日本食がなつかしくなる海外生活、日本食材店が近所にあるような大都会であれば苦労もしないのでしょうが、首都ソフィアまでいかないと中華食材さえも手に入らないここブルガリア(ペルニック)では、どうやって日本食材を手に入れようか、または日本食もどきを料理しようかと本当に悩んでしまいます。海外で生活しておられる皆さんのブログなどを参考にしていろいろ挑戦してみました。
たとえば、こちらのスーパーで売っている燻製のサバを使ったサバ寿司、これが意外と本格的でなかなか良い出来だったのです。
でも、これだけはほぼ不可能だろう、と半分あきらめていたのが「納豆」。まずは納豆菌をどのように入手するか本当に悩みました。納豆菌を提供してくださるという親切な申し出もあったのですが、日本から持ってきていたおもしろいものを見つけました。日本からブルガリアに来るときにお土産にもらった熊本名産「こるまめ」!これは言ってみれば干し納豆、納豆を乾燥されたものに味付けされているものです。この「こるまめ」、納豆菌は生きているんでしょうか・・・日本から持ち込んだふりかけ「納豆さまさま」もごはんに混ぜたら粘りが出たので、もしかしたら・・・という思いで使ってみることにしました。
ところが、次のカベは大豆! 近所の店では大豆が売っていないのです。大豆よりも大きな豆ばかり・・・やっと見つけたのは「ビャル・ボブ」(白い豆の意)どうも、いんげん豆の一種のようなのですが。大きさは大豆より少し小さめ。これなら使えるかな・・・
水に一晩つけて大豆のように5時間煮たら、ほとんどくずれる寸前。まだどうにか形を保ってはいるのですが。それにお湯で戻した「こるまめ」をまぜ、レシピどおり(レシピは日本から持ってきた「クッキングパパ」!)タッパに入れて箸をはさみ、タオルにくるんで湯たんぽ(2リッターのビールのペットボトル2本)をして、布団の中に寝かせました。
夜は、納豆と一緒に布団に寝るわけにはいかないので湯たんぽのお湯を入れ替えてオーブンの中へ。さて、どうなることやら・・・
次の日、タオルをのけてふたを開けてみると、なんと、納豆のにおいが・・・ちゃんと糸も引いています! おお、これはうまくいっているかな。恐るべし、納豆菌の力です。乾燥して売られている(そして、なんと賞味期限の切れた!)納豆加工食品から納豆が再生できるとは!!
果たして、大豆ではない豆で作られたものを正確には納豆と呼べるかどうかは別にして、日本の味をここブルガリアで再現することができました。ちゃんと糸を引いて、味も「これは何かと言われれば納豆」という味です。
初めての挑戦にしては出来すぎというくらい(自画自賛!手前味噌ならぬ手前納豆!!同じ豆関係だからいいか・・・)よくできたので、日本から持ってきた海苔(これも貴重品!)を引っぱりだして手巻き寿司にしてみました。ああ・・・日本の味!(もどき、ですが・・・)
このあと、大豆を売っている店を発見し、最初につくった納豆をもとに納豆を「飼って」います。ブルガリアのヨーグルトもそうですが、この納豆も「生き物」、菌類に支配される生活にならないように納豆を「ぼちぼち」飼っていきたいと思っているところです・・・・すっかりいい気になったわたしの次の挑戦は「豆腐」でしょうか・・・(これは無理かな、だってにがりが無いもんね。黒海も遠いし・・・)