


妻女山の尾根筋には、この季節足元に朱色の可愛い花が咲いています。高さは約30センチから大きくても1m。ほとんどは、50センチ以内です。草木瓜(くさぼけ)の花です。早春に咲く木瓜(ぼけ)と似ていて小さく区別するために草木瓜と命名されたようですが、草ではなくバラ科ボケ属の落葉性低木です。花の色は、朱色からもうすこし赤が強い紅緋色まで。足元の小さな緑の葉の中で非常に目立ちます。
小さくても一応木なので草をつけたネーミングは、ヒットとはいえないでしょうね。生薬名の和木瓜(わもっか)の方がいいような気がします。別名は地梨(じなし)といいますが、秋に小さな梨のような実をつけます。初めは黄緑で、黄色くなり、やがて赤味が差します。ただ本当に地面近くになるので、そのつもりで探さないと見落とします。他には、朱留(しどみ)、野木瓜(のぼけ)、小木瓜(こぼけ)などとも呼ばれます。
リンゴ酸、クエン酸、酒石酸などの有機酸が多量に含まれるため、果実酒にすると黄金色の大変美味しい草木瓜酒ができます。疲労回復や慢性リューマチに効くそうです。
「草木瓜の 朱儚くて 刺の道」
地面すれすれに咲く草木瓜の朱色の花は本当に愛らしく、美しい乙女が思わず手を伸ばしてしまうのですが、小さな花と葉の陰には鋭い刺が隠れていて、触れると思わず「痛てっ!」などと無粋な言葉を吐いてしまったりするものです。綺麗な花には刺があるのは薔薇ばかりではありませんが、そういえば草木瓜もバラ科でした。花言葉は「一目惚れ」。朱の花の色は儚くて直ぐに色褪せます。人生とは棘の道也。林風
★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。山藤は樹木で。他にはキノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。