世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

こたへたまへ

2012-04-16 12:30:39 | 詩集・貝の琴

ますぐなる まなこもちて
かみに ひたひをあぐる
ことの うれしき さいはひを
きみに あたへたき
この むねの はなの
かをりを きみよ かぎたまへ

ますぐなる あいのまこともちて
かみの まなざしに こたふる
わがあいの ともしびの
たしかなることの よろこびを
きみに おしへたき
この むねに もゆる
ほしを きみよ とりたまへ

きみよ いづへにかゆかむとする
その背を ひるがへし
われの かぜのゆのごとき さけびに
われの たまのひのごとき いのりに
こたへたまへ
こたへたまへ



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La Nascita di Venere

2012-04-16 07:52:24 | アートの小箱
「ヴィーナスの誕生」 サンドロ・ボッティチェリ 15世紀イタリア

今日は詩など発表する予定でしたが、昨日、カバネルやブーグローやアングルが許されるなら…などと書いたので、わからない人もいるかもしれないと思い、今日最初の更新は、「アートの小箱」に入れることにしました。
タイトルはイタリア語で気取ってみましたが、多分、「ラ ナシタ ディ ヴェネーレ」と読むのだと思います。要するに、「ヴィーナスの誕生」。
これはもう、ヴィーナスを描いた最も有名な絵で、だれも知らない人はいないと思います。わたしも好きです。本当に、女神さまそのものだし。


「ヴィーナスの誕生」 アレクサンドル・カバネル 19世紀フランス

個人的にはあまり好きではないんですが、横たわるヴィーナスの要素もあって、なかなかに官能的。でも女神様には見えませんね。普通の女の人の裸の絵を描いて、一応、ベッドの代わりに海を描いて、空にクピドなどをたくさん躍らせて、ヴィーナスにしたという感じです。
海の波の表現なんか、ボッティチェリよりずっとうまいと思うし、技術も進んでるけど。やっぱり、ボッティチェリのほうがきれいだな。


「ヴィーナスの誕生」 ウィリアム・ブーグロー 19世紀フランス

これはもっと好きじゃない。ブーグローは今でも人気はあるみたいで、この絵なんかも、すぐに売れたそうです。でも、なんというかなあ。真珠のように白い肌のヴィーナス。とても上手に描いてあるんだけど、わたしには、これ、とても下手な絵に見えるんです。どんな感じかというと、つまり、ほんとはもっと下手な画家が、うまくなりたくって、魔法使いから魔法の筆を貰って、うまく描けるようにしてもらったという感じ。
ようするに、技術に見合うだけの魂の成長が見えない。一見きれいに見えるんだけど、なんとなく、ヴィーナスを見る周りの人の視線に、痛いものがある。見たくない心が見える。海も、なんだか汚れた浴場みたいに見えて、どことなく、垢っぽく感じる。
なんか、嘘が透いて見えるって感じで、なんというかな、全体的に、きれいじゃない。だから好きじゃない。


「ヴィーナスの誕生」 ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングル 18-19世紀フランス

これもあんまり好きじゃない。うまいんですけどね。うまいだけという感じだな。


神話によれば、ヴィーナス(アフロディテ)は、クロノスによって切断されたウラノスの男根が海に落ちて、その精液から生じた泡から生まれたそうです。海の泡から生まれたというのはなんだか美しいけれど、その泡の元が男性の精液だと言われると、要するにヴィーナスは一種の神秘的な性行為によって生まれたわけで、愛欲の女神といわれるのもなんとなくうなずけるところです。

よく言われるところ、ヴィーナスは、人間が女性の裸を描く格好の言い訳として、使われる。裸の女の人を描いて、周りに海や貝やクピドなんかを描けば、ヴィーナスになるというわけで。それがなくても、ただ、ヴィーナスと題すれば、それは芸術であって、許されるわけで。

まあ、そこらへんを、マネのオランピアあたりがぶっ壊したんですけどね。

わたしもそれにならってヴィーナスを描いてみたのですけれど、女性の裸体はやっぱり美しいし、女性でも、見てみたくなるし、描いてもみたくなる。でも、同じ絵でも、やっぱり本当に美しい裸体じゃなければ、いやだな。ジョルジョーネやティツィアーノは美しいですけどね。

カバネル、ブーグロー、アングルは好きじゃない。だって、きれいじゃないもの。

まあ、今日の最初は、その好きじゃない絵を、参考までに、紹介してみました。







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