ユベール・ロベール、18世紀フランス、ロココ。
ローマ時代の廃墟の中で、古代の人々が幻のようにうごめいている。人間の文明というものは、どのようなものもいつかこのように古び、滅びてゆくものだ。今どのような繁栄を見ていようとも、いずれは時代の波に飲まれ、意味を失いながら、次第に浸食されていく。だれも抗うことはできない。人間の進化の道においては、現代の物質文明の繁栄は、いずれ意味を失っていく。高いビルも立派な商店街も、あっても何の意味もないものになっていくのだ。なぜならそれは、自分を見失って世界をむさぼっていた愚かな人間のためにだけ必要なものだからだ。
霊魂の進化をとげていく人間は、いずれ物質文明を捨て、まったく違うものを作り始める。それはあらゆるものの中で最も美しいものである。自然と人間の愛を作り上げるための、人間の最大限の努力を表現したものである。