モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

森のあんずが開花しました!(妻女山里山通信)

2010-04-05 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 森のあんずが開花したというので山の整備の前に写真を撮りに行きました。あんずはソメイヨシノのようにハイブリッドではないので、同時に咲くというわけではありません。森でもたくさんの品種が見られ、咲く時期は品種によって微妙に違います。在来種は遅めかというと、先に満開になっているのもあり、なかなか揃いません。標高や日当たりによっても違います。そこがまたいいのです。

 街道筋や村内は三分咲き、ところによっては満開も。上平展望台近辺はまだ蕾と様々です。今週末には見頃となるでしょう。ひと目十万本ともいわれる森のあんずは全国的にも有名ですが、穴場は倉科や松代町の東条集落。その間の集落や山間にもあんずがあり楽しめます。また、森でも在来種を探すとひと味違う花見が楽しめます。探すこつは、畑の中で一本だけほかと違う木や、民家の庭にある木を探すこと。特に古い木には説明板がついています。

 あんずの里の開花情報は『あんずの里2010情報サイト』で。昨年のあんずの里の様子は、MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)
4月9日のフォトルポをご覧下さい。在来種のあんずの花がアップしてあります。

 息子達はあんずの花は桜より香りがあって好きだといいます。香りといえば果実がなって落果すると集落中があんずの果肉の香りに包まれます。ただ、昔よりもあんずの木が少なくなって、そのむせかえるようなあんずの甘酸っぱい香りも弱くなったような気がするのは残念です。子供の頃から、アンズ干し、アンズのシロップ漬、紫蘇巻きアンズ、あんずジャム、杏仁は、よくおやつで食べた懐かしい味です。今は焼酎漬けが好みですが…。杏露酒もあります。アプリコットタルト、ロールケーキにあんず、あんずアイスにあんずソフトもオススメです。

 あんずは夏の季語なんですね。やはり、花より団子ならぬ花より果実なんでしょうか。
「唐桃を 舌で転がす 三十路哉」 別に四十路でも五十路でもいいんですけどね…。唐桃はあんずの古い呼び名(平安時代の「和名類聚抄」)ですが、中国風の妖艶な感じがします。森のスケッチパークには、楊貴妃という名の杏の木があり見事な花を咲かせます。ライチ好きは有名ですが、あんずも好んで食べたということです。 また、若さと美貌を保つために、全身に杏仁油を塗っていたといわれています。

 中国では杏子と書き、あんずの林を杏林といってその名の病院があるように医者のことをいいます。昔、中国の名医が治療代の代りに数年で林になる杏を植えさせ、果肉と杏仁を採ったという故事に由来しています。
 日本で果肉を食べるようになったのは、主に明治以降で昔は杏仁をとって薬用とするのが目的だったということです。杏仁豆腐は、中華料理のデザートの定番ですが、夏バテ、冷え性や便秘、喉にいいそうです。動脈硬化や高血圧の予防、老化防止や骨も丈夫にするそうですから、花を愛でるだけでなく積極的に食べたいものです。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、地衣類、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。ニホンカモシカの写真も[野生動物]にたくさんあります。
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