フローライト、蛍石(ほたるいし)です。「月の世の物語」では、日照界の若者や役人さんたちは、なぜか蛍石のカードを持っていることになっています。なぜ蛍石なのか。わかりません。書いているときに、一番先に頭の中に浮かんだのが、たまたま蛍石だったのです。物語の中では、蛍石の薄いカードをぴんと指ではじくと、それは薄いキーボードになって、様々な情報の記録や呼び出しや、不思議な魔法などにも使われることになっています。どういう構造になっているのかは、当然、わかりません。魔法ですから。
パワーストーンとして蛍石が持つ意味は、子どものように自在で純真な心の働きを高めてくれることだそうです。脳を活性化させ、記憶力を高めるので、受験生のお守りとしてもお勧めだとか。受験が一つの人生の岐路だとすれば、地球生命としての人類を導いている日照界の人が持っていても、不思議ではないですかな。
実は、サンストーン(日長石、にっちょうせき)というのもあるんですけど。なぜかそっちには頭が行かなかったのです。ムーンストーンにサンストーンだと、単純すぎるからかな。
写真は使えないので、絵に描いてみましたが、色は、透明なのから、緑、紫、絵のように縞模様をなすものなどいろいろあるそうです。硬度が弱いので、こんな風にアクセサリーに加工されるのは珍しいのだそうですが。
写真でフローライトの石を見ていると、それだけで、何かきれいなものがこちらの心に流れ込んでくるような気がしますよ。見たい人は、ぜひ検索して見てみてください。
モデルは、クランペルパピータ(ミモザ)です。まだ十四歳の娼婦。白い服を着て、明るい金髪に、青い澄んだ目をしている。まるで地上に難しい勉強をしにきた、天使みたいだ。彼女は、十四歳で、大人の仕事をしているけれど、心はまだ自在で純真な子どもなのだ。だから、遠いミモザの星に、いっぺんに飛んでいくこともできる。蛍石のブローチがよく似合う。
石の話はこれでおしまいです。パワーストーンの効果などが、どこまで本当なのか、わたしにはわからないけれど、一度だけ感じたことのある、あのアメジストの清らかな香りのことを思い出すと、確かに、石には見えない何かの力があるような気がします。
でも真実は、多分、まだ人間の力では捕まえられない、もっと高い所にあるように思います。
愛は、人間が考えているよりもずっと、清らかで美しいものです。