メドゥーサの証言

あのガキが英雄だなんて、笑止。
知らないなら教えてあげる。
あいつはみんな、親にやってもらったのよ。
みんなわたしのせいにしたの。

あいつはわたしのところにきて、
男の欲望をみんな満たしたわ。
でも、こんなことは馬鹿だって言って、
すべてをわたしのせいにしたの。
わたしは彼のせいで、
ペガソスとクリュサオルを生んだ。
でも彼は認めなかったの。

すべてをもみ消したのは、ゼウスよ。
おかげでわたしは怪物になった。
あいつを見ると石になるとみんなに言われた。
悪いことなんて何もしてないのに、
みんなにいじめられて、
首を切られて死んだ。

あいつは私の首を盾に飾って、
嘲笑ったわ。
本当に、なんて馬鹿な女だって、
言ったのよ。

証言。
彼は、みんな、自分だけのものにした。
すべては、人から奪った。
みんなに、たてまつってもらって、英雄になったの。
だってそうじゃないとこまるからよ、みんなが。

みんなで、わたしを、殺したのだもの。

オッド・アイ

男をだましてるって？
ええ、だましてるわよ。
そんなの、平気よ。
だって、あっちのほうがもっとすごいじゃない。

わたしたちはただ、やさしくしてあげるだけなの。
それが、あいつらには必要なのよ。
そりゃあ、甘くはないわ。
仕事だから仕方ないって、
何とかやってるけど、
いやなことはいっぱいあるわ。

女はね、ずっとやってるわよ、こんなこと。
愛のふりして、だますの、男を。
…ふふ、知ってる？
男はね、尽くせば尽くすほど、
女を馬鹿にするのよ。
こんな馬鹿な男に尽くす女なんて、
馬鹿に決まってるって言うのよ。
そのくせ、尽くしてほしいって言うのよ。
本気でつきあってたら、女はつらすぎるわ。
だから、わたしは、割り切るの。

ビジネスね、結局は。
でも、愛は、やっぱり、苦しいわ。
捨てたと思っても、いつの間にかそこにあるの。
嘘ばっかりなのに。
なんでこんなこと、してるのかしらって、
馬鹿みたい。

ああ、愛してるわ、あなた。ほんとよ。