私のようなアジアンカ(アジア女性)を見ると、ブルガリア人はお約束のように「キタイカ?ベトナムカ?(中国人?ベトナム人?)」と尋ねてきます。「いいえ、ヤポンカ(日本人)です」というと多くのブルガリア人は「オオ~、ヤポニヤ!!」と大喜び(時には大はしゃぎ!?)します。どうして??
何しろ、ブルガリアではメディアを通じて「日本はスバラシイ国」と、ものスゴ~く宣伝されているのです。友人の家で先日見たテレビ番組では、一人のブルガルカ(ブルガリア人女性)レポーターが見た日本という国です。東京の地下鉄や通勤電車などがそれこそ秒単位で、止まるところまで決まっていることを取り上げて「世界で一番トチュノ(正確)」と言っていました。本当に秒刻みで働く日本人。その生活を支えるテクノロジー。どれもこれもテレビでは絶賛の対象です。食事は?「ラーメンというものが日本人は大好き!」 忙しいときにすぐに食べられるし、一杯で満腹感も十分! これはまああってるかな? 「ブルガリア人だ」と彼女が言うと(コメントしていた彼女、パッと見ではアジア人に見えるのです。それで日本滞在中、彼女は日本人から「韓国人か?」と聞かれたそうです)、日本人はすぐに「キセロト・ムリャコ!! と言われる」とも言っていました。つまりヨーグルトのこと。明治乳業のおかげで日本人もブルガリアのことをひとつは知っています。(それしか知らないという話も…)確かにブルガリア人はヨーグルトをよく食べる(飲む?)もんね。
また、ブルガリア人は日本の皇室の話にも結構関心を持っています。黒田清子さんの婚約や結婚のことも大きく新聞テレビで取り上げていました。友人の一人は「どうして彼女は結婚するとプリンセスのステータスが全部なくなっちゃうの??」と聞いてきました。日本人でも分かんないや。私に聞かれても… /(・・);
つい先日ラジオのニュースで、ブルガリアと日本の間で経済協力に関する会談が行われた、と言っていました。日本側からは扇千景元衆議院議長が参加したとのこと。この扇さんのことを詳しくレポートしていて、扇さんは元タカラジェンヌであるとか、タカラヅカとは伝統のある女性だけの劇団であるとか、ご主人が有名な「アクトル(俳優)」で息子たちもそうだとか、そして扇さんもヨーグルトが大好きとか・・・ ニュースの半分以上を本題の経済の話よりもこのワイドショー的な芸能情報に費やしていました。(難しい経済のニュースを聞き取れなかっただけかもしれませんが・・・(TT)) この手の情報が大・大・だあ~い好きなブルガリア人、きっと扇さんのことを身近に感じたに違いありません。レポーターも「インテレスノ!(おもしろい!)」って言っていました。
それにしても、日本に関してはよいことばかりが取り上げられています。でも、これは今に始まったことではありません。実は共産体制時代、この国の権力者だったトドル・ジフコフが大の日本びいきだったあたりからのことなのです。ジフコフ氏がよく日本に行っていて、そして日本から経済や技術の協力を受けたことがその都度ニュースになれば、人々も良い印象を持つかもしれません。結構日本の都市と古くから文化交流をしている町もあるようです。(写真は岡山市の姉妹都市、プロブディフ市の街角の様子です。)
先日町で話した年配のご主人は元共産党高官だったそうで、「日本には感謝している」とまで言っていました。私の知らないところで(知る由もないけど・・・)日本はいったい何をしてあげたのかしら??? なんだか感謝までされちゃって・・・ 「いや~、どういたしまして・・・ それほどでもありません・・・」なんて恐縮するのもヘンだしなあ~。 でも、人々の印象が良過ぎるのもコワい!! だって日本から聞こえてくるニュースは悪いことばかり。殺した、殺された、放火した、盗まれた・・・ そんな話のオンパレードです。「トチュノ」な電車も無理に「トチュノ」にしようとするあまり事故が起きています。みんなの印象が悪くならなきゃいいけど・・・
先日もまた、道端でいきなりおじさんに「キタイカ?コレイカ?ベトナムカ?」と話しかけられ、「ヤポンカです」というと大はしゃぎ! いきなり握手!! まあ、今はペルニックの地域社会の人たちが「日本」という国に対して持っているイメージを私がコワさないようにしたい、と思っています。