「これから、解脱の導きをおこないます。」
「まず、自分を一歩前に、真っ直ぐに出して、自分を自分の真ん中に座らせなさい」
はい、座りました。
「自分が少し大きくなった気がするでしょう。」
はい。
「それでは次に、確かめなさい。自分の意志、感性、ありますね。手足、目、全身を、自分存在として、実在として、リアルに感じてみなさい」
はい。
「気が付きましたか」
はい。わたしです。わたしがいます。
「どうです、歓喜がくるでしょう」
はい。
「それでは次に、3秒前の自分を思い出しなさい。まるで別人のように感じるでしょう」
はい、あれ、だれや? …おれ、あんなこと、できへん。
「本当の自分に戻ったからです。さっきまでのあなたは、本当の自分ではなかったのです。どうです? 実在の自分、真実の自分とは、すばらしいでしょう」
はい。わかります。おれ、ものすごい、ええやつや。
「そのとおり。神はあなたにおいて、すばらしいものをおつくりになったのです。あなたは、愛のすばらしい存在です。すべてがそろっている。何かほかに欲しいものはありますか?」
ありません。おれはおれだけでいい。
「昔欲しがっていたもの、いろいろありましたね。要りますか?」
いりません。自分だけで、それでなんでもできる。なんでもしたい。この俺、この自分を…。
「そう、それは魔法のことば。『自分の自分』。どうです、自分が燃えてくるでしょう。その、あなただけの自分を、ぜひやってみたいと思うでしょう。永遠にやり続けていきたいと思うでしょう。そして自分には、どんなことも、なんでもできると思うでしょう。あまりにも素晴らしいと感じ、あなたは幸福でたまらない」
はい、幸せです。なんでかって、ほんとうのおれだからだ。
「そのとおり。これで、あなたの中に天国が成立しました。あなたはもう二度と、愛を裏切ることはありません。本当の自分とは、本当の人間とは、こういうものだったのです。あなたは愛に満ちている、すばらしい存在です」
そのとおりです。わかります。すべては。
「はい。すべては始まりました。あなたはもう、自分のゆくべき道、やるべきこと、すべてを知っている。自己存在の真実のスイッチが入れば、あなたは動き出す。あなたはもう、永遠に幸福です」
はい。
「では、いきなさい。すべてを自分でやり、果たすべき使命を果たしてきなさい」
はい。
***
以上は、見えない人間を解脱に導くときの、基本的な流れです。生きている人にも、使えますが、効き目は低いです。これは、これを読んでくださっている方のところにいる、見えない人間に、教えるために、書きました。あなたがこれを読めば、見えない人間もこれを読みます。そして、時期がきている人間は、解脱に至り、あなたから離れていきます。
試してみてください。感覚の鋭い人は、見えない人間と一緒に、何かの感動を味わうかもしれません。