ある月曜日の午前のこと、今日はソフィアに出かけようと思っていた矢先に気分がなんだか悪くなり、フラフラとベットにヘタリ込んでしまいました。熱をはかったらなんと39.2度!!! ドッヒャー!どんなにカゼをひいてもこんなに熱が出たことないのに・・・。 横になりながら心をかけぬけるのは「どうしよ~・・・」という心配。以前日本でインフルエンザにかかったときのことを思い出しました。早ければ早いほどよい!! と思い、友人のステフチョに助けを求めました。
「ブルゾ・ポーモシュト(救急センター)に連れてって!!」 ブルガリアではブルゾ・ポーモシュトはまったくの無料。ブルガリア人だろうが外国人だろうが受け入れてもらえるのです。が、行けば分かります。日本人だったらだれもが一抹の不安を覚えるはず・・・
まずは、ほとんどが白髪のおばあさん(?)のレカルカ(女医)とメディツィンスカ・シストラ(看護婦)ばかり。(んんん、何でブルガリアって、市役所、銀行、パスポートセンターなど、こういう公共機関で働いているのはみんなおばさん、おばあさんばっかりなんだろう・・・)
行くと、ステフチョが私の病状を説明してくれます。すると、「リーチェン・レカルはいないの?」 リーチェン・レカルとはつまりかかりつけのホームドクターのことです。そこからの紹介状を元に普通は専門医のところに行くのです。
「いません、今まで(ブルガリアで)医者に行った事がないんです。」
「熱は?血圧は?もどしたの?下痢は?」 と、問診がはじまりました。救急センターとは思えないほどの落ち着きよう。そこでもう一度熱をはかったら38.4度、血圧は正常でした。下痢をしているというと、「昨日何食べた?」と聞かれ、「キョフテ(ブルガリア名物ハンバーグ?)とビール」と言ったところ「ブルガリアではキョフテだもんね~。でも、原因はこれかな?」と言われました。んんん、それはないだろう! だって一晩たってんだよ・・・
「じゃあ、上でレントゲン取ってきてまたここに来て」と言われ、上の階に。薄暗~い廊下に冷た~いレントゲン室で、日本と同じく「吸って~、止めて!」 バチ。「ハイ終わり。20分待って。」再び薄暗~い廊下で待つこと20分。ブルガリアでは撮ったレントゲン写真はもらえます。その写真を持ってもう一度レカルカのところに逆戻り。レカルカはそれを窓に当てて、良く(?)見ると、
「う~ん、ヌーモニアですね。」
ええ~!!! つまり肺炎??? でも、日本だったら肺炎は風邪をこじらせたっていうイメージなんだけど・・・ でも、私昨日までピンピンしてて、今日の朝急に熱が出たんですけど・・・
レツェプタ(処方箋)を書いてもらっている間、同室のベットに座ってこのレカルカとヒマそうにしゃべっていたメディツィンスカ・シストラのおばさんは、自分の腕時計の革のベルトの汚れが気になったらしく消毒用アルコール綿で拭き始めましたが、まだ飽き足らず、注射針(未使用)を箱から取り出して掃除を始めました。ええ!? でも、絶対に元の箱には返すなよ~!!!(怒+驚!) その針で注射されなくて良かった・・・(注射はされずに済んだんです。)
レツェプタをもらってはす向かいのアプテカ(薬局)へ。薬局のおネエさんは処方箋を一目見て「ヌーモニアって言われたのね。」 肺炎に必ず処方される薬らしいアンティ・ビオティック(抗生物質)、これが結構高くて全部で50レバ(3500円)くらいしました。たしかにこんな高い薬を買うのは失業者や年金生活者には大変だろうなあ・・・。でも、医者に処方されたらしょうがないよなあ・・・なんて、熱でぼけた頭で考えていました。
ん?これまでこんな薬見たことないなあ、なんだろう?と思い、インターネットで調べてみると、なんと!淋病、梅毒の薬!!と分かってビックリ!さらに飲んだらテキメンに効いてまたビックリ!!! (ちなみに、淋病、梅毒だけでなく細菌の感染に効く薬だそうです。10日休め、と言われたけど、2日で熱が下がりました。3日目からは休んでいると罪悪感を感じるほど・・・) このまま、ぶり返さないでちゃんと治ってくれよー。
にしても、ブルガリアの医療、奥が深くて(?)おもしろすぎる~っ!!