幼稚園のころ、「好きな食べ物、ラーメン、お寿司、すいか」となんかのパーティーのカードに書いたワタシ・・・ 冬にすいかの絵が描いてある絵本を見てしまい、「わー、すいかが食べたい!! ワーっ」と泣いてねだって困らせた、といまだにウラミがましく親から言われます・・・ でも、そういう子供はワタシの他にもきっといたはずっ!! ブルガリアにはそんな望みをかなえるためのものがある・・・ らしい・・・ それが「мед от дини」、訳すと「すいかの蜜・・・!?
すいかの蜜といってもすいかの花の周りを飛び回ったミツバチたちの採った蜂蜜のことではありません。そういえば、ブルガリアでは「松の蜜」ってあるけど、それも松の木から取れた蜂蜜じゃないもんネ。先日ニュースを見ていてはじめて知ったこのすいかの蜜、これはトブルジャ地方の特産品らしい・・・。ドブルジャ地方とはブルガリア北東部、特にドナウデルタから黒海沿いまでの地方、都市名でいうとドナウ川沿いでブルガリアからのドナウデルタ観光の入口シリストラ、カバルマ、ドブリッチから黒海沿いのリゾートバルチックあたりのこと。パンの名前で「ドブルジャ」ってのがあるくらい豊かな穀倉地帯、農業地帯のようですが、以前からロシア、トルコそしてルーマニア、ブルガリアの間で取り合いになっていた地方のこと。
このすいかの蜜作りってその地方の夏の風物詩のようですね。ソフィアの街中に山のように積まれて売られるすいかたちがこの地方から来るとすれば、この地方から出ることなくたくさんできたすいかをどうするのか、はたまた夏以外でも楽しみたいとすればどうするのか・・・ そう考えた人たちが作り始めたものなのでしょうか?
В с. Смилец показаха как се прави мед от дини
レシピはこちら!! う~む、でも日本人のワタシとしては「フレッシュ」(搾りたてフルーツジュース)でも、「ディニャ」(=すいか)にはなかなか手が出ない。昔アメリカ人の友人がジューサーをアメリカから持参してすいかジュースをつくるのを教えてくれたけど、ジューサーがあってもすいかジュースはしなかったモンなぁ・・・ っていうか、すいか自体がジュースみたいなもんで、それをわざわざ一手間掛けてジュースにするぅ?第一、すいかジュースって需要があるの?今の技術からすれば、オレンジジュースみたいに「濃縮果汁還元100%すいかジュース」なんてのが紙パックに入って1年中売れれててもフシギじゃないだろうに、そんなモン、見たことも聞いたこともないし・・・ 夏の時期にちょっと「すいかアイス」があるくらい・・・スイカはすいかとして食べるという面からしても、カリウムを取って体を冷やすために食べるという面からしてもこうやって食べるのがすいかで、どんなに技術が発達しても真冬におこたにはいって冷え冷えのスイカを食べることは「サザエさん一家」でもやんないでしょう・・・
でも、すいかの蜜ってどこにも売ってない・・・ 松の蜜やバラのジャムはどこのスーパーにでも売ってるんだけど・・・ すいかを10kg集めてつくるのはちょっと・・・ でも、ちょっと試してみたい!! と思うすいか好きのワタシでした。
庶民のみ住むソフィア市リューリン区・・・ 最近ご主人を亡くしたスラヴェナのところへ行くと、「ウチは今(本人、娘、娘婿、そして息子も)全員失業中でね・・・ 孫のステフィのために教科書買わなきゃいけないけど、全然現金がないの・・・どうしよう・・・」とさらに涙、涙・・・ そう、この時期学齢期の子供のいる家庭は大変なのです。さらに、教科書以外にも必要でそろえなければならないもの、納めなければならない費用も20レバ(約1400円)単位。月収が1000レバあったら御の字のブルガリア人でもこれはイタいっ!! 毎年、「1年生の教科書が無料で配布される」とか、何かしらの修学必需品が無料になる、という話がありますが、他のものの分が高騰&さらに多岐にわたる、ということで追いつきません。
今年1年生になる子たちには、「もうタブリッツァ(九九のこと)は勉強しない!! 計算機を使うから。子供たちはケータイを一人一人持つこと。学校連絡はSNSを使うから、家に必ずインターネット環境、もしくはスマートフォンでデータ通信できるようにしておくこと」と、もう親もついていくのが大変だ~っ!!!
それにしても新入学、新学期は何かウレシイ・・・ 夏休みが終わるのはちょっとカナシイけど、クラスのみんなと会えるのはウレシイもんね~。
街のお花屋さんは、新入生へのお祝いや新学期に先生たちに送るお祝いのお花を求める人でいっぱいです。そして新入生のいる家族はみんなで一緒にお花選び!! 選んだお花を抱えてウレシそう!!
そんなみんなにツラレてか、お花を売っている人たちも街を行く人たちもなんだかウレシそう・・・
そしてソフィアの中心の目抜き通り、きれいにホコ天になったヴィトシャ通りでは教科書や子供向けの絵本、写真集やいろいろな教材を売る屋台的なショップを並べたイベントが。「春のパン祭り」ならぬ「夏の終わりの本祭り」?! 話題の新作小説(カズオ・イシグロさんのもあった!)があったり、
地球儀、動物や恐竜のペーパーモデルなんかもあります!! 子供たちはこの時ばかりとおねだりし放題!! あっ・・・ でも買ってもらえるかどうかは分かりませんけどネ。
国にお金のないブルガリア・・・ 教育の質の低下が叫ばれて久しいのですが、そのせいで私立の学校や付加的なクラス、つまり塾というのが流行りつつあります。「カンディダッストヴァネ」(たぶん受験のこと)、「マトゥラ」(卒業試験?)のために、数学、地理、歴史など難しい科目は、とうとう日本のように塾に行かないといけなくなっているのか・・・ 「ケータイで計算する」なんて言ってるんじゃ、これからますますそうなっていくのかも知れませんネ~・・・
日本でもほぼ毎日ニュースになっていると思いますが、シリアやアフガニスタン、アフリカの方からたくさんの人たちが命がけでボートなどに乗りヨーロッパに難民としてやってきています。イスラム国問題や内戦など「難民」というのも本当のようですが、より富裕な国々への移住を希望している人が大半・・・ ということからして戦闘地帯からの避難だけが理由ではないようです。
まァ・・・ 内戦さえなければシリアはここブルガリアよりも豊かな国ですから・・・遠い昔、すーんごく若かったころ、ハートブレイク旅行でダマスカスやアレッポ、そして最近ニュースにもなった、イスラム国が世界遺産をぶっ壊して学者先生を殺したパルミラなどに行った事があるのですが、本当にシリアは歴史、観光、資源などすべてが備わった国です・・・ だから「平和だけどビンボー」という所(特にブルガリア)は素通りしたい、というのが本音かも。さらにブルガリアはマフィア国家で、そういう困っている難民たちを食い物にして、非合法に「何とか西に送る」人身売買組織もあることは以前から有名です。
昨日、ソフィアの真ん中のアラブ人街(ツァル・シメオン通り)で殺人事件があったそうです。シリア人の若者が殺されたようですが、その原因はやはり難民の非合法な運び屋稼業(あとヤクとか・・・)でもうけたお金の分配をめぐってかなんかのトラブルらしい・・・ 昔からいるシリア人も多いけど、そういう事情で新参者もいっぱいいるみたいだし、その間での仁義なき争いが起こりつつあるのかもしれません。
ブルガリアの政府はというと(そして最近ではブルガリアの人たちも)、「こっちが困ってるんだから難民なんか受け入れて助ける余裕なんてナイっ!! こっちが助けて欲しいわっ(怒)!!」という態度です。そしてそんな中、冷凍車がウィーン市郊外の高速道路上で停まっていて、中から女性や子供を含む70人以上もの難民が遺体で発見されました。この人たち、冷凍車に乗せられたとたんに窒息死したらしい・・・ 冷やした温度を保つための車だから空気が通らないのは考えてみたらすぐに分かりそうなものですが、乗るしかなかったのか? そして乗せる方だって考えなかったのか? この事件に関連してブルガリア国籍の人が6人逮捕されたそうです。
オーストリアはもうカンカンで、「難民を受け入れない国々は欧州銀行からの援助は受けさせないっ(激)!!」と言い始めました。それであわててブルガリアも数百人くらいなら受け入れるかも、という話になってきました。でも以前からある難民受け入れ施設「モンテビデオのラゲラ」はラゲラ(収容所)という名にふさわしく(?)犯罪者を収容する施設みたい・・・人権なんてあったもんじゃァございません・・・
チリやブラジル、アメリカなど別の大陸の国々、そしてドイツをはじめヨーロッパの国々も難民受け入れに手を上げています。日本はどうかなァ? 個人的な全く無責任な意見では、地元群馬のリトルブラジル大泉町みたいな感じでリトルアラブみたいな町があってもいいかなァ・・・ それはそれで、井之頭五郎が行ったスーパーやレストランみたいに名所になったりするのもいいんじゃないか、と・・・
う~む・・・ 中東はチョイ昔まで英仏が宗主国だったんだし(ダマスカスなんかに行くと子供たちは外国人を見るとフランス語で話しかけてきました・・・)、こういう結果になったというのも欧州が「無関係」とは言えないように見えますねえ。責任とって受け入れるしかないのか・・・ 個人的にブルガリアという、中東やヨーロッパの文化の混ざった所に住んで、シリア人やらいろいろな中東出身の隣人を見てきた感想ですが、彼らはどこに住んでも変わらないでしょう・・・ ホント、変わらないです。だから難民のような形で何万人単位の人々が来るということは、受け入れ先の国の地元民にしてみるとどれほど脅威に感じるか・・・ 想像できないわけではありません。国同士の話し合いで「お前んトコ、何千人割り当てっ!」というのは簡単ですが・・・ それにしても自分の住み慣れた故郷を捨てて、こんなに人々が出て来ているというのがいったい何を意味しているのか・・・ しばらくブルガリアもこの問題に振り回されそうです。
ターニャおばあちゃんに呼び出されたある日。そこには彼女のうちの近所に住むフリスティンカおばあちゃんも来ていました。ちょうどお昼頃ということで軽いランチが出されました。ターニャお手製の「ピトカ」です。
「ピトカ」は、手作りのものやアラブ料理の平たいものなどのパンっぽいもの(日本人のワタシにはそう見える)の総称です。今回のターニャのは、上に麻の実、ケシの実、ひまわりやかぼちゃの種を散らしたオリジナル!! そしてブルガリア人のソールフード、おなじみの白チーズ「シレネ」と・・・ 「あ~、あとフリスティンカのつくったコレよっ!!」と、これまたおなじみのハーブソルト、時々このブログにも登場する「シャレナ・ソル」が出てきました。(今まで当ブログでは「シャーレン・ソル」と表記してたかも・・・ でも、「ソル」(塩)は女性形なので「シャレナ」が正解ですネ。)
このハーブソルト、ブルガリアのスーパー、食料品店ならどっ・・・こでも売られています。この風味と味がブルガリア人は大大だ~い好きっ!! でも、これって手作り? 聞くとフリスティンカはよく自分でつくるんだとか。食べてみると・・・ ふ~む、さすがにドマーシュナ(お手製)はスーパーで売ってるのとは全然味が違う!! とても鮮烈です!! うむむ? 何か山椒に似た感じの香りもするような・・・ ブルガリアの料理サイトによると基本になるレシピはこちら。彼女のレシピも基本的に「基本に忠実」。彼女によると、「チューブリッツァとスミンドゥフとチェルベン・ピペル・スラダクと塩が基本。あと、かぼちゃを料理した時に出る種を取っておいて砕いて入れるといいワヨ!!」 へぇ~!! ベースになるチューブリッツァはブルガリア人の心の味には必ず入るハーブで、英語だとサヴォイとか言います。そしてスウィートパプリカの粉。それにスミンドゥフというハーブが入っているらしいけど、それって何? 調べてみるとフェヌグリークというハーブで、インドの方ではカレー用のスパイスでガラムマサラに入ってたりする、腎臓や胃にいいらしい!! あと、バストアップに効果がある、っていう話もあるのよね・・・(アラフィフのワタシにはいまさら、かなぁ・・・)
もちろん自宅のお庭で育てたハーブを乾燥させて・・・というのがベストですが、フリスティンカいわく、「あー、カウフランド(スーパー)で売ってるのでも十分よっ!」との事。自分で調合すれば好みで配合を変えたり、別のハーブを足したりして楽しむこともできますね。例えば、もしホットなのがお好みならばスウィートパプリカを唐辛子に変えたり白コショウを加えてみるのも手!! あと「マシュテルカ(タイム)」や「ボスィレック(バジル)」を入れてみたり、はたまたチャイブや炒ったとうもろこしを挽いたものを入れたり・・・。
その手作り「シャレナ・ソル」は香りがよくてオイシイ!! ターニャは一人一人の前に小皿を出し、バホバホっとけっこうな量を出します。そこに手でちぎったピトカにけっこうたっぷりねぶるようにいっぱいつけていただきます。あまりにおいしかったので残ったの、もらってきちゃった(笑)!!
フリスティンカは70代ですが、親を知らずに育ったそうで、「ビンボーだったけどコレさえあれば何とか食べれるし、今でも大好きよ!」だそうです。パンにバター、もしくはマーガリンを塗り、これをふりかけて食べると、「肉がどこにも入っていないのに肉っぽい味がする」というのが多くのブルガリア人の意見。ふむむ・・・ まあ、そこまでは言わないけど、これさえあれば、日本人の「ご飯に味噌さえあれば・・・」、「ごましお、ふりかけさえあれば」と同じ感覚でパンのお供なのかな? でも手作りは一味違う!! ブルガリアではこの世代が「質素だけど最上のもの」をよく知ってるんですよね~!! 今度友人のダンチェが庭で育てたチューブリッツァをくれるって言ってたから、ワタシも手作りシャレナ・ソル、作ってミヨーっと!!
「船頭多くて船、山に登る・・・」じゃないですが・・・ ブルガリアでウォータースポーツといえば黒海!! でも海のないソフィアでウォータースポーツ?… ワタシも列車の窓からこれを見たときはホントにビックリっ!! 目をみはりました!! それは高原でのプチフカからの帰り、暑ーいトラキア平原から、これまた暑ーい列車に乗ってソフィアに帰ってくる途中、もうここからソフィア、という感じでオコロブラステン・プット(ソフィア外環道)を列車がくぐったところの池で水しぶき!! なんじゃ、こりゃー⁈ これは確かめに行かなくっちゃ!!
それは、ちょうど外環道と国鉄の線路が交差するところの「カジチェネ」というセロのハシっこにある大きな池。池のほとりにはレストランもあり、池の中にはいくつかジャンプ台も!! そしてよーく見ると、池の上空(?)を巡るような形でワイヤーが張り巡らされています。あんまり新しい施設には見えないから、共産体制時代からソフィアっ子たちのウォータースポーツの聖地になっていたのかな? それともスキー場のリフトなんかを再利用したものなんでしょうか?
点検をしているのか何人かがモーターと大きな滑車の付いた塔の上で作業中。その下ではのんびり泳ぐおじさん。
そして池のほとりでビーチのように草の上に寝転がって日焼けするカップル・・・ 9月になったというのにまだまだ35度を越えている日に、黒海や、イスカル湖にさえ遠出しなくても近所でリゾート気分・・・
整備が終わったのか、足にボードを履いて、「さぁ~やるぞーっ」と若者たちがすべり出てきました!! 中には何人もロングヘアーでスタイルのいいモミーチェたちがショートパンツからすらりと長い足で颯爽と滑っていきます。
そして池をぐるぐる回りながら時々ジャーンプっ!! うまく行くと気持ちよさそーっ!!
でも、よく考えてみると・・・ ここの入口に「水上スキー」って書いてあるけど、どちらかというと「水上ボード」!! ワタシ、ボード、やったことないんだよね~・・・ 足の下に2本板がないとちょっとしりごみしちゃう・・・
それから、この池で泳ぐのや遊ぶの、ちょっとツッコミどころがいっぱい・・・ まずは、パイオツカイデーのモミーチェタタ(女の子たち)と一緒に泳いでることになるんだよなぁ・・・
牛だけど。牛飼いのおにーちゃんに連れられた乳牛たち・・・ あまりに暑いので、お食事の間に池に入って半身浴・・・気持ち良さそう~!! だけど、ということは、この牛さんたちと一緒の水に入るって事ね・・・・
そしてテントやパラソルを出してのんびり日焼けしながら太公望たちは魚釣り。たぶん鯉や鮒をねらっているんでしょう・・・ そして釣れたらウチにもって帰って絶対に食うネ、こりゃ・・・ でも、ということは「鯉・鮒のえさ」の溶けた、そして生きた牛の出汁(!?)・・・ 牛さんたちの排せ・・・ うわあぁぁぁ~、考えてはいけない、それは~!! 人喰いバクテリアなんていないよねぇ?!
みんなが楽しそうに池で遊んでるのを見ていると、水面を吹き抜けてくる一陣の風・・・ 涼しい~!! その時ふっと、「もう秋が近いなっ」って感じました。