首都ソフィアでも有名なマOィアの住むというディアナバ区。KAT(交通警察)の登録センターがあり、ブルガリア男子が車を買うと必ず行くという、何かガラが悪い(?)、でもお金持ちも多い場所があります。ワケ分からんね~、とあんまり行くことなかった(ってゆーか、事故って罰金払いに行った思い出しかないからあんまり行きたくない・・・)のですが、ここにも何と、美術館があると聞いて行ってみました。えっ?こんなところに?! という所に、警備のお兄さんのいる、カギのかかる門がありますが、「ムゼイに行く」と言うとすぐに通してくれました。
中に入ると受付のおねえさんが二人。窓口には「トリップアドバイザー奨し」のステッカー!! その二人のうちの一人が、「ムゼイの中に来たときに説明してあげるワ!! まずは庭の展示物を見てきてネ!!」
この辺、結構地価高いはずなのに、この広さはゼータク!! 周りの喧騒はウソのように落ち着いた感じのスペースに共産時代に造られた像の類がいーっぱい!! 石像、銅像などなど・・・ あの時代のブルガリア、ソ連などの偉人・・・
まずはレーニン像!!
ゲオルギ・ブラゴエフなどと共に当時の人々の生活や労働を描いたユニークな作品もたくさんあります。
美術館の中に行くと、さっきのおねえさんが待っててくれました。
「館内の展示は数ヶ月ごとに変わります。今はこんな感じだけど、また変わるのヨ」
ワタシが行ったときの展示は「ブルガリア社会主義体制初期の人民芸術」。ナチスに対してパルチザンとして戦った様子や、ソ連によって「解放」され、社会主義体制の一員としてソ連の指導の下、工業や農業を発展させる、という題材で、
絵を見るだけでその頃の生活が分かりやすく描かれていました。
どうしてこの体制のリーダーってこういう風に描かれるのかな?と思ったけど、その理由もはっきり。
たとえば、ブルガリア全体が社会主義を喜んで受け入れたことがそれぞれの地方の民族衣装を着た女性たちを描きこむことによって表現していたり・・・
工業、農業がうまくいって電気もよく行き渡っていることを絵の中に描きこんでいたりするのです・・・
ここにはおみやげ屋さんもあり、そこではビデオによる説明もあるらしいのですが、そのときはそのお店の人が夏休みでいなかったので見ることができませんでした。で、「また来てネ~!!」とおねえさん。でも、この美術館をワタシが出る前におねえさんが昔のソフィアの写真でここの展示物がどこにあって、今はどうなっているのかを写真で見せてくれました。町の真ん中のソフィア像は昔はレーニン像、旧共産党本部の上にあった赤い星もここの展示物になっていますが、しばらくはどこかの美術館の裏庭にほったらかされてたんだって・・・
そういえば入ってすぐに見える特徴的な「リプブリカ」像、放っておかれたのを保存してたのは日本大使館だったとか。だって日本人から見たらユニークで面白いもんね。でも当時は共産体制の崩壊で、「こんなもんっ!!」って扱いだったのかもね。
ここに来たことで一つの収穫。何となくブルガリア人の、特にご年配の方々の話していることが少し分かった気が・・・ あの時代ともちがうんだなァ~、今のブルガリア・・・