世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

今年の春

2012-04-26 13:12:13 | 花や木

もうそろそろ4月も過ぎようとしていますね。このたびの春に撮った花の写真もいっぱいたまってしまったので、今回一気に紹介してみたいと思います。
まず最初は、近くの海辺に咲き乱れている、ダイコンの群れ。わたしの小さなデジカメで、思い切りズームで撮ってみたのですけど、まあまあきれいに撮れました。



これは、ご近所の庭先に咲いていた、カジイチゴ。白い星みたいできれいです。夏になってくると、オレンジ色の小さないちごの実が生ります。



これも、近所の空き地でであったカラスノエンドウ。日に透けて、紅がきれいです。



おなじみの、ナガミヒナゲシ。花は小さかったけれど、きれいに咲いていました。野っぱらにともる、きれいな明かりみたいだなあ。温かい色ですね。



これはなんだろう。のいちごかな? わかりません。でもきれいなので、撮ってしまいました。なんだか、赤い不思議な実がなりそうだ。どんなものでしょう。



セイヨウタンポポ。草陰に咲いていました。影の中に咲いていると、タンポポ自身が光っているように見えますね。ほんとうに野っぱらの星のようだ。



最後は、キュウリグサ(だと思う)。こんな小さな花を撮るのは、結構今のデジカメくんでは難しいです。前のデジカメくんでは、もっと大きく撮れてたんだけどな。また買い換えるときは、そこのところ、よく調べておかないと。

まあ、カメラのことなんて、ほとんど何もわからないから、結局はみんなカメラまかせになるんだけど。今のデジカメくんもいい仕事をしてくれるし。長いことつきあっていきたいです。

もうすぐ五月。つつじが咲き始めますね。また花が撮りたまったら、ブログにあげたいと思います。

今年のわたしの箱庭お花畑でした。毎年おんなじ面々に見えるけれど、絶対に、去年とは違う花。今年も出会えてうれしかったなあ。



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ジョバンニとカムパネルラ

2012-04-26 07:13:08 | 薔薇のオルゴール

だいぶ前に描いた絵ですが。説明するまでもなく、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」から。
いつもの、一枚にふたりを描く構図です。ふたりの真ん中に見えるのは、一応、「さそりの火」のイメージ。

「月の世の物語」に、水晶球を地球各地に埋めに行くと言う話がありますが、実はあれは、この「銀河鉄道の夜」にあった、ある一節がヒントだったりします。こう言ってすぐにわかる人はいるかな?

   *

 さきに降りた人たちは、もうどこに行ったか一人も見えませんでした。二人がその白い道を、肩を並べて行きますと、二人の影は、ちょうど四方に窓のある室(へや)の中の、二本の柱の影のように、また二つの車輪の輻(や)のように幾本も幾本も四方へ出るのでした。そして間もなく、あの汽車から見えたきれいな河原に来ました。
 カムパネルラは、そのきれいな砂を一つまみ、掌(てのひら)にひろげ、指でぎしきしさせながら、夢のように云っているのでした。
「この砂はみんな水晶だ。中で小さな火が燃えている。」
「そうだ。」どこでぼくは、そんなことを習ったろうと思いながら、ジョバンニもぼんやり答えていました。
(「銀河鉄道の夜」宮沢賢治)

   *

なぜかしら、この一節が、昔から忘れられず、何となく、いつの間にか、月の世の物語に忍び込んできました。

宮沢賢治には、今もいろいろなことを学んでいます。一番大事なことは、自分の好きなように書くのが一番いいことだと、習ったことかな。

上手に書くよりも、自分の気持ちに快い言葉で書くのが、一番いいことだと。

賢治の童話の文章は、美しいけれど、上手い、というものではありません。文章の上手な作家はほかにもたくさんいる。技術の長けた人は、たくさんいる。でも、賢治のことばの美しさには、上手さとか、技術ではない、何かが、まさに、水晶の中の火のように、灯っている。

大切なのは、その光なんだ。

水晶の砂の中に燃えている火は、何の火でしょう? わかるような気がする。でも今は、言わないでおきましょう。いつかきっと、誰にでもわかる日が来ると思うから。




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