おいしい国ブルガリアでのフボボな生活

ブルガリアのこと、まだ忘れ難く・・・
でも、アラフィフからまた新たな挑戦をはじめます!!

経済危機(クリザタ)はいつものこと?

2009-05-01 15:25:20 | まち歩き

ソフィア空港で友人が到着するのを待っているときの事・・・止めた車で待っていると隣にレンタカーが停車し、飛行機から降りてきた英語圏から来たらしい客が車を借りに来ました。

「ルーマニア、経済危機の影響で大変みたいだけど、ブルガリアはどうなの?」と、その男性が聞くと、レンタカー会社の女の子は、流暢な英語で、

「ブルガリアは大丈夫! 経済危機、まったく影響ないですよ!」

え~?! そうなのかな・・・ だってわたしのまわりではやっぱり経済危機の影響をじわじわ、ひしひしと感じるから・・・ 特にペルニック。国家主義的な都市として有名で、豊富な石炭のおかげで鉄鋼業が盛んだったのですが、とうとう今年に入ってその工場、「サクラテンナ」(ブルガリア語で一時休業)状態に追い込まれてしまいました。だからわたしの身近でも何人も「サクラテンニ」になって仕事を探している状態なのです。

Stomana このペルニックの鉄鋼工場は「ストマナ」という名前なのですが、このストマナをペルニックの人たちはとても誇りに思っていました。「昔はね、ソフィアよりも高給で、みんなペルニックに仕事に通ってきてたのよ~」とよく聞きます。「ソフィア市長ボイコ・ボリソフは”ペルニックをソフィアのクバルタール(地区)にする”って言ってるけど、ソフィアがペルニックのクバルタール・イストック(東地区)だ!!」なんて言っちゃってた人も。つい2~3年前まで、月800レバ(2レバ=1ユーロで計算してみてください)もらえたなんて話も聞きます。ブルガリアでは300~400レバもらえたらいい方だったので、普通の倍もらえていた、ということになります。ところが、今回の経済危機、先程のレンタカー屋のおネエさんのコメントとはうらはらに、ペルニックにはまるで津波のように大きくなってやってきてしまいました。

ただ、この「サクラテンナ」、実は今回が初めてではありません。今まで何度もあってその都度この「ストマナ」に依存するペルニックの人々に異変が!! 「一時休業」なので人々の反応が分かれます。もうストマナに見切りをつけて外国に出稼ぎに行ったり、ソフィアに仕事を求めていったりした人たちはまだいいのですが、ストマナを誇り、「一時的な休みだからいいや!!」とペルニックに残った、特に男性労働者のかなりの数の人々が、ヒマな時間をもてあまして昼間っからカフェなどに入りびたり、ウォッカなどの強いお酒をあおります。夕方にはもうベロンベロンになった「ピアンツィ」(酔っぱらい)が何人も道で座り込んでいたり大声を出していたり・・・ さらにはうつ病になる人もたくさんいると聞きます。で、ストマナが再開したとき、こういう人たちはもう労働に耐えられる体ではなくなっていて・・・ 毎度「サクラテンナ」の度にこういう人たちが増えていきます。

ペルニックだけでなく、ブルガリア全体の重工業は大打撃を受けているようで、ソフィアの端っこ、クリミコフツィにある製鉄工場も昨年11月から給料未払いが続き、とうとうブラジルの会社に「身売り」。・・・「クリミコフツィ」といえば、高給+汚染で有名な大工場だったのに・・・

と書くと、「ブルガリア、やばいじゃん?!」と思われるかもしれませんが、一般的な地元民はいたって平気!! どうして?

「クリザタ(危機)はいつものことさっ!!」 ウ~ム・・・ここ20年くらい、経済的に良かったことのないブルガリア。人々は慣れてしまったようです。ここがまたブルガリア人の強いところで、「セロ」、つまり田舎にセカンドハウスを持つ彼らは、現金収入こそなくても飢えることはないのです。そこの庭の木や畑で採れたもので十分生きていける!!

まあ、でも、この春の時期、2軒も3軒も家を持つ人々は、固定資産税を払うのですが、そのとき「あ~!税金払うの大変だ~っ・・・」と気づくようです。ビンボーなのに資産家・・・ 矛盾してると思うのはわたしだけかな・・・ 

コメント (4)
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