何とかしようといろいろ手を尽くしてみたのですが、とうとう少しも流れなくなってしまいました。
大家がまったくあてにならないので、地元で最も頼りになる友人バリュ(元大家とは同名ですが別人)に助けを求めました。バリュの一番の楽しみは「誰かを喜ばせること」と言い切るほどの自己犠牲的な人物です。見た目はチリチリ頭に口ひげ、歯が一本しかないのといつも冗談ばかり言っているところからして最初はそうは見えなかったのですが・・・。
バリュいわく、やはり誰かが紙か何かをトイレに流したことと共に、異常低温でもともと細い下水パイプが凍って詰まったようです。一晩留守にしたのもいけなかったらしい。彼は大量の塩とメタノールを持参し、トイレに投入して一日中吸引カップでポンピング。何回も何回も塩、お湯、メタノールをトイレに入れてはボスッ、ボスッ、バシャ、バシャ・・・ しばらくすると吸引カップが壊れてしまったので、トイレのブラシにタオルを巻いて、それまで使っていたゴム手袋をはめてボスッ、ボスッ、バシャ、バシャ・・・ 朝の10時くらいからはじめて夕方5時頃、もうあきらめるしかないかなあ、今晩どうしようか・・・と思っていると、ゴボゴボゴボ・・・ 流れ始めました。
「イヤッホ~~ッツ!!!」思わず歓声をあげてしまいました。バリュ、ありがとう~、まだこのアパートに住めます!! あまりにバリュの笑顔がすばらしかったのと、改造トイレブラシがよく働いてくれたので、つい写真を撮ってしまいました。(本人のプライバシーのために少し写真を加工しております。博多名物二X加のお面ではありません・・・)
バリュはゴショ(=大家、共通の友人でもある)に電話で開通を伝えようとしたら、今度は末娘のクラウディア(5歳)が電話に出てきました。「タトコ(パパ)いないよー。」 「伝えてくれ、トイレは直ったよ。」
5歳児のクラウディアは分かったかな??いずれにせよ、よかったよかった。それ以来、寒い夜には必ず塩とメタノールを便器に投入することになりました。 ハア~・・・(ため息)
後日談ですが、隣町ラドミルにいったときにアパートの入り口がゴリゴリに凍っていて、そこの住人のおじさんが氷を外にかき出していました。「どうしたの?」と聞くと、「下水管が凍ってここが全部凍っちゃったんだ・・・。昨日トイレに塩を入れたんだけど・・・ネプリヤートナ・ラボタ(うれしくない仕事)だよ・・・」 そうなのか、下水管が凍ってトイレが流れなくなるのって、このあたりじゃ普通のことなんだ・・・ そしてトイレに塩を入れてお湯を流して吸引カップでボコボコやるのもこの時期は日常茶飯事のようです・・・
今回はあまり美しくないお話だったので、最後にひとつ。ものすごく寒かった朝起きて窓を見てみると、窓がキレイに凍って美しい模様を作り出していました。朝日があたってキラキラと輝いていました。