MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『天と地の方程式』(あめとつちのほうていしき)1~3巻

2015年10月22日 | BOOKS
 3部作です。
『天と地の方程式 1』
アメトツチノホウテイシキ1
富安陽子
講談社

『天と地の方程式 2』
アメトツチノホウテイシキ2
富安陽子
講談社

『天と地の方程式 3』
アメトツチノホウテイシキ3
富安陽子
講談社
(2016年3月3巻発売)

 最近また、古事記や日本の古い物語を元にしたファンタジーを見かけるようになった気がします。
 阿部智里さんの「八咫烏シリーズ」だとか、末吉暁子さんの「波のそこにも」だとか、たまたま私がそういう本に惹かれて手に取っているだけでしょうか。
 久しぶりに小学館の「日本古典文学全集」の『古事記 上代歌謡』なども図書館で借りて、関係のありそうなところを拾い読みしています。(と言っても、現代語と注釈ばかり読んでるんですけれど


 富安陽子さんのティーン向けの本としては『ふたつの月の物語』以来でしょうか。「シノダ!」シリーズよりは少し年長の、中高生を対象にした物語になっていると思います。

 主人公は中2男子。
 転校先の新しい学校で、望んでもいない冒険に巻き込まれていきます。

 主人公も仲間たちも、それぞれ「悩み」を抱えている生徒たち。
 「普通」になりたいと願ってもなれない、そんな「天才」でもあり「異端児」でもあります。

 一人一人違うことが、力になる。
全てわかり合うことはできないけれど、それそれが違うことに意味がある仲間たちが、強大な相手に挑んでいく物語です。
 古事記の中の神様たちが、一柱一柱とても個性的で、違う力を発揮して、国ができ、命が生まれていくのと似ています。

 現実社会でも、誰ひとり同じ人間はいなくて、大人が思い描くような「普通」の子なんて、どこにもいないのかもしれません。
 人との違いにもがいて、悩んで、乗り越えて。
 周りを理解して寄り添えるようになる、協力して生きていけるようになる、そんなステップが思春期なんでしょうね。


<追記 2016.04.28.>
 『天と地の方程式 3』読みました。面白かった。
 すぐ1巻から読み返しました。
 思春期の人付き合いは難しいけれど、「出会えてよかった」と思える奇跡のような出会いが誰にもあるのだと思います。
 登場はしないのですが、Qくんのお姉さんが気になります!

 
 
コメント
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