ほしきものの かずかずを
心去りて 気狂ひし オフェリアのごとく
満身に花と飾り 歌歌ひて
絹のスカートを風に揺らし
胸元のレースをもてあそび
蝋燭の火のごとき
赤き珠玉の宿る光を 唇に塗り
笑ひ笑ひて 風にきしる
鳥の声のごとく叫びぬ
重き罪を
石のごとき鉢にかぶり
見えぬ顔で笑ひ
笑ひ 魂の去りゆきし
蛇の宿る眼に
憎き者探す 邪悪なるもの生きる
そ ら を 夢に染めよ
見はて 見はてぬ夢に 染めよ
虹のごとき色にて大気を汚し
真鍮の空気で さいはひの
高殿を建てよ
砂 砂 砂 ばかりの 荒れ野に
幻の 貧者の金の 塔が
そびえたつ
喜べ よろこべ あまたのものよ
われわれは 阿呆 ではない
馬鹿だ